2014年12月07日
数年前にトヨタがブレーキの問題で袋叩きにあったことはまだ記憶に新しいが、
今度はタカタ製欠陥エアバッグで自動車業界に激震が走っている。
「『欠陥エアバッグ』タカタ問題 “日本車叩き”に変わる恐れも」
(日刊ゲンダイ 2014/12/6)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/135.html
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/155522/1
このエアバッグ問題が、どれだけ深刻で、どこまで回収・無償修理が必要なのかよくわからない。
米ビッグ・スリーの車は品質、信頼性とも日本のメーカーに比べはるかに問題があり、
本気で調査すればリコールが続出する可能性もある。
前回のブレーキ問題でも、同様なトラブルは米国メーカーの車でも起きているにもかかわらず、
トヨタだけが標的になった。
この記事の通り、はるかに優れた品質・信頼性で販売も好調な日本メーカーの車の
欠陥をほじくりだし叩いて、引きずり下ろそうとする意図があるのは明確である。
とくにトヨタは次世代ハイブリット車、燃料電池車で独走状態であり、何とかして足を引っ張ろう
という意図が露骨である。
日本の自動車メーカーは、こういった批判・非難が起きないよう、より高い品質・信頼性のために
一層の努力しなければならないが、それに逆行する動きもある。
「トヨタ紡織伊達に進出 来年1月工場稼働」 (福島民報 2014/11/8)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014110819120
-----(引用ここから)-----
自動車内装製品の製造や販売を手掛けるトヨタ紡織(本社・愛知県刈谷市)は伊達市の保原工業団地に進出する。来年1月、自動車の内装部品を作る工場を稼働させる予定。
関係者によると、現在使われていない元ニット工場を改装して機械を設置し、自動車の座席のシートなどを製造する。来年度は50人程度の従業員を採用するという。
-----(引用ここまで)-----
伊達市と言えば福島市と並ぶ高濃度汚染地帯である。
グリーンピースの昨年の調査では、地上1メートルの空間線量が1マイクロシーベルト/時を
超える場所がいくつもあった。本来なら即避難、移住をしなければならない線量だ。
「第22回目調査 福島県の福島市、伊達市で測定した空間放射線量」
(グリーンピース 2013/10/25)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/campaign/monitoring/22nd/
http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/20131025_Date_datasheet.pdf
こんなところで生産する製品が放射能汚染から逃れるのは不可能である。
セシウム137の1万ベクレルは、たったの0.00000000311グラムだ。
それほど微小な物質が製品に混入・付着するのを防ぐ手段はない。
しかも、自動車の内装部品といえば、乗員が直接触れるもので、影響は深刻だ。
ひょっとしたら、ここで生産される部品は輸出はせず、国内車向けのものかも知れないが、
だからと言ってよいわけもない。
おそらく米国は、今後、線量計を片手に血眼になって日本メーカーの車の汚染を調べるだろう。
1台でも汚染が見つかれば大騒ぎになり、「日本製=放射能汚染」というイメージ・ダウンを
引き起こし、日本メーカーの売り上げは激減するだろう。
汚染をでっち上げることもあり得る。
日本製食品が大幅に輸入制限されている現状では、たとえウソであっても誰も疑うまい。
日本の屋台骨である自動車産業が揺らいだらどうなるか、説明するまでもない。
政府の福島復興キャンペーンに安易に乗ると、とんでもないしっぺ返しを食うことを
メーカーは肝に銘じるべきだろう。
福一勤務の知人
数kmの所で爆発直後から地下水を汲む上げ
河川に放流・・・
下請け企業が良心の呵責に悩みネットで画像&動画を公開。
その河川は南相馬の田園地帯に流れている。
一時、騒がれたが今や沈静化?・・・
沈静化しても流れは止めておらず継続中。
それでも安心か?安全か?
国会議員の給与は半年前から月25万円アップ。
(橋下市長が街頭演説で暴露)
その25万円は我々の血税だ。
安倍も山口も橋下の意見を聞かず
一度上げたものは下げられないと撤回を否定!
こんな党に政治を任せたら日本は終わりだ。
フォレスターライフなんぞとノー天気な事は
言っていられなくなる。
自公が圧勝すれば消費税10%確定。
2年もしないうちに15%かも知れない。
更に集団的自衛権は成立。
特に集団的自衛権に関しては
世界平和を唱える創価学会が賛成していいのか?
真の世界平和など願っていない事は明白だ。
学会員の幸せだけを願っているのは明らかだ。
そして移民法や外国人参政権を認めさせ
半島人を一番多く移民させ将来的に
日本占領を目論んでいるのは確かだ。
Posted at 2014/12/07 11:27:33 | |
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2014年12月03日
商品名タカタ製エアバッグ 連絡先対応方法 対応開始日2014/11/25対象の特定情報 対象となる自動車のリコール届出が出されているものは以下のものになります。(平成26年11月27日更新)
<記載の順序>リコール届出番号(国は国産、外は輸入) 車名(メーカー名):通称名
国2565 ニッサン:キューブ、エクストレイル、セフィーロ、リバティ、ブルーバードシルフィ、キャラバン
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011090
国2567 ホンダ:ストリーム、シビックフェリオ、フィット
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011093
国2568 トヨタ:カローラ、カローラフィールダー、カローラランクス、ガイア、イプサム、ブレビス、マークⅡ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011091
国3139 ニッサン、いすゞ:キューブ、エクストレイル、リバティ、ブルーバードシルフィ、セフィーロ、ティアナ、キャラバン、サファリ、ダットサン、コモ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000006131
国3140 トヨタ:カローラ、カローラランクス、アレックス、カローラフィールダー、アルファード G、アルファード V、イプサム、オーパ、ガイア、ソアラ、ノア、ヴォクシー、ブレビス、プロボックス、サクシード、マークⅡ、ヴェロッサ、マークⅡ ブリット、WiLL サイファ、WiLL VS
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000006126
国3141 ホンダ:ストリーム、フィット、シビックフェリオ、シビックハイブリッド、CR-V、モビリオ、ザッツ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000006129
国3142 マツダ:RX-8、アテンザ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000006130
国3369 トヨタ:カローラ、カローラランクス、アレックス、カローラフィールダー、アルファード G、アルファード V、イプサム、オーパ、ガイア、ソアラ、ノア、ヴォクシー、ブレビス、プロボックス、サクシード、マークⅡ、ヴェロッサ、マークⅡ ブリット、WiLL サイファ、WiLL VS
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000009810
国3375 ホンダ:ストリーム、フィット、シビックフェリオ、シビックハイブリッド、CR-V、モビリオ、モビリオスパイク、ザッツ、アコード、アコードワゴン
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000009925
国3381 ニッサン、いすゞ:キューブ、エクストレイル、リバティ、ブルーバードシルフィ、セフィーロ、ティアナ、キャラバン、サファリ、ダットサン、コモ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000009947
国3376 マツダ:RX-8、アテンザ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000009943
国3382 スバル:レガシィ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000010048
国3427 ホンダ:CR-V
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000010439
国3456 ニッサン、ニッサンMT:キューブ、マーチ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000010860
国3471 ホンダ:ザッツ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011003
国3474 トヨタ:ヴィッツ、RAV4J、RAV4L
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011108
国3475 ダイハツ:ミラ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011105
外1602 ホンダ オブ アメリカ:インスパイア、セイバー
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011092
外1622 ホンダ オブ アメリカ:インスパイア、セイバー
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011089
外1651 ホンダ オブ アメリカ:インスパイア、セイバー
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011087
外1652 ホンダ カナダ:ラグレイト
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011088
外1804 ホンダ オブ アメリカ:インスパイア、セイバー
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011086
外1805 ホンダ カナダ:ラグレイト
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011085
外1918 NUMMI:ヴォルツ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000006127
外1919 ホンダ オブ アメリカ:シビックGX
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000006128
外1933 BMW:BMW 316ti、BMW 318ti、BMW 318i、BMW 318Ci、BMW 318i ツーリング、BMW 320i、BMW 325i、BMW 330i、BMW 330Ci、BMW 330Ci カブリオレ、BMW M3
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000006328
外1934 BMW、アルピナ:アルピナ B3-3.3、アルピナ B3-3.3 4WDツーリング、アルピナ B3S、アルピナ B3Sクーペ、アルピナ B3Sツーリング
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000006327
外2058 ホンダ オブ アメリカ:エレメント
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000009944
外2059 ホンダ カナダ:MDX
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000009945
外2060 ホンダ:フィットアリア
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000009946
外2080 BMW:BMW 316ti、BMW 318i、BMW 318ti、BMW 318i ツーリング、BMW 318Ci、BMW 320i、BMW 323i、BMW 325i、BMW 325iツーリング、BMW 328i、BMW 328Ci、BMW 330i、BMW 320Xi、BMW 330Ci、BMW 330Ci カブリオレ、BMW M3、BMW M3 CSL、BMW M3 カブリオレ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000010517
外2087 BMW、アルピナ:アルピナ B3-3.3、アルピナ B3-3.3 4WDツーリング、アルピナ B3-3.3 4WD、アルピナ B3S、アルピナ B3Sクーペ、アルピナ B3Sツーリング、アルピナ B3Sカブリオ
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000010552
外2114 ホンダ:フィットアリア
http://www.recall.go.jp/article/detail.php?rcl=00000011004 公表行政機関
国土交通省
公表行政機関の掲載情報
備考[重要なお知らせ]
タカタ製エアバッグのリコール対象である車両を使用されているユーザーの皆様は、早急に自動車ディーラー等で修理等の処置を受けていただきますようお願いいたします。
[消費者庁からのお知らせ]
主要な自動車メーカーにおいては、車検証に記載されている車体番号を入力することで、対象となるリコール情報が検索できるシステムがあります。
国産車メーカー(五十音順)
スズキ株式会社 http://www.suzuki-recall.jp/search/search.php
ダイハツ工業株式会社 http://www.daihatsu.co.jp/info/recall/search/recall_search.php
トヨタ自動車株式会社 http://www.toyota.co.jp/recall-search/dc/search
日産自動車株式会社 http://www.nissan.co.jp/RECALL/search.html
富士重工業株式会社 http://recall.fhi.co.jp/lqsb/
本田技研工業株式会社 http://recallsearch4.honda.co.jp/sqs/r001/R00101.do?fn=link.disp
マツダ株式会社 http://www.mazda.co.jp/service/recall/
輸入車メーカー(アルファベット順)
Audi Japan KK http://recall-search.jp/frontend/audi/
BMW Group Japan http://www.bmw.co.jp/jp/ja/owners/recall_info/recall_search.html
General Motors Japan https://www.gmjapan.co.jp/recalls/info
Mercedes-Benz Japan http://www.mercedes-benz.jp/myservice/recall/search/index.html
Volkswagen Japan Group http://www.volkswagen.co.jp/ja/service/recall.html
Posted at 2014/12/03 21:53:11 | |
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2014年12月02日
新車の販売が伸び悩んでいると言われる。
消費税アップや景気もさることながら最大の理由は
「一台のクルマに長く乗るようになったから」である。
この傾向、21世紀に入ったあたりから始まった。
街に出たら走ってるクルマを見て欲しい。
2000年代前半までのモデルが思った以上に多いですから。
しかしクルマは永遠じゃない。
15年も経てば修理コストが嵩み
イヤでも乗り換えなければならなくなる。
いわゆる実需ですね。
直近の中古車業界や販売状況を分析してみると
来年あたりから実需が増えそうな気配濃厚となってきた。
仕方なく乗り換える、という流れです。
「景気悪いから売れるのは中古車なんじゃない?」と思うだろう。
確かに手頃な価格の中古車は
ショッピングリストの上位に入ると思う。
されど同じクルマを10年以上乗ってきた人からすれば
新車を買って長く乗る方が得だということに気づく。
実需は新車中心になると考える。
乗りつぶすということを前提にすると
燃費と安全性を考えるに違いない。
ハイブリッド車や、自動ブレーキ付きと言うことになる。
ところが現在、両方を満足させてくれるモデル無し。
状況を大きく変えてくるのがトヨタの自動ブレーキ付き
ハイブリッドだと思う。
「長く乗れる」という手応えを感じるんじゃなかろうか。
来年から続々出てくるトヨタの自動ブレーキ付きハイブリッド車は
間違いなく売れると予想しておく。
こうなると厳しくなるのが
完全に性能不足の現在販売されている
自動ブレーキ付き車だ。
JNCAPのテストを見ると、あまりの性能に驚く。
スバルとスカイラインを除き、気休めにしかならないレベル。
トヨタの来年かえあの自動ブレーキは
実用的な性能レベルに達してます。
トヨタ以外のメーカーは猛急で自動ブレーキとハイブリッドまたは
ディーゼルエンジンのラインナップを揃えた方が良い。
この二つが揃ってないと、実需出てきたって
ショッピングリストに乗らなくなってしまいます。
Posted at 2014/12/02 16:05:46 | |
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2014年11月29日
何が軽自動車を歪めるのか?理不尽な規制と“飴”が、海外で通用しない車を生み出す
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141129-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 11月29日(土)6時0分配信
日本国内で売れ筋の自動車はといえば、いつの頃からか「ハイブリッドか軽自動車」というのが定番だ。実際、それらは販売台数のデータでも常に上位を占める人気ぶりだ。
中でも、軽自動車の魅力はといえば、まずはなんといっても「維持費の安さ」を挙げる人は多いはず。普通車との格差是正と、2015年10月に廃止予定の自動車取得税の代替財源とすることを目的に、15年4月からの軽自動車税の増税が決まってしまったものの、年間1万800円という新税額は、排気量が1000cc以下の小型車の2万9500円に比べて、それでも約3分の1という水準。「走らなくても掛かる維持費」がこれだけ違うとなれば、軽自動車の人気が高まるのも当然といえよう。
しかし、そうした“飴”が与えられるゆえに大きな声を上げられないでいるのも、実は軽自動車業界の知られざる現状。中でも開発者自身は間違いなく理不尽な思いを抱きつつ、下手をすれば恩恵廃止となることがチラついて、「出る杭にはなるまい」と自らでは主張できないでいるのがエンジン排気量に関する制約だ。
軽自動車として税制面の恩典にあずかるためには、実はボディのサイズとエンジンの排気量に厳しい決まり事がある。前者は3.4m以下という全長と1.48m以下という全幅。後者は660cc以下の排気量。このいずれかを少しでも超えてしまうと軽自動車とはみなされず、自動車税も大きく跳ね上がってしまうのだ。
●理想からは逸脱したエンジン排気量
ここで特に問題となるのはエンジンの排気量。昨今、著しい普通車顔負けの装備の充実ぶりなどで重量が嵩んだモデルでは、優れた燃費と十分な動力性能を両立させるためには、660ccという排気量は「不相応に小さ過ぎる」のが現実。
例えば、両側パワー・スライドドアを備えた4WD仕様車では、今や車両重量が1トンに達するものも少なくない。このレベルの重さに最も効率良いエンジン排気量は実は1リッター程度。それが「燃費でも走りでも最もバランスの優れる排気量」というのは、すべての自動車エンジニアにとっては常識なのだ。
ところがこうした技術的な理想を追えば、今度は軽自動車の枠をはみ出すことになる。それゆえ、メーカーはそれが「理想からは逸脱している」ことを知りつつも、不本意ながら660ccのエンジンを搭載して販売を続けているというわけだ。
確かに、カタログ上の燃費に目をやれば、その向上ぶりは日進月歩の勢い。だが、それはあくまでも「ハンドルも切らなければエアコンも使わず、最高速も時速80km止まり」という、いわば”現実離れ”をした試験モードをなぞった結果の数値にすぎない。それゆえ、30km/リッター走ると謳われるモデルが、実際には20km/リッターもいかないといった現象は多くの人が体験済みであるはず。さらには、事実上の”排気量増大装置”であるターボを備えたモデルでは、アクセルをガンガン踏むとカタログ値の半分も走らないといった事態にもなってくる。
さらに問題なのは、以上のような日本固有の理不尽な決まり事を踏まえて開発されたモデルでは、海外のマーケットではほとんど通用しないという点。
そう、これこそが「軽自動車はガラパゴス商品」と揶揄をされてしまう最大の要因だ。せっかくの小さなクルマづくりの技術を世界にアピールすることもままならず、結局は税制面の恩恵に頼りきった”保護政策”の下に生き続ける軽自動車――そんなクルマに、明るい未来など待っていようはずもないのである。
河村康彦/モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
Posted at 2014/11/29 10:02:01 | |
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2014年11月25日
「技術のホンダ」が思いがけぬ品質問題の煽りを受け、本来なら過去最高益となるはずだった14年度の業績が下振れする。
同社は7月29日、連結最終利益が前期比4.5%増の6000億円になる見通しだと発表し、期初予想から50億円上方修正した。これは同社の過去最高益である08年3月期(6000億円)に届くレベルだ。それが10月28日の中間決算発表では一転、7月予想から350億円減の5650億円へ下方修正した。加えて、同年度の自動車販売計画も、世界目標を490万台から469万台へ、国内目標を103万台から93万台へ引き下げた。
一連の下方修正をもたらしたのが、主力車種のリコール問題だった。同社は10月23日、主力小型車「フィット」など約42万台をリコールすると発表し、株式市場関係者を驚かせた。驚かせたのは台数ではなく、同一車種のリコール連発だった。
例えばフィットは昨年9月6日の発売から今回で5回目、同12月20日発売の小型多目的スポーツ車「ヴェゼル」は同じく3回目という多さで、このため同社は今春以降、今期中に予定していた国内向け新型車6車種の発売凍結にも追い込まれていた。その結果、国内生産台数は8月から前年同月比を下回り、10月からは埼玉県内の2工場が減産を余儀なくされていた。
国内の販売現場では「リコール連発でホンダ車への信頼感が消え、客足が一気に遠のいた。消費増税以降ただでさえ売れ行きが悪いところへ、このパンチ。販売の見通しがまったく立たない」(東京都内のホンダ系列販売店)といった悲鳴が上がっている。同一車種のリコール連発は、創業以来技術力を売り物にしてきた同社にとっても前代未聞の異常事態といえるが、「技術のホンダ」に一体何が起こっているのか。
●膨れ上がるソフト開発工数
フィットの欠陥が明らかになったのは発売直後からであり、前出の販売店関係者は次のように振り返る。
昨年の9月中旬、北関東のホンダ系列販売店に、顧客から切迫した声の電話がかかってきた。「買ったばかりのフィットHV(ハイブリッド車)が坂道で停止したまま動かない。一刻も早くレッカーしてほしい」。それがリコール問題の発端だった。その後もフィットHVに関するクレームがホンダ系列販売店に相次ぎ、その情報交換が販売店間で盛んになった。その矢先の10月末、ホンダが国土交通省にフィットHVのリコールを届け出たことが明らかになった。ボーナス商戦たけなわの12月にホンダは再びリコールを届け出、年明けの今年2月には3回目のリコールを届け出た。原因は3回ともHV用DCT(デュアルクラッチ式自動変速機)の制御ソフト不良だった。リコールは発売直後のヴェゼルHVにも飛び火した。
ホンダHVの欠陥は昨年末には自動車業界中に知れ渡り、社外でも専門家らの原因究明が始まり、年明け早々に原因がほぼ特定されていた。ブログなどで問題提起をする関係者もいたが、その一人は次のように説明する。
DCTの制御ソフト不良は、今回のフィット/ヴェゼルHV開発で新たに採用したHVシステムの複雑さにある。同社は従来、IMAと呼ばれるHVシステムを採用していた。エンジンとモーターがクラッチに直結した単純な構造で、発進、加減速、高速走行のすべての運転で常に両方が連動して駆動する仕組みになっている。
これに対して新HVシステムはエンジンとモータを分離、IMAではできなかったモータだけの「EV走行」を可能にしているのが特徴。つまり、2つのクラッチを持つDCTにエンジンとモーターを別々に結合させ、発進時はEV走行し、加減速や高速走行時は運転状況に応じてモータ補助走行やエンジン走行を自動的に行う仕組み。それだけ構造が複雑化している。
ホンダにとって不幸だったのは、DCTの採用経験がなかったことだ。このため、DCTの制御ソフト開発は試行錯誤状態で行わざるを得ず、同関係者は「ソフト開発工数がガソリン車や既存HVの比ではなかった。フィットHVの発売時期が迫る中、評価工程を簡略化して見切り発車した節がある」と推測。その根拠として「開発現場では発売後もバグ取りに追われていた」と指摘する。
同社開発部門トップの山本芳春専務執行役員は、10月24日に安全運転支援システム「ホンダ センシング)」を発表した際の囲み取材で、記者団からリコール連発の原因を聞かれた際、「複雑な新HVシステムに対しての知見が不足していた。採用前の習熟が必要だった」と語っている。「ホンダらしい性能競争でトヨタ自動車のHVを追い越そうとした焦りが、今回の見切り発車を招いたのではないか」(同関係者)という見方も強い。
●世界同時開発の誤算
また、別の業界関係者は「12年頃からホンダが加速させている世界同時開発が、リコール連発の背景にある」と次のように説明する。
同社は従来、世界展開する新型車を開発する際は、先行発売した国内モデルをベースに、数年かけて世界各地の現地仕様モデルを順次開発していた。それを国内モデルと並行して現地仕様モデルを開発・量産する「世界同時開発」に変えた。世界規模の生産台数をはなから確保することで、部品調達コストを大幅削減するのが目的だ。そのためには従来、数年かけて順繰りに投入していた開発要員を一気に投入しなければならず、そのひずみが開発現場を疲弊させていた。
「その典型が、昨年9月発売のフィットHVだった」と同関係者は言う。現場では「未経験のDCTを採用したこともあり、フィット旧車種開発時の6倍の要員が必要だったがそれを確保できず、結局2.5倍の要員で開発を進めなければならなかった。当然、大半の技術者が徹夜続きになるなど、外部から見ていても現場の負荷は半端なものではなかった」と振り返る。その煽りで、肝心の品質管理に手が回らなかったようだ。
●品質保証体制強化への取り組み
こうした見方についてホンダ関係者は、「世界同時開発体制は、もはややめられない」と打ち明ける。激化するグローバル規模でのコスト競争で、同社が生き残るためには不可欠な体制だからだ。しかし、フィットHVの開発で露呈した品質管理の脆さを克服しなければ、グローバル競争どころではなくなる。そこで同社が10月23日に明らかにしたのが「品質保証体制強化」だった。
具体的には、同社四輪事業本部に「品質改革担当役員」を配置し、全社の品質管理体制を横断的に指揮するとともに、開発部門である本田技術研究所の副社長を兼務する。これにより、本田技術研究所での開発段階における品質管理体制を強化すると同時に、生産・カスタマーサービス部門の品質管理部署が連携して品質チェックをする体制を整える。同役員ポストには、社内で「ミスタークオリティ」とも呼ばれる専務執行役員の福尾幸一氏が11月1日付で就任した。
「技術のホンダ」の新たな挑戦が始まっているのか?終焉なのか?
Posted at 2014/11/25 11:20:12 | |
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