
メジャーどころ+α(ヴォクシー、ステップワゴン、セレナ(超短時間)、デリカD5)を一通り試乗してみたミニバン選びですが、新車で買えそうな売れ筋モデルはどれもぐっとくるものがなかったというちょっと困った結果でした。その段階で一旦はさめたミニバン熱ですが、なにやら再びミニバンを欲する気分になってきました。そこで、まだ乗っていないミニバンはどうなのかということで、不本意ながら無謀にも少し対象を広げて試乗してみることとしてみました。新車でなくても中古でいいじゃないかという意味も込めて。
まずはホンダのエリシオンです。同クラス(と言われる)の他車(アル/ヴェル・エル)に比べてすっきりした外観が個人的には好印象です。
乗ってみた感想を端的に言いますと、予想をかなり上回る乗り心地のよさと高速巡航性能にノックアウトされました。特に横風への耐性の高さには感心しました。
参考:
エリシオンの試乗
一方で、いくつか気になるところもあります。
細かいところでは、幅が1800ミリを超えるとか、低床を謳うせいかサイドステップが無いために結局は絶対的な蹴上げ高が高いとか、スライドドアからの乗降グリップが高い位置にしかないとか、3列目は立派な代わりに収納(あるいは跳ね上げ)できないとか、他車と比較すれば些細なところがいくつか目に付きます。(子育てファミリー受け指数は少し低そうです。)
しかし、それ以上に気になることもあります。2.4リッターモデルには、(ESC)横滑り防止装置が付けられないことです。今どき新車価格が300万を超えようかという車にしてはちょっとびっくりです。このことをセールス氏に申しましたら、「ホンダは車全体が安全ですから」とか、「お子さんを乗せて横滑り防止装置が必要な運転をしますか」とかいう素っ頓狂な説明をされたので、横滑り防止装置というものは、最後の最後にコントロールできなくなったときにどういう状態でとどまるかという問題であり、運転者の責による要因だけでなく外的な要因ででもアンコントロールな状態になることはあるだろう、現に雪道でそういう体験をしている」と言っておきました。
たしかに数少ないホンダ車の試乗結果(ステップワゴン、エリシオン)は、いずれも操縦安定性は比較的高く、アンコントロールになるまでの懐も深そうな印象を受けましたが、それは車として備わっている能力として当然目指すべきことであり、だからといって予防安全に係わる装備を省略してしまうという企業姿勢に疑いの眼差しを向けざるを得ません。
(余談1:ESCはハイパワーモデルにしか付けないというのはホンダに限らず他の日本車メーカーも結構似たり寄ったり・・・。)
(余談2:メーカーがこういう考えだから国は義務化に走るんです。そして、ある一定以上の経済力を持ち安全意識の高い人は日本車を見限って外車を買うわけです。)
ちなみにサイドカーテンエアバッグは付けられるのですが、サイドカーテンエアバッグを付けようとすると大型コンソールボックスという余計なもの(ウォークスルーが出来なくなる)とコンフォートビューパッケージというどっちでもいいものとトリプルゾーンコントロールフルオートエアコンという過剰なものがセットで付いてくるのです。
さて、少々険悪なムードに持っていっておきながら、ライバルでは標準で装備されているこれらの装備が付けられない事を納得できるような値段だったら新車も考えるという、到底ありえないような展開で試しに見積もりをとってみました。出てきた結果はというと・・・。
この車はメーカーオプションのナビが付いているモデルを選べば個人的にはそれ以上のオプションは必要ないくらいにまずまず装備が充実している(両側パワースライドドアとETCが付いてくる)と思っているのですが、頼みもしない様々なオプション(ドアバイザーとかコーティングとか点検パックとか延長保障とか)が付けられて諸費用込みで車両本体プラス60万円!これにはびっくり、まあこれがセールスマンの常套手段なのでしょうけど、交渉せずに帰りました。いいものなんだから安くは売らないよってことなのかもしれませんが、販売面では苦戦しているのに売る気あるのかって感じです。
(↑どうでもいい話ですが、「こんな値段が出てきたのではもう帰るしかない」と、”丁寧に”宣言して席を立ちました。普通の人はここから交渉を始めるのでしょうが、個人的にはどう考えてもありえない数字でしたので交渉を始めることは出来ませんでした。交渉せずに席を立つというイレギュラーな展開にセールス氏はちょっと焦った様子でした。)
う~む、エリシオン。物がいいのは確かな気がしますが、驚きの値引きが無い限りは買えません。でもそれは期待薄、ちょっと残念です。
Posted at 2011/09/11 01:34:28 | |
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