
1月14日に『NAロードスター レストアサービス説明会』に参加してきました。
会場はおなじみマツダR&Dセンター横浜。
実は昨年12月に開催された同説明会に申し込んだのですが、応募者多数のためにまずは対象車両であるNA6オーナーを優先させてほしいとのことでそちらには参加することはできなかったのですが、マツダさんの配慮で追加説明会を開催することになったようです。
相方さんと参加するかどうかで調整していたのですが、相方さんの都合が合わなかったため、急遽お友達のいけちゃんB2さんに連絡して一緒に参加していただけることになりました。
会場で待ち合わせとなったので、単独で会場入り。
いつものイベントの雰囲気では無く、どこか落ち着いた雰囲気。
係の方の誘導でRCOJフリマなどで使用する中庭広場へ駐車。
参加される人数があまり多くないのか、柱と柱の間に一台ずつ駐車したので、さながら参加者の皆さんの愛車展示コーナーようでした^^
建物に入り、まずは受付。
後で思い出したのですが、受付にいらっしゃったのはなんとロードスターアンバサダーでもある山本修弘氏でした。
あまりにも普通にされていたものですから、そのときは全然気が付きませんでした^^;
ロビーではラリーを走ったRX-7(SA型)、モーターショーに出展されたカペラステンレス仕様をはじめ、デミオやNDなどが展示されていました。
開催時間となり会場へ案内されました。
会場ではレストアプロジェクトの2号車(赤)、3号車(緑Vsp)の二台のNAが。
参加者が席に着いたのを見計らい、いよいよ開始。
マツダの社内PVがスクリーンに流れます。
PVは最新のものでは無く、NCロードスターの頃に製作されたものとのこと。
マツダのクルマ造りに対する想いと志を込めて製作されたものだそうです。
正直、この時点でちょっと感動してしまいました。
機会があればぜひ皆さんにもご覧になっていただきたいPVでした。
そしていよいよ説明会がスタート。
今回のプロジェクトの成り立ち、サービスを受ける流れ、どのような技術で愛車がレストアを受けるかなどを丁寧に説明していただきました。
実は事前にレストアサービスについての情報をHPなどで予習してきていたのですが、さらに深く説明を受けることができ、価格以上の価値があると感じました。
たとえば基本メニューであるボディレストアにしても、ホワイトボディ状態まで部品を取り外し、細かな修正をしながら塗装をはがし、メーカークオリティでの塗装を施すそうです。
さらにその過程でドアとフェンダーなど各部品のチリを測定し、適正な値で組み付けられます。
また、ボルトナット類に関してもできる限り新品を使用するなど、メーカーならではの細部へのこだわりが感じられます。
ボンネットなどの『フタ物』と言われる部品やフロントガラスも新品交換されるそうです。
価格は基本メニューで250万円(税込)と、支払う金額としてはけして安い価格ではないと思いますが、作業の内容と質を考えれば高いものではないと感じました。
メーカーとしても価格を抑えるためにいろいろと努力したようです。
対象車両の条件に「ボディは修復歴無しで板金修理が必要ない状態で純正に限る。」とあるそうですが、板金修理が必要な状態の車両だと価格も時間もさらにかかってしまうそうです。
技術的には不可能ではないのでしょうけど、さらに「板金修理で100万円追加。」や「やってみないと値段がわからない。」では納得されない方も出てくるでしょうしね。
僕も説明を受けるまでは「無事故修復歴無でボディのひどい錆が無い車両でフルノーマルが条件なんて厳しぎて対象者はほとんどいないのでは?そもそもそんな状態のNAならレストアなんかする必要ないのでは?」くらいに思ってたんですが、話を聞いてみて納得しました。
価格を抑えると言えば部品によっては新品ではなくオーバーホール対応というものもあるそうです。
説明であったのはブレーキキャリパー。
新品だと価格が高くなってしまうので、異常がないようであればすべて分解洗浄してオーバーホールするとのことです。
逆にミッションはオーバーホールでは費用的にも品質的にも新品交換の方が良いとのことで新品交換だそうですが、互換性があるNB純正の5速を使用するとのことでした。
エアコンもすべて新品交換ではなく、デンソー製のレトロフィットを使用してR134仕様へするそうですが、コンプレッサーなどの高額部品は新品交換ではないとのことでした。
オプションメニューに関しては後からでもできる作業が多いため、車両の状態や予算に応じてチョイスすればよいのではとのことでした。
個人的にはここまでやるのであれば一緒にやりたいとは思いますが、価格も価格ですしね…。
このレストアサービスにかかる期間はだいたい2か月で1台のペースだそうです。
ここまでの内容で一般的なレストア業者さんの施工時間からすれば、僕としては早いと感じましたがどうなんでしょう。
ちなみに現時点で30数名の方が申し込みをされているそうです。
これからサービスを受けられるかどうかの車両確認を実施していくんですね。
さらにサービス内容が発表されてから検討を始めた方や、貯金中の方など、申し込みは今後も増えそうです。
支払いに関しては振込による支払いが基本となり、ローンやクレジットでの支払いは不可とのこと。
検討している方にはここがネックとなるかもしれませんね。
レストアサービスを受けられる方は現段階ではかなり限られていると言えます。
特に錆がある車両に関しては、正直素人目ではわからない部分だと思います。
また、錆があるからこそ確かな技術で修復したいと思われていた方も多いと思います。
中古車を購入された方で『無事故・修復歴無』で購入された方も、ひょっとしたら修復歴では無いけどボディに溶接修理を施している車両があるかもしれません。
やる気満々でなんとかお金を工面して申込みをしたのに、対象外でしたってことになったら気持ちの落胆も大きいかと…。
検討されている方はまずは相談してからの方がよさそうです。
復刻パーツについても触れていました。
いくつか紹介すると…
・幌
・アルミホイール、タイヤ
・運転席側クラッシュパッド
・パワーウィンドのガイドローラー
・ナルディウッドステア、シフトノブ
等
だそうです。
P/Wのガイドローラーはアフターパーツで販売されていますが、メーカーでも販売されるそうです。
クラッシュパッドは以前から廃番で欲しかった方も多いのでは?
今後も復刻部品については増やしていきたいとのことです。
入手は近隣ディーラーでも購入可能です。
でも少量ずつの生産・販売となりそうなので、できるだけたくさんの方に届けるためにもまとめ買いや必要以上の予備としての購入は控えていただけるとありがたいとのことでした。
実際にレストアを担当するマツダE&Tについての説明もありました。
僕の中ではマツダE&Tは以前NAのリフレッシュビークルを販売したことが記憶に強く残っていましたが、それ以外にも特殊架装車の製作や、レース車両の製作、維持・管理、リビルトエンジンの製作など多岐に渡って高い専門技術を用いた事業を行っているそうです。
有名なマツダ787Bの管理もこちらだとか。
技術力に関しては申し分なく、安心して任せられそうです。
最後に質疑応答の時間も設けていただき、参加者の方からの質問も受け付けていただきました。
・純正オプションも外すのか?
→取り外しての受付となります。
・純正オーディオで不調なものは修理してもらえるのか?
→オーディオメーカーが対応してもらえないので現段階では不可です。
・AT車、NA8は対象外とのことだが、やっぱり無理か?
→現段階ではNA8などの仕様の違いによる対応ができかねるためNA6に限定させていただいています。
・ナンバー無車両はできないのか?
→今回のサービスはできるだけ「乗ってもらいたい」というところがあります。乗れる状態である車をまずはやらせていただきたいと考えています。
等、一部オフレコ的な話もありましたが、質問者に対して丁寧に回答していただきました。
僕も質問したのですが、いくつか聞きたいことを聞き忘れてました。
レストアされたNAは赤が2号車、緑が3号車ですが、1号車はどうなったのでしょうか?
あと、今回のレストアは電装部品(メインハーネス、CPU等)はどうなのでしょう。
特にメインハーネスの交換なんてこんなときでないとできないので実施していただいた方が良いと思うのですが…。
まぁ僕は対象外車両なので口を挟むことではないかもですがw
それにしても純正オプションも取り外しとなると、ちょっと困る人も出そうですね。
外すだけでよい物でしたらいいのですが、それにより代替部品が無いと走行できないものだとどうするのか…。
個別対応となる部分もあるそうですので、なんとかなればよいのですが…。
そして説明会終了後に展示車の見学。
みなさん興味津々。
新車と言ってもいいくらいのコンディション^^
特にインテリアは普段触れるものだけに見違えますね。
でも逆にここまで変わってしまうと「自分のクルマ」って感じが薄れちゃわないかな?
実はこのとき完成後にもらえるフォトブックのサンプルがあったのです。
それをすっかり忘れてて、帰ってから見てなかったことを思い出しました。
悔しい~(>_<)
今回の説明会ではロードスターアンバサダーである山本修弘氏をはじめ、実際にレストアを施工するマツダE&Tの社員の方、プロジェクト担当の方など、主要メンバーとも言える方々が丁寧に事業についての説明をしてくださいました。
僕はそもそもが対象外の車両ですが、今後の展開についてとても興味があったので今回参加させていただきました。
単純に事業として利益追求や企業イメージのためのプロジェクトでは無く、ユーザーの「乗り続けたい」を応援してくれるようなプロジェクトで本当に嬉しかったです。
山本氏が「乗ってもらいたいんですよ!」と何度も熱くおっしゃっていたのが印象的でした。
内容的にはとても充実しており、値段以上の満足度が得られそうなサービスだと感じました。
特にレストアのような特殊技術が必要となり高額な価格の作業については、利用するユーザーからすれば絶対に失敗したくない(できない)作業です。
当然お店選びも慎重になるし、その仕上がりを含めて不安が募ります。
立地的な条件で遠方ショップが対象外となることもあるでしょう。
このサービスはこれらの不安を抱いている方にとってはとてもよいものと思います。
さらにこの副産物とも言える純正部品の復刻については対象外のオーナーや、レストアまでは必要としないが整備はしたいと思っているオーナーにとってはとてもありがたい話です。
山本氏も説明会で話されていましたが、このプロジェクトは今スタートしたばかりです。
ここまでこぎつけるのにたくさんの苦労や多くの方の協力があり、やっとかたちになったそうです。
これからどのような方向に転がるのかは僕らユーザー側にもかかっていると思います。
「値段高けーよ。」とか「レストアなんかしないし。」とか思っている方も、ほんの少しだけ関心を持って深堀してみると意外と恩恵があるかもしれませんよ^^
説明を聞いた後、あらためて大事に乗っていきたいと思ったのはもちろんですが、自分のクルマがこんなにも熱い想いを持っている人たちが造り支えてくれていると知り、とても嬉しくなりました。
僕も陰ながら応援していきます^^
と、乱文でお恥ずかしい限りですが、簡単にレストア説明会のレポートでした^^
一緒に参加してくれたいけちゃんB2さん、ありがとうございました!
※記憶を頼りに文章を書きましたので、もし違っている部分などありましたらご指摘ください。
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