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イイね!
2011年02月26日

読後感想文

読後感想文 さて、
今回車のくの字も出てこないお話です。
しかも、愚痴に近い内容で、
とても長いです。

覚悟を決められない方は、ブラウザの「戻る」ボタンを
クリック!

で、
ここに2冊の本がありまして…。

右のオレンジの表紙は、
「執れ、膺懲の銃とペン―戦時下マンガ史ノート」
  ワイズ出版 著:梶井純

左の白い表紙のは、
「「トキワ荘」無頼派 漫画家 森安なおや伝」
  社会評論社 著:伊吹隼人

知る人ぞ知る、あの森安なおや先生に関する本です。

さて、「執れ、膺懲の銃とペン」については、
もうかれこれ、5年くらい前だったかに買ったもので、
内容の充実っぷりに驚かされましたが、

今回、思わず森安作品が読めるという触れ込みにつられて、
「「トキワ荘」無頼派 漫画家 森安なおや伝」を
買ってみましたが、


惨い!惨すぎる!!
いや、後半半分に掲載されている、森安作品のことではない。
むしろ、それだけでも本の値段以上の価値はある。

問題は、前半の本文だ。

え?
「森安なおや」って誰だって?

ダメだよ、そんなこと知らないで、
こんなところまで読んじゃ…。

最低でも、「まんが道」か「トキワ荘青春日記」は
読んでおいてもらわないと…。
この先ますますわからない事だらけですよ。

でだ、
この本は要するに、
トキワ荘の漫画家のひとりであるところの
「森安なおや」とはどんな人物であるかということを
掘り下げてみよう的な本なのだが。


ものすげ~、浅い!!

”不遇のまま孤独死した漫画家”

という型にはめ込む為だけの誘導文章でしかなかった。
「まんが道」などでは、明るい豪傑なキャラクターとして
語られていたけれど、実際の生活はこうこうで不遇な末路を辿りました。

ということが、まるで、昼時のおばさん向けワイドショー
のノリで描かれているんです。

そうじゃねぇだろ。

人の生活態度のどうこうなんてものを探ってどうすんだ?

一体、森安なおやのどこに惹かれて、 本を出そうと思ったのか、
どう思ったっていうところが、全くといっていいほど描かれていない。

事実とおぼしき事象を既出の文献からの抜粋でまとめたに過ぎないのだ。
その過去の描写にしても、
それぞれの漫画家たちが青春のすべてをかけた、
「こども漫画」への情熱についてほとんど描かれていないのだ。

だからといって、別にへんなドラマを作ってほしいわけじゃない。
市川準? 誰だそれ?知らねぇよ(笑)。

持論を熱く語れって話なんですよ。
どうして、今「森安なおや」を取り上げたのか?
森安なおやが人生をかけて目指した、「漫画」とはなんなのか?
それをどう思うのか? 時代はどう評価したのか? 自分はどう評価するのか?
などなど…。

そういうことをもっと語ってくれよ。

それを紹介者が自ら語らないと、
後半に掲載している作品をどう読んでいいのかわからないと思うのだよ。

たまたま、手塚治虫前史を前述の「執れ、膺懲の銃とペン」などの本や
のらくろ単行本であるとか、その他の諸々の資料で知っていれば、
なんとか理解もできようが、

年表みたいな経歴と代表作の一つです。
って紹介だけで、昭和30年代にして、すでにクラシカルと評された作品を
現代人に魅せるのは至難の業だぞ。

そして、掲載されている作品
「赤い自転車」
は、純然たる児童まんがだ。
作家がどんな思いをこめて、子供たちに贈った作品だと思っているのか?

優れた作品だから、余計な解説は不要。

なんて、本気で思っているバカチンが多いのは困り者だ。
作家自身がすでにいないのだから、紹介する人間がしっかり
代弁しなきゃダメだろう!!!

珍獣が、面白い卵を産んだよ。見てみる?

とでもいっているかのような本書のありかたに、
とても、はらわたの煮えくり返るような思いです。

同時期に描かれた、
つげ義春の貸本屋向けの短編漫画などと比べてみると、
ハラハラドキドキさせるような展開などなくとも、
子供にとっては毎日が冒険のように新鮮で、
この「赤い自転車」に描かれた世界のなんと豊かなことかと。

同門の長谷川町子の作品のような強烈さはないけれど、
ちょっとドキッとする言動も時折見え隠れさせている。

母:「じゃあみんなひみつをもっておきましょう
   いいひみつだから たのしみだわ」
弟:「お母さんのは なんだかこわい」
姉:「おとなのひみつはたいていずるいのよ でもいいわ」

この3人のセリフの妙はどうだろう?
お姉さんという子供でありながら、
弟の前では時として大人にならなければならない日常が身に付いている
からこそ、自然に出せるセリフでは無いだろうか?

そして、これは子供向けの漫画だ。

作者はこの微妙な立ち位置を敢えて描いている。
子供をいたずらに子供扱いしていない。
子供は意外と子供扱いされるのを嫌う。
そして、「でもいいわ」のセリフの意味を理解したとき、
読者の子供は少しだけ心の成長をはじめるんじゃないでしょうか?

空を飛んだり、魔法をつかったり、悪者をやっつけたり、
クラスメイトと恋愛してくっついたり離れたり、
武器や頭脳で大人を相手に互角に渡り合う、
テンポばかりを走らせて進めるそんな安直なストーリーはここには無いのです。
でも、ちゃんとストーリーはドラマチックです。

さて、これをジャンプやサンデーなどの漫画を見慣れた人たちに、
そのまま出して理解してもらうことができるでしょうか?

ましてや、本書自体は、大人向けだ。

当時を知っていようと知っていまいと、
現在に至るまでの漫画の系譜をたどってしまった人間に、
素直にこの作品の感動を受け止めることができるだろうか?

敢えていうが、
「となりのトトロ」
を手放しで評価する人には多分受け入れられないかもしれない。
あんなに能天気な世界ではない。

アレを良しとする人間には、
「どうやら、マンガを読む力がおとろえてきているようだな!」
と言ってあげたい。
(そして、このセリフがわかる人もそれはそれでアレだ)

あ、でもトトロ割と好きだけどね。

いつもの通り、論点がさまよい始めていますけれど、
ここいらで、そろそろ、まとめるとしますと…。

この本では、
「時代に受け入れられなかった、孤高の漫画家」
というような表現で書かれているけど、

実際は、
「時代 が 受け入れられなかった、漫画家」
としないと、

この先の漫画の未来はあまりにも寂しいぞ。

----
漫画は子供の心を明るくする
漫画は子供の心を楽しくする
だから子供は何より漫画が好きだ
----

本書に引用されている、「漫画少年」創刊号の表紙裏に
書かれた文章にの一部ですが、
どういう気持ちでこの文章を引用したのだろうか?

で、今奥付を見たら、
この”伊吹隼人”って著者、殺人事件とかのノンフィクション作家なのね。
どーりで…。

森安作品を読めたことはうれしいが、
半分は残念な文章でそこだけが不愉快な本でした。
ならせめて、もう1本、作品を掲載してほしかったなぁ…。

え〜っと、最後に
車の話も少し。

そろそろ、クラッチをXXX…。

以上です。
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Posted at 2011/02/26 04:56:59

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