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ネズーのブログ一覧

2014年12月23日 イイね!

鉄(鋼)を理屈っぽく考えてみる。その2

さて、今回は鋼の種類について少しお話を。


ヒトコトで鋼と言っても、その種類はとても多いです。


鋼を分類する方法も、成分での分類、形状での分類、性質での分類、用途での分類など多岐に渡ります。



それぞれを細かく説明すると、とても文字数を食いますし、到底覚えられないでしょうw



なので、JIS規格で定められている分類で書いていくことにします。




JISによる鉄鋼の分類は下記のようになっています。



・大分類→鉄、鋼



・中分類→(鉄)鋳鉄

      (鋼)普通鋼、特殊鋼、鋳鋼、鍛鋼



・小分類→(鋳鉄)ねずみ鋳鉄品【FC】、球状黒鉛鋳鉄品【FCD】、可鍛鋳鉄品【FCMB他】

       (普通鋼)圧延鋼材【SS、SB、SM】

       (特殊鋼)構造用合金鋼鋼材【S-C、SCr、SMn、SMnC、SCM他】

             工具鋼鋼材【SK、SKS、SKD他】

             特殊用途鋼鋼材【SUS, SUH, SUJ他】

       (鋳鋼)炭素鋼鋳鋼品【SC、SCW】

           構造用合金鋼鋳鋼品【SCC, SCMn, SCSiMn, SCMnCr, SCMnM他】

           特殊用途鋼鋳鋼品【SCS, SCH, SCMnH】

       (鍛鋼)炭素鋼鍛鋼品【SF】

           構造用合金鋼鍛鋼品【SFV, SFVV, SFCM, SFNCM】



前回、「鉄」は炭素の含有量の少ないものを指すと書きましたが、JISの分類では

「鉄」は炭素量の多い鋳鉄を指します。炭素含有量の少ない純鉄は、機械的性質が良くないので

基本的に工業製品を作るための材料としては不向きなために除外されています。




ここに挙げたすべての鋼材を説明するのは大変なので、

比較的ポピュラーなものをいくつかピックアップして説明します。



《鉄→鋳鉄→ねずみ鋳鉄品【FC】》


鋳造(溶けた鉄を型に流し込んで固める成形法)のための材料です。

前回お話した通り、鋳鉄は鋼より炭素含有量が多いのですが、それは鋳造と言う工法のためなんです。鉄は炭素を多く含むほど融点が低くなります。

溶けた鉄を型のすみずみまで行き渡らせるには、なるべく液体の状態を長く保つほうが具合が良いので、意図的に炭素含有量を多くしているわけですね。

意図的に多く含有している炭素ですが、鉄が凝固する際に黒鉛として組織内に析出します。

鉄の組織のスキマに鉛筆の芯のようなものが入り込んでいるイメージですね。


その黒鉛は、潤滑性や耐熱性、耐候性にも良い影響を与えますが鋳鉄には脆いという最大の弱点があります。組織を分断する形で入っている黒鉛がその原因なわけですから、メリットもあればデメリットもあると言った感じでしょうかね。



FC材にはFC100、FC150、FC200などがありますが、後ろの数字は引っ張り強度を示しています。


引っ張り強度とは、一定の方向に材料が引っ張られたときに破断する時の力の事で
単位はN/mm2です。FC100であれば、ねずみ鋳鉄品で引っ張り強度が
100N/mm2の材料ということです。



あ、ちなみにJISでは形状による分類もあります。

鉄板であったり、H形鋼であったりとそれぞれ分類は存在しますが、成分や性質的には上に挙げた
分類の中の材質が用いられてます。




今回はここまでにします。
Posted at 2014/12/23 01:00:25 | コメント(0) | 理屈っぽいシリーズ | 日記
2014年12月12日 イイね!

鉄(鋼)を理屈っぽく考えてみる。その1

すでに専門的な知識を有する方には読むだけ時間の無駄かと思いますので、

今からでも引き返してくださいね~(^^








最近でこそ鉄以外の金属も多くクルマに使われていますが

やはり鉄は一番身近な金属でしょう。



鉄と一口に言っても、種類は様々です。

それに、皆さんが鉄だと思ってる金属は、大抵は鋼です。

本当は細かな分類が存在しますが、乱暴に言ってしまうと

鉄と鋼の大きな違いは含まれる炭素の量です。


おおよそ0.08%~2.0%炭素を含むものを鋼と呼び、

それ以下は軟鉄、それ以上は鋳鉄と呼ぶのが一般的かと思います。


炭素の含有量の違いで鉄は硬さが変化し、多いほど硬く脆くなっていきます。

逆に炭素が少ない軟鉄は、比較的柔らかい材質である上に焼入れを施しても
硬度があまり上がらないんです。

熱処理による組織の変化には含まれてる炭素が作用するからです。




鉄は鉄鉱石から作られますが、採掘されたときは酸素と結びついた酸化鉄の状態になってます。


これに酸素と結びつくチカラの強い炭素などの還元剤を加えて加熱することで

酸素と分離した鉄が得られます。


天然の状態では酸素以外にも硫黄やリンなども多く含まれており、これらの物質は

機械材料としてみた鉄の性質を悪くしますので、空気を吹き込みこれらの不純物を

取り除きます。その後様々な機械的性質を改善する目的で、様々な成分を加えたり

炭素の含有量を調節したりして、望む性質の鉄(鋼)を作ります。



昔は集めた砂鉄を炭で加熱して、溶けた鉄を固めてから使ってた訳ですが

現在の様な科学的知識が無いのですから、鉄に溶けている不純物を意図的に

取り除く技術は無かったでしょう。

だから、鉄が何と混じった状態で砂鉄になっているかで製鉄した際の出来は大きく左右された

でしょうね。それゆえ良質な砂鉄が取れる地方の製鉄業は盛んになっていったと推測できます。




今回はここまでw
Posted at 2014/12/12 21:39:04 | コメント(2) | 理屈っぽいシリーズ | 日記
2014年12月11日 イイね!

ブレーキを理屈っぽく考えてみる。最終回

ということで


4回に渡って色々理屈をこねてみましたがいかがでしたでしょうか。


ブレーキを弄る、と一口に言ってもバリエーションは色々。

そのホントにさわりの部分の説明をしたに過ぎませんが

興味を持ってくれた方がいるなら書いた甲斐があります。


もしかすると、みんカラ的には「これがイイ!」って書く方が良いのかも知れませんけど

それはしたくありません。


だって、同じ車種に乗っていたってクルマに求めるものは一人一人違います。

弄りに割ける予算だって人それぞれでしょう。


ワタシに相談してくれた人たちへの提案も、人によって内容は違います。



だからココでこれがベスト、なんて話はできません。



自分が一所懸命考えて選んだものなら、それで良いと思います(^^

考えて、選ぶためにはある程度知識も必要です。


そのとっかかりになればイイなぁと思います。




Posted at 2014/12/11 22:19:16 | コメント(1) | 理屈っぽいシリーズ | 日記
2014年12月08日 イイね!

ブレーキを理屈っぽく考えてみる。その4

今回はコルトのリアブレーキについて考えてみましょう。



ワタシはずっとコルトのリアには大きいローターを入れたほうが良いと思ってます。

周りの人間にも、できれば入れた方がイイと言い続けてます。



リアのブレーキを強くする方法としては、パッドを変える選択肢もある。
そのほうがコストもかからない。

こう思う方もいるでしょう。



しかし、ワタシ個人の経験ではパッドではビッグローターと同じ効果はなかなか出せないと
思います。



ビッグローターの利点は、ブレーキ作動初期にリアサスを沈める効果だと考えます。

それは、効き始めるタイミングの変更という言い方もできるかもしれません。


ずっと昔のブログで書きましたが、トーションビームやトレーリング形式のリアサスで
リアのブレーキがかかると、サスペンションを沈める方向に力が発生します。

しかし、これはもちろんリアタイヤと路面の摩擦が十分ある場合です。


ちょっと想像力を働かせてください。仮にクルマのブレーキがバイクや自転車のように
前後別々にかけられたとして、前のブレーキだけガツンとかけたらリアタイヤはどうなるでしょう。

ジャックナイフまでいくかどうかはともかく、リアタイヤの荷重は減少しますね。

その後リアブレーキもかけたとしても、荷重が少なければ摩擦力も少ないため、
前述のサスペンションの動きは発生しにくいです。
そして、制動に対するリアタイヤの貢献度も下がります。

では、逆にある程度リアブレーキをかけてから、フロントをかけたら?

リアタイヤに荷重がそれなりにある状態で、サスペンションを沈める力も
ちゃんと発生します。そしてリアサスが沈むという事は、リアタイヤの荷重も増えるという事です。
そこからフロントをかけても、リアは浮きません。

結果として、車体は平行に近い姿勢で沈むようになります。

制動力も4輪で発生するので、制動力も強くなるわけです。



今までの話でわかるように、リアブレーキの効きをただ強くするというのではなく、

効き始めをある程度早く、強くするのが目的だと言えます。



パッドで同じ効果をというのであれば、リアパッドは初期制動力を強く、フロントは弱くすれば
あるいは可能かも知れませんが、パッドの効き調整をする方が難しいでしょう。

そして、キャリパーが車軸から離れる事もサスの動きに関係していますので
余計にパッドだけでは難しい、と考えます。



中には平行に沈むのと前輪に荷重が乗せにくいと思う方もいるかも知れませんね。

少なくともワタシレベルで言えば、ビッグローターを入れてタイムが落ちたなんて事は
ありませんし、ワタシよりはるかにレベルの高い人でも外す、という選択肢は無いようです。


それより、高速域で急ブレーキをかけた時の張り付く安定感は公道を走行する上でも
強い味方になってくれると思いますよ。



フロントのブレーキは色んなキットやブレーキスワップがあるので導入されている方も多いですが
フロントを強化するならリアも強化するのは大事だと思います。


クルマの一部の性能を上げて満足するのではなく、トータルでクルマを安全で使いやすくする事が
結果としてサーキットなんかの速さも生むとワタシは考えてます。




安心してアクセルやブレーキが蹴っ飛ばせないクルマでどうやって攻めろと?

って話ですよw
Posted at 2014/12/08 19:41:31 | コメント(3) | 理屈っぽいシリーズ | 日記
2014年12月08日 イイね!

【復活】ブレーキを理屈っぽく考えてみる。その3

今回は熱について考えてみましょうか。


最初の回で書いた通り、ブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変換すると書きました。

変換された熱はローターやパッド、キャリパーに入ります。
ブレーキを使い続ければ、発生した熱はどんどん入ってきます。
当然、何らかの形で熱を放出しなければ、熱はどんどん溜まりローターやパッドの
温度を上昇させます。


ブレーキの温度上昇による弊害も最初の回で書きましたね。

・パッドの摩擦係数が落ちる

・パッドの材料の一部が融解して発生したガスによる摩擦力の減少

・フルード過熱によるヴェイパーロック現象


主にこの3つですが、他にも

・熱伝導によるホイール温度上昇に伴うタイヤ空気圧の上昇

・熱伝導によるショック温度上昇に伴う減衰性能の低下

・熱伝導によるハブベアリング温度上昇に伴うベアリングの劣化

こんな可能性も出てきます。



改めて言う必要も無いことですが、ブレーキを含む足回りは金属製の部品がほとんどですので、

熱は金属内を移動して足回りに広がっていきます。


熱の放出は強制液冷キャリパーなどを除き、基本的に金属表面から大気に放出されるのみと考えて差し支えないと思います。


走行中の状態が

熱の発生量>熱の放出量なら、温度は上昇していき

熱の発生量<熱の放出量なら、温度は下降していきます。


それを踏まえて、ブレーキ温度を上昇させない事を考えると、2つの方法があります。

一つは、ブレーキからの熱の発生量を抑える方法。

ですが、原則として走行中の速度、ブレーキの利用量を一定とするなら熱の発生量を減らすには
クルマの重量を減らす以外に手段はありません。

サーキットなどを走行する場合、ブレーキを使えば熱が発生し、使わなければ
熱は放出されます。ですのでサーキット1周の距離の中で、ブレーキを使っている距離が
短いほど、それ以外の距離は放熱に使えるということですね。

具体的にどういう意味かは皆さんで考えてくださいねw


とはいえ、熱の発生量を減らすというのは限度があります。

ですので、もう一つの方法、熱の放出量を増やす事が「タレにくい」ブレーキを作る第一歩です。




先ほど書いた通り、

熱の放出は金属表面から大気中にというのがほとんどです。


熱した金属を大気中に晒すと、金属の熱を吸った空気が周りを囲むので
冷えてる空気が近寄れなくなります。

熱した空気は軽いので上向きの気流を作りますが、熱を吸う速度と吸ってない空気が金属に接する
速度のバランスが悪いので冷えにくいわけです。


ブレーキはホイールの中に存在します。ホイールって走行中にずっと回ってるので
イメージ的には空気の循環がそれなりにありそうですが、実はそれほどでもないんです。

つまり、ブレーキからの放熱や、ブレーキから熱が伝わったホイールに熱せられた空気は
ホイールの中に留まる割合が多いというわけです。

ですので空気で金属を急速に冷やすには、常に熱を吸ってない空気を金属に当てる必要があるんですね。

レース車両のカナードウィングは、前端のダウンフォースを稼ぐ目的もありますが、
ホイール外側を流れる空気をコントロールして、気圧差でホイール内の空気を抜く目的もあったりします。


多くの人が、空気の流れで冷却、と言うと空気を取り入れる事を発想しがちですが
実は空気を抜くことの方が大事です。

抜けば気圧差で空気は入ってきます。逆に、逃げ場がない空間にいくら空気を取り入れようとしても
入らずフレッシュエアの循環が出来ないという事です。


今回はこのへんで(^^;
Posted at 2014/12/08 19:01:38 | コメント(5) | 理屈っぽいシリーズ | 日記

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「@しんぺィさん お疲れ様でした~(^^」
何シテル?   08/07 20:46
人との付き合いにリアルもネットもない、が信条です。 なので人によってはメンドクサイと感じるかも知れませんw オッサンになってクルマの弄りの楽しさ...
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