2011年02月13日
雪の日の思い出【中編】 ~きよしこの夜~
今回はちょっと長いです。すみません。
ではどうぞ。
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2時間強掛けて到着した新大阪。
もはや指定を取っていた列車も出てしまった事だろう。
そう、もはや諦めムード。
取り敢えず列車の指定を取り直そうかと窓口を見やると、そこはもう既に長蛇の列。
すぐにその考えは萎えた。
仕方ないと思って列車の発車案内を見上げると・・・
そこには乗る筈の列車番号が表示されていた。
わが目を疑った。
「神は我を見捨てなかったか・・・」
しかし、その列車番号は瞬時に消えた。
「ん?見間違いか?」
一縷の望みを託し、26番線ホームへ駆け上がる・・・
・・・そこには列車は居なかった。
正確には東方へ向かいゆく列車の影が・・・
しかし諦め悪い私は、近くに居た駅員に尋ねてみた。
「あぁ、つい今しがた出て行きました。」
がっでぇ~む! (T_T)
ああ、判っていたさ。無理だろう、乗れないだろうって。
でも、この僅かの差で逃した悔しさは・・・
510円、かーむばぁ~っく
仕方なく、後の列車の自由席を並ぶ事にした。
既に自由車の待ち行列は、かなりの長さになっていた。
次発が新大阪発の「ひかり」だったが、どうやら東京へは後の「のぞみ」が先に着くらしい。
しかし広島・岡山方面からくる列車の為、自由席は争奪戦。
空いているところを即座に押さえるしかない。
(※後で知ったことですが、指定席が空いていれば、違う列車の指定券でも本来の指定券を持った方が乗ってくるまではそこに乗車できるそうな・・・この時は知りませんでした・・・)
寒風吹きすさぶ中、30分ほど待っただろうか。
待ち行列の人々が十分冷え固まったであろう頃に、ようやく待ちに待った列車がやってきた。
扉が開き、降車の客が降りると一斉に列が雪崩れ込む。
車内は壮絶な地獄絵図・・・とまでは行かなくも、大の大人が椅子取りゲームを繰り広げる。
3人席の前後で別れて座ることになってしまったけれども、何とか座席を確保した。
仕方なく付近の席が空くまで、それで落ち着く事に決めた。
本来なら1時間ほど早く新大阪に着き、駅弁をゆっくり買って、新幹線の車内で食べようなどと考えていたのだが、もうそれどころではなかった。
隣の席では買い込んだ駅弁を広げ、食べ始めようとしている。
これほどまでにその光景が憎たらしいとも、羨ましいとも思えた事はなかった・・・
車内販売に期待したが、待てど暮らせどやってこない。
別の席の客が食料を求めて販売員を探しに行ったが、帰ってくると何も残っていなかったとの事。
こうなったら昼食は諦めるしかない。
列車は名古屋まで徐行運転であったはずだった。
が、いつのまにか浜松まで徐行区間が延長されている・・・
更に遅延の影響で、東京までの線路上にかなりの列車が数珠つなぎ状態で連なっていた為、米原あたりに到達するのに1時間、名古屋に着いたのが2時間強。
これほど東京が遠いと感じた事はなかった。
いつもは雪の影響で新幹線が遅れていると
「大変だね~、可哀想だねぇ」
などと他人事と思っていたが、よもや自分がその渦中にいるとは。
この時、たぶん同じようにどこかの誰かに同情されていたんだろう。(泣)
名古屋に着いた時、座席で大声で電話をするオバハンが居た。
実は京都に着いた時も同じ様に声は聞こえていたのだが、何処に座っている人なのかわからなかった。
窓の外に向かってしゃべれば遠慮しながら喋っているとでも思っていたようだが、その窓に反響して更にデカい声が車内に響き渡る。
そのオバハン、話し方から広島辺りから乗って来ていたようだった。
こっちが空腹でイライラしている時に、油を注いでくれんでも良かろう。
怒りを堪えて話を聞いていると、何かの結婚式か発表会の催し物に間に合うかどうかを会場に問い合わせているようだった。
新幹線の遅延でそちらへの到着が遅れるので、開始時間を遅らせて貰えないか懇願しているように聞こえた。
しかし、会話の様子から相手の会場?の方からは断られた模様。
そのオバハン、通りかかった車掌を呼び止めて新横浜への到着時間を尋ねていた。
どうやら目的地は横浜らしい。
さらに到着時間を確認していたやりとりから、その催し物の時間は 14:00~16:00。
車掌が新横浜到着が早くて15:30過ぎになると言っていたので、今の状況からするとどう考えてもムリ。
到着時間を聞いた後、焦ったオバハンはそれまで列車が駅に止まっている時しか掛けていなかった電話を、今度は走行中に掛け始めた。
ハッキリ言って滅茶苦茶ウザかったのだが、他にすることもなく、自分の空腹のイライラを紛らわすのに良いかと、ちょっとこの顛末に付き合ってみることにした。
どうやら今度は催し物の終了時間を確認していた模様。
しかも再三確認しまくった挙句、
「(終了)時間、延ばせないですか?」
気持ちはわかるけど、そりゃムリだろう。
個人的なものでもない限り。
結婚式であっても、さすがに親族一同残して待たせるわけにもいかんだろう。
残念だったな、オバハン。あんたの日頃の行いだよ。(自爆)
オバハンは名残り惜しそうに電話を切った。
そして車掌の告げた15時30分頃、到着予定を2時間以上経過して着いた新横浜の駅で肩を落として降りて行った。
後で判ったのだが、どうやらこの日、横浜アリーナで氷川きよしのクリスマスイベント「きよしこの夜」をやっていた模様。
オバハンが食い下がった理由が判ったような気がした・・・
結局、東京には16時前に到着。
乗っていた列車が2時間以上の遅着になったという事で、特急料金の払い戻しとなった。
結果的に ”片道料金+指定席料金” の格安で行けた事になるが、要した時間とこの空腹にさらされた虚しさには、それで拭うことはできなかった。
駅の売店で売っているもの・・・スナック、おつまみ、ゆで卵なんか全てがウマそうに見えて仕方なかった。
しかしこの日の目的であるクリスマスディナーの時間まで、あと数時間というところまで来ている。
ここで食べたら、肝心のディナーが食べられなくなってしまって、そうなると本末転倒。
泣く泣く我慢の子。
かくして、今度は東京から宿泊先の舞浜のホテルを目指し、駅の中心から一番遠い乗り場へ向かうのだった・・・
(つづく)
【次回予告】
ようやくたどり着いた東京。
しかし、空腹という名の試練は続く・・・
次回、いよいよ最終回?
まだ続くのかよ・・・次は画像あるんだろうな??
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Posted at
2011/02/13 00:01:59
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