
先日新型RFを試乗させていただきましたが、話題の990Sにも試乗したいと思っていたところ、実は一番近いディーラーさんに試乗車がありました。
本日試乗をしてきました。
事前に連絡を入れてありましたので、店舗に到着したら早速車に案内され、簡単な説明の後、誓約書を記入していざ試乗へ。
担当の方から「どれくらいで帰ってこられますか?」と聞かれ、横に乗らずに一人で試乗と悟りました。
が、「どれくらいで帰ってこられますか?」とはどういう意味だろう?
「えと、近所をグルッと回らせていただこうと思っています。でも、もし可能であればですが、いつも走ってる〇〇まで走らせてもらえると嬉しいです。その場合30〜40分くらいかかってしまいそうなのですがよろしいでしょうか…?」と言うと…
「もちろんです!ロードスターは短時間乗っただけでは良いところも悪いところもわからないと思います。運転に慣れた頃に試乗が終わりでは意味がないと思いますので、時間があるなら一時間とか一時間半くらい乗り回してきてください。」と、勧めてくれたので、ありがたくお言葉に甘えることにしました。
店舗から出て走り出すと、まだ走行距離が少ないからかギアの入りはちょっとシブ目です。
変にクセをつけるといけないからシフトチェンジはできるだけ丁寧に。
他にインテリアは基本的にNR-Aと同じなので見慣れた感じですが、ステッチの色がシルバーなのが落ち着いてていいですね。
そしてテレスコ付きはうらやましい。
自分のテレスコ無しのNR-Aよりもポジション調整がしっくりきます。
足元はRAYS製ZE40 RSという軽量ホイールが装着され、ブレーキはブレンボ製キャリパーに15インチ仕様のローターだそうです。
軽量ホイール分でブレーキ増量分を相殺していると聞いていたが、自分のNR-Aよりも幾分発進加速が軽やかに感じました。
サスペンションはNR-Aと比較するとまったく別のアプローチでのセッティング。
スプリングはかなりソフト、ダンパーの減衰も同様にソフトですが、強めの荷重がかかったときの腰砕け感はありません。
アクセル、ブレーキ、ステアリングの操作での荷重移動がわかりやすい。
ステアリングはNR-Aの方がどっしりしてるような?
ブレーキは良く効きます。
NR-A標準よりも初期制動が強く、コントロール性は同じように良いです。
ソフトなサスペンションということもあり、強めのブレーキングだとフロントの沈みこみが大きく、慣れるまで少し戸惑いました。
また、左右方向のロール量も多めです。
さて、話題のKPCですが、事前に調べた情報ではKPCは横Gが0.3以上かかると作動するそうです。
でも横Gが0.3とはどれくらいなのかはわからない。
とりあえずカーブで外側のサスペンションがグッと沈むくらいでしょうか。
先日試乗したRFでは意識していれば効果には気がつくものの、強い違和感はありませんでした。
RFはサスペンションセッティングの違いやリアスタビも装着されています。
今回の990SはSベースなのでリアスタビも無く、サスペンションも前述の通りソフトです。
990Sの方が横Gを発生しやすそうなので、効果もわかりやすいだろうというのが乗車前の予想。
いつものワインディングに到着。
まずはKPC(DSC)をオフにし、いつもと同じように走ってみます。
おお、ロール量が大きい。
外側のタイヤに重心をかけながら曲がる感じが強い。
向きが変わるまでのタメの間はまさにオンザレール感。
スーッと向きが変わる感じは爽快です。
しかし、この左右のロールのことを「ヒラヒラ」と形容し売りにするのであれば、だいぶマニアックな層を意識してるなと思えます。
おそらくこれがKPCが装着される前のSの走りに近いのでしょう。
今度はKPCをオンにして走行してみます。
ん?あまり変わらない?
そんなはずは…。
次のカーブからはもう少し注意して進入してみます。
コーナリング中のタメの感覚が小さくなって早く加速する姿勢ができてるような…。
外側の沈み込み方に対して内側の浮きが少ないような…。
外側タイヤに重心をかけてスーッと曲がる感じが減って、カーブのRが緩やかになったように曲がる気がするような…。
なんとも言えない不思議な感覚でした。
しかも少し走るとその状態に体が慣れてよけいにわからなくなってしまいました。
たしかにオンとオフは違います。
でも劇的に変化するわけではありません。
カーブの安心感がいくぶん増すという感じでした。
自分の鈍感さが露呈したのか、KPCの作動時の動きがそれだけ自然なのかはわかりません。
同じ場所を行ったり来たりして試してみたのですが、前述の通りの感想しか浮かばず、やっぱり明確にはわからないのです。
ジャーナリストやユーザーの試乗記を読むと「感動するほど違う」「今までとは別物」のように990S+KPCの組合せは絶賛されています。
情け無い話ですが、僕にはKPCを語るほどの差を感じることができませんでした。
以前Sと S SPを試乗したときのリアスタビの有無の方がわかりやすかったです。
990Sは総じて軽快感に溢れる走りが魅力なのはよくわかりました。
対してNR-Aのサスペンションはもっと締め上げられ、ロール量も少なく、どっしりしたコーナリングです。
うまく言えませんが、990Sがコーナーをサッサッとクリアするのに対し、NR-Aはペターっと曲がっていくイメージです。
ステアリングの重さは990Sは初期のSよりもだいぶしっかりしたものとなってましたが、NR-Aはさらにどっしりしてるように思います。
KPC付きのNR-Aがどんなものかわかりませんが、機会があればそちらも乗ってみたいです。
KPCは公道を一般的なペースで走る分にはカーブでの安心感が増すというメリットになるものだと思いました。
全車標準装備ということで、もしドライバーの意に反した挙動になるものであれば考えものでしたが、それは杞憂だったようです。
余談ですが、新色のプラチナクォーツメタリックはカタログや写真で見るよりも深みのある良い色でした。
明るいところでは光の当たり方により表情が変わり、暗い場所ではグレーのように落ち着いた印象となります。
特にロードスターのボディラインはグラマラスなので、角度によって発色が違い魅力的なカラーです。
これからロードスターを購入検討されてる方は現車の色を外で見ることをお勧めします。
まとまりの無い雑記のようなインプレとなってしまいましたが、今後の自分への備忘録として記しておくことにします。
正直、自分は鈍感で素人丸出しの感想しかありませんでしたので、あまり参考にはならいかと思いますが…。
もし自分が将来乗り換えるならATのNDか、NR-Aのどちらかになりそうです。