
【業界人が選ぶ2010年期待アニメ1位は『涼宮ハルヒの消失』】
2010年も年明け以降、話題作のアニメ化や劇場版展開が続々と決定している。
数多くの作品が制作されるなか、ヒットが期待されるアニメ、原作となり得る
コミック・ライトノベル、そして活躍が期待される声優、アニメーション制作会社は?
業界人アンケートによる10年のアニメ“ネクストブレイク”を予想する。
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原作エピソードのファン人気も高い『涼宮ハルヒの消失』
最もヒットが期待されるアニメの1位には『涼宮ハルヒの消失』が選出された。
大ヒットしたテレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の劇場版であるが、
ファンにとっては単なる劇場版以上の意味を持つタイトルであり、その意味を理解している
(=原作を熟知している)雑誌編集者やライターが特にこの作品への関心を持っているようだ。
原作の「涼宮ハルヒ」シリーズの中でも、『涼宮ハルヒの消失』は人気が高く、
一部では最高傑作ともいわれている。09年の新作放映開始時点で、
このエピソードが映像化されることを熱望したファンも多かったが、
実際には『消失』が描かれることはなく、最終回で映画化が告知されるという形で幕を引いた。
いわば、真打ちが満を持して“劇場”という最高の舞台に上がるわけであり、
近年の劇場版アニメブームの追い風もあって、大ヒットはすでに約束されたようなものだと言えよう。
2位の『デュラララ!!』はライトノベル原作としては珍しく、
女性ファンをメインターゲットとした作品として注目を集めた。
原作は『バッカーノ!』(07年アニメ化)の成田良悟、
原作イラストは『神様家族』(06年アニメ化)、『夜桜四重奏』(08年アニメ化)のヤスダスズヒトと、
いずれも過去にアニメ化された作品を手がけた作者によるものだけにネームバリューは十分。
コミカライズ版が『黒執事』『PandoraHearts』などが掲載されている
『月刊Gファンタジー』(スクウェア・エニックス刊)に連載されているので、
こちらを経由したファンの取り込みにも期待が持てる。
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テレビ東京×アニプレックスによる「アニメノチカラ」
3位の『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』はテレビ東京とアニプレックスによる
オリジナルアニメ制作の共同プロジェクト『アニメノチカラ』の第1弾。
それだけにアンケートのコメントを見ると、「きちんとしたオリジナル作品がヒットしてほしい」
(フライングドッグ 南健氏)など、「期待」以上に「願望」としての票が集まったようだ。
原作がない分、ヒットするか否かの見極めは難しいところがあるが
「透明感のあるキャラクターや映画のような世界観、
クオリティーに重きを置いたオリジナルアニメ作品ということで最も期待しています」
(アニソン番組プロデューサー 高岩秀明氏)と内容面での前評判も高く、
うまくいけば大化けする可能性があるともいえる。
他には、09年に『化物語』が大ブレイクしたことを受けて、
同じ西尾維新原作作品である『刀語』や新房昭之監督作品
『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』『荒川アンダーザブリッジ』を推す意見も目立った。
『ガンダム』シリーズ最新作『機動戦士ガンダムUC』や『バカとテストと召喚獣』、
『バクマン。』辺りも、確実なヒットが見込めるタイトルだ。
また、美少女ゲーム界のヒットメーカー・麻枝准と気鋭のスタジオ・P.A.WORKSによる
コラボレーション『Angel Beats!』がどこまで業界内に旋風を巻き起こせるのかも注目していきたい。
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アンケート調査概要
・調査期間:09年12月9日~16日
・調査対象:アニメ誌、レコードメーカー、テレビ局、アニメライターなど
アニメ業界で働く20~40代の男女
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2010年アニメヒット大予測!(※クリックで拡大)