水曜日の夕方。
夕陽が綺麗だったのでS550を借り出した。
田舎の農道の路肩。17時を過ぎたその道は会社帰りの車やドライブ帰りの車が家を目指して走り抜けるのだが、そんな道路の路肩に停車するS550は忙しさ、慌ただしさと無縁な様子。
まぁ、こんな田舎の農道にS550が停車していれば誰もが見入るが、その視線は憧れの視線ではなくキケンな物を見る視線。シルバーのボディーカラーが夕陽と影に包まれていき、いっそうキケンな感じが増していた。
例えばスーパーカーが停まっていたらどうなのか?きっとその非日常な造形に視線を奪われ、目で遠ざかるスーパーカーを追うだろう。
それがS550だとどうなるのか。大柄なボディーのセダン、誇らしげなスリーポインテッドスターのエンブレムに、走り行く車の助手席に座る気品あふれる奥様は一瞬視線を奪われるが、その視線はすぐに外れ頭が動き前を見る。まるで親が子どもに対して「見ちゃダメ!」と注意した時の子どものように。笑
しかしどうだろう。
この車を横切る時にしか見れない「美しさ」に気付く人が何人いるのか?
夕陽に照らされ輝くボディーライン、その夕陽によって現れる影。このコントラストが生み出す「美しさ」はどれだけでも見ていていられる。
だけどもソレに気付かない人が大半だ。なぜならS550はそんな部分を見出させる「視線を送る時間」を与えてくれないからだ。
それがオーラというもの。それこそがSなのだ。
木曜の昼過ぎ。
人も車も利用しない、何のために作られたのかさっぱりわからない綺麗な道路に、ポツン・・・と真っ黒な車が1台。
一見普通のセダン。真っ黒なボディーのおかげで近寄り難い雰囲気はあるものの、限りなく普通のセダン。
だが、じっくりその車を見てみるとタダモノではないことがわかる。
そこらの車と比べ大きく開いた開口部、さりげないカーボン製のリップスポイラーが装着されたフロントバンパー。そして外に張り出したフロントフェンダー。・・・ここまで説明しても人によってはまだ「普通のセダン」かもしれない。
そんな張り出したフロントフェンダーを横から眺めると「V8 BITURBO」のエンブレム。ビターボの意味が理解できるかは別として、この車がV型8気筒のエンジンを搭載していることだけはわかる。と、思う。笑
そもそもホイールの奥には巨大なブレーキキャリパーが顔を出しているので、車が好きな人には「何か違う車」だということがわかるだろう。しかも、その大型ブレーキキャリパーには「AMG」のロゴ入り。
「V8 BITURBO」 「AMG」
では後ろから見てみるとどうなのか。
「CLS63」と「AMG」のエンブレム。そして角ばった形状の4本出しのマフラー。誰かが「4本出しマフラーは凄いんだ!」なんて言ってたが、別に本数が多けりゃ良いってものでもない。だけどやっぱり本数が多いとヤル気も伝わってくるわけで。
とりあえず、これで材料が揃った。
「V8 BITURBO」「AMG」「CLS63」
車好きな方々は別として、この車がパッと見で「V8ツインターボエンジン搭載で525馬力を発生し、停止状態からから100km/hまでの加速は4秒前半を叩き出す、メルセデス・ベンツのCLS63 AMGという車」ということは絶対にわかるまい。でも、そういう車なのだ。普通のセダンと思ってナメてかかると痛い目に合う。
そのポテンシャルこそがAMGであり、CLS63。
基本的に前の車を煽ること自体オススメできないが、見た目のキケン、中身のキケン、いろいろなキケンがあることを忘れてはいけない。笑
Posted at 2014/11/16 00:54:55 | |
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