
F1もシーズンオフですがフジテレビNEXTではF1Legendsが始まり、録画しておいた1991年第1戦アメリカGPを見ました。
当時からリアルタイムで見ていたのとハイテク時代に突入し始めた時期でもあって、車を見てもそれほどクラシカルな感じはしないのですが、レース内容は現代とえらく違うことにびっくりしました。
まず、コースがとんでもなくバンプだらけで、車載カメラの映像を見ると、これはダートか?というぐらいハネています。車の底からは火花はバチバチ。観客席とも近いし、まず現代の基準ではFIAの審査に通らないでしょう。まだセーフティーカーも投入されていない時代なのでクラッシュやトラブルで止まった車がコース上にゴロゴロしている中をよけていくわけです。さらにこのレースでは5台ぐらいオイルを吹く車がいて、コース上はベタベタのはず。さらにフェラーリとウィリアムズ以外のマニュアルミッションの車は右手でギヤチェンジを行い、左手でパワステのない重いステアリングを回さないといけません。(今年の鈴鹿で某元F1ドライバーは高Gのコーナーではハンドルを戻してシフトしていたとも言ってました)
車のほうも現代ではカラーリングがなかったらほとんど見分けがつきませんが、当時の車は各チームともデザイナーの個性が前面に出たデザインです。エンジンはV8が3種類(フォードDFR、HB、ジャッド)V10が3種類(ルノー、ホンダ、イルモア)V12が5種類(フェラーリ、ホンダ、ランボルギーニ、ヤマハ、ポルシェ)とバラエティに富んでおり、今ほど高周波ではないものの、乾いたいい音を聞かせてくれます。
このレースではパトレーゼの走りがキレていたし、他にも30代後半のドライバーがトップグループを走っているのも今と大きく違う点です。今はマシンの状態も戦略も全てピットから管理されていて、その結果経験の少ないドライバーでも上位を走れる状況になっていると思われます。一方でコーナリングスピードは高くなり、タイヤのスィートスポットも狭いのでシューマッハのようなハイレベルのフィットネスと完璧さをどのドライバーも求められているわけです。現在の精密にコントロールされたレースもいいですが、当時の個性的なドライバーやマシンを見るとそういった楽しみも現代にあって欲しいなと思ってしまいます。
最後にもう一点違う点。このレースの表彰台の3人のドライバーはお互いを称えることも、目を合わすこともありませんでした・・・
Posted at 2012/12/16 10:41:55 | |
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F1 | 日記