ライトと言えば昔から丸型と相場は決まっていたものです。光学的にも丸型が最も無駄がなく効率が良いでしょう。
しかし、丸型ヘッドライトではフロントデザインのバリエーションに限界がありそうです。やがて角型、さらには異形ヘッドライトというものが登場し、私が小学生だった80年代には端整で精悍な顔をした横長のヘッドライトの車が流行っていたような記憶があります。
その後、プロジェクター式のライトが登場し、さらにはLEDライトが登場し、ライトはどんどん小さくなるのか・・・ということは全然無くて、たしかにプロジェクターの大きさ程度には上下方向に薄くなっているものもありますが、ライトユニット全体としては小さくなるどころか、フロントの表情を左右する重要なアイテムとして(デザインのためだけに)むしろ光らない部分が増えているという、ライトとしてはよくわからない方向へ行っているような・・・。デザイナーがそういうものを求めているのでしょうか。
これは職場にあるプリウスですが、メラメラと目が燃え盛る熱血教官みたいなことになっています。
一方、こういう昔ながらの丸い目の車を見ると、心が和みます。
ミニ
一時期、レトロブームかなにかで、クラシカルな雰囲気を醸し出した丸い目の車をよく見かけましたが、かなり淘汰されてしまったのでしょうか。最近はあまり見かけません。今でもよく見かけるのはミラジーノ。
初代も2代目も、「お前はミニか!」と言いたくなるほどにローバーミニとの類似性を感じさせるものでしたが、万人受けする上品なデザインの軽ということで、年配の方や女性には受けがいいのでしょう。たしかに、こういうのが好きな人には他に選択肢がありません。指名買いです。
ダイハツはこういうのが得意なようで、ほかにも
ミラココア
ムーヴラテ
というのもありました。吊り上った目の車ばかりとすれ違っては心が疲れるので(って、自分が乗っているエスティマもかなり鋭い目をしていますが)、たまにはこういうの和み系も良いものです。
これらはどちらかというと派生車種っぽいようなところもありますが、ボリュームゾーンでも
マーチ(先代)
シエンタ
があります。シエンタは一度は生産中止になったものの引き合いが強く、販売が再開されたそうです。
このクラスで両側スライドのミニバンは、ほかにはホンダフリードでしょうか。3列目は使用頻度が低いので重要視せず、しかし両側スライドドアは必須、そして手頃なサイズと燃料代を考えたらこれくらいがちょうど良いという人は多いのでしょう。フリードもよく見かけますが、この愛嬌のあるシエンタもよく見かけます。漢字で書くと「支援太」、お助けマンといったところでしょうか。
いずれもデビューから年数が経っていますので、丸い目の車を見かけなくなる日はそう遠くないかもしれません。
ここからは余談ですが、四角だったり吊り上がったライトユニットの中をよく見ると、実は丸目だったというパターンもあるようです。
N BOX
ボックスと名乗るだけあってカクカクしたデザインですが、反射鏡は丸いです。ホンダの車はほかにも初代ステップワゴンと初代フィットが丸い反射鏡だったのが印象的です。ホンダ(の関連企業)は異形ヘッドライトの配光設計技術が乏しかったのか、やっぱり反射鏡は丸型が一番優れているというポリシーだったのかよく知りませんが、実用面では最も優れているであろう丸型のライトが中に納まっていたということにホンダの誠実さを感じたものでした。
ノアも、軽く目ヂカラを感じるライトユニットの中身は丸。
ノートも、とんがった目の中は丸。
グニっとなっているADバンも中身は丸。
やはり光学的には丸が有利で、特にH4バルブを使用するハロゲンランプのロービームは反射鏡の上半分に光を当てて下向きに照らすという設計が一般的ようで、そうなると大きな丸というのが設計が楽なのでしょう。大きな丸のライトは明るくて、しかも眩しくないような気がします。
Posted at 2013/11/03 00:37:59 | |
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