2013年11月30日
最近はほとんどやってませんが
以前はラジコンを嗜んでいました。
実車では、そう簡単に変える事が出来ない足回りのセットも
ラジコンなら大した苦労もなく色々弄る事ができます。
ワタシの場合、ラジコンやる日はサーキットへ行き
その日一日セッティングを変えてはコースを走り
操縦性の変化を確認したり、タイムの変動を確認したり。
そうして、良いタイムが出るようにしていくわけですが
弄れる箇所が非常に多く、自由度も高いのでコレが非常に頭を悩ませます。
速く走る上でもっとも重要なのはタイヤ。
これはラジでも実車でももっとも重要な要素でしょう。
ラジで言えば、タイヤだけでも
・ゴムの硬度
・インナーの硬さ
・インナーの形状
・ホイールの硬さ
・ホイールの形状
・ゴムの磨耗度、新鮮度
ざっとこれだけの要素があります。
インナーと言うのは、ラジ用のタイヤは
基本的にパンクしている状態(ホイール内側にエア抜きの穴が最初から開いています)なので
実車の空気にあたるものとして、タイヤ内に入れる発泡ゴムで出来たリング状のものを言います。
ワタシのやっていたジャンルでは、これにさらにタイヤ用のグリップ剤なるものがあり
タイヤウォーマーも使っていたので
・グリップ剤の種類
・ウォーマーの温度
・ウォーマーをかける時間
・グリップ剤の組み合わせ
これだけでも大変。
だから例えば、ある日のあるサーキットでの場合
Aという銘柄のタイヤに
Bというインナー
Cのホイールと組み合わせて
Dの下地剤をタイヤに塗って○分放置
その後ウォーマーで▲分暖めて
残りを拭き取ったら、Eというグリップ剤を塗り
ウォーマーで□分暖めて
最後にキレイにタイヤ表面を拭いてやっと走り出す。
やってた頃はあんまり考えてませんでしたが
改めて文章にするとメンドクサイっすね、コレww
当然、タイヤ・インナー・ホイール・グリップ剤の種類はそれぞれ10種類以上あり
組み合わせは星の数ほどある事になりますね。
困った事にサーキットによって、相性の良いものは当然違いますし
同じサーキットであっても、路面状況で組み合わせはガラリと変わります。
実車では時間的・設備的・経済的な理由でココまでの事はやりませんがねw
ただ、
ある程度オールマイティな組み合わせというものもいくつか存在するので
組み合わせを探るのが面倒な場合なんかはそれに固定したりしてました。
大きく外すと、まったく食わなかったりもしますが
平均的なレベルの「セット」から細かく詰めていったとしても
劇的なタイムの変化が現れるのは割とレアな例で
若干フィールが良くなったかな?と思える程度がほとんどでした。
実際にはタイヤ関係だけではなく
足回りのセッティングも出来たので、さらに話はややこしくなります。
現に、当時でもドツボに嵌るとなかなか袋小路から抜け出せないなんて事もありましたw
練習でこういう事を行う一番の目的は
「レースの時に路面変化に対して的確なセッティング変更が出来るスキルを養う事」
なんですよね。
自分の腕なんて、そんな簡単に向上しません。
日々の積み重ねで少しずつレベルアップするしかありません。
なら、レースで自分の力を一番発揮できる状態にクルマを持っていく事が出来れば
ベストを尽くせるわけです。
レース前の練習走行で路面とクルマの状態を見極め
自分がタイムを出しやすい操縦性になるようにセッティングを行う。
そのためには、出来るだけ多くの引き出しを持ち
なおかつデータとして整理されていなければ有効に使えません。
この、データというのが曲者でして。
例えば、フロントのキャンバー角を少しネガティブ方向に増やしたとして
その結果、ターンインで侵入速度を少し上げる事が出来たとします。
この結果だけを引き出しにしまえば良いかといえば、必ずしもそうではありません。
「キャンバーを増やしたら曲がるようになった」
言葉で書くと簡単なんですがね。
まず、この結果自体が本当かどうか?
曲がるようになったなら、タイムが上がるはず。
自分の体感と、客観的な結果の整合性のチェックが必要ですよね。
タイムも上がっていたとしましょう。これで引き出し入り確定?
いやいや、まだまだですよw
タイムが上がったという結果が、果たしてキャンバーによってもたらされたのでしょうか?
例えば、キャンバーを変える前の走行と、変えた後の走行。
1時間時間が開いているともう怪しい。
1時間あれば、温度も湿度も変化します。
路面の状況も変わるでしょう。
路面が良くなっただけで、他は何も変えずともタイムが上がることなんてしょっちゅうです。
で、5分をあけずにキャンバーだけセットして走ってみた。
でもやっぱりタイムが上がったから間違いない?
そうでもないんですよコレがw
まぁ、コレは屁理屈の部類でしょうが
キャンバー変えた「だけ」だと、トー角も変化してるんですよね。
だから本当はキャンバーを変えた違いのみを抽出したいのなら
他のアライメントは極力元の値に戻す必要がありますよね。
コルトのフロントサス形式はマクファーソンストラット。
どういう形か知りたい人は御自分でネットなりなんなりで調べてください。
で、ピロアッパー弄ってキャンバーつけたら良くなった、と。
でもね、
アッパーでキャンバー変えると、KPIも変わっちゃうし
厳密に言えばショックも寝かされてレバー比変わるんですよねぇ。
結果として良くなった、それは真実だとしても
良くなった理由がキャンバーかKPI変化かレバー比変化かそれとも全部複合の結果か
コレを特定できないんですよね。
ワタシ、最近タイヤ内の空気圧のモニターつけたんですけど
普通に朝クルマに乗り込んで
発進してずっと走らせてる間、温度はドンドン変わるんですよ。
もうね、タイヤにデフォルトでどれくらいの空気圧に設定したらイイか悩むくらいww
サーキット走ってて、週回数の1周の違いでどれだけ空気圧変化するんだろうってくらい。
GTプラスとか見てたらわかると思いますけど、レース中の空気圧って
絶対隠されてるじゃないですか。他のチームに見せたくないくらい大事なんですよね。
そういう空気圧の変動とか無視して、アライメントの効果語ってもイイもんかなぁと思うわけですよ。
ぶっちゃけて言えば
ワタシがサーキット走ったって、それは楽しむ意味であって
タイムが出なくても別に何がどうなるわけでもありません。
しいて言えば、Dさんあたりに自分のタイムを自慢されてイラッ☆とするぐらいですwww
まぁそれでも、そういう楽しみの一つとして
クルマを弄る事も含まれてますし、弄ったら第三者に認めてもらえる形で結果を残したいと
いう気持ちはやっぱりありますよね。
それは自分のクルマを試乗してもらったり
自分がサーキットを走ったタイムであったり評価の形はいろいろですけど。
ワタシの中では、それは自分の考えの中で作られた結果であることにこだわってます。
人様のセットを丸写ししたり、ショップに丸投げじゃなくて
自分の試行錯誤の中で生み出される事に意義があるというか。
そういうアプローチの中では、自分がやった事と出た結果に対しての吟味は
絶対に必要なものだと思っていますし、その過程で理屈をキチンと考えるのは
とても大事な事だと思います。
ワタシはクルマを弄りだしたのは今のネズー号からです。
でも、何かを変えたらそれについて効果を長い事検証してみます。
わからなければ一度外して自分の感覚をリセットすることもあります。
考える過程でわからないことはたくさん出てきます。
きむ兄氏や秋代氏にたくさんの事を教えてもらって非常に助けられました。
そうやって一つ一つの弄りについて色々御教授頂き、考えた結果
気がつけば人様のクルマを弄らせてもらえるようになったと思います。
まぁ、まだまだわからないところはたくさんありますけどねw
絶対こうであるべき、なんて偉そうな事は言いませんが
ご自分のクルマについてるパーツについて一度改めて考えてみてはいかがでしょうか。
今回は何かを変える事の「効能」をメインに書きましたが
そもそもそれが効くとしても自分の理想に必要なのか?なんてのも
深く考えていくと新しい世界が見えてみたりするかもしれませんねw
Posted at 2013/11/30 22:47:22 | |
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