目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
【ODO 123000㌔】
クラッチ板そのものに不具合はないのですが、レリーズベアリングからと思われるわずかな異音が耳障りでその解消にとミッションを下す事を決断。
さすがにそこまでしてベアリングだけというのも非合理的なので一式を交換。
主材は安価に手に入れられる社外品を購入。そうそう手を入れられる場所でないことから信頼できるメーカーの物をチョイスしました。
2
自家作業でクラッチを交換するのは7年ぶり...(当時の愛車U62ミニキャブでの出来事)
当時はまだ40代も半ば...体力の衰えも今ほどではなかったのでしょう、マンパワーで事に当たりましたが、それを考え改めさせるに十分な大きく重いキャリイのミッションを前に...
3
即席でミッションジャッキを製作。
ジャッキの基台にタップを立て、端材で作った受け台をボルトで固定。
寝た姿勢で腕力で受け止めるには厳しいミッションですが、実重量はそれほどでもないのでこの程度のものでも十分かと...
ただ、ホームセンターに売ってるようなサイズのガレージジャッキだと安定・安全とは言えないかもしれません。
4
ミッションを下すにあたってトランスファーのオイルを抜き、各リンケージ・ハーネス、セルモーター、Fプロペラシャフトを切り、Rペラシャを抜き取ります。
手間はひとつ増えますが、ペラシャのプロテクターを外して置いた方が作業空間確保の意味でも有利かと感じます。
5
前回作業では2時間半ほどで作業を完了。
今回も多く見積もっても3時間もあれば...と読んでいましたが、ここまでなるに既に開始から2時間近くを要することに...
間接作業時間を含んでのことですが、スズキ車はポピュラーな道具ではアクセス出来ない事が多々あるように感じます。
一応多様な工具を持ち合わせてはいますが、その選定に多くの時間を食われた気がします。
それも含めトップクラスの工具は作業の進捗が段違い。ラチェットヘッドの大きさや歯数、ソケット/レンチの肉厚が突破の鍵になる場面が多々あります。
6
さぞを予想したベルハウジングの中は意外な程にキレイな状態。
フェーシングのカスもあまり見受けられず、自身の運転操作に間違いがないことをこうした場面で確認・実感。
キャリイ自体、中古で購入後直に(6年前/39000㌔時)Dラーでクラッチ交換しており、その際の処置にも疑わしい事がないことも確認。このあたりキチンとマニュアル化された作業をうかがい知ることができ興味深いところです。
7
懸念のレリーズベアリング...
回してみても別段変わった様子は感じられなかったのですが、振ってみれば「カシャカシャ」と音がするあたり草臥れてきているのは明らか。
交換の意義はあったのではと感じました
8
クラッチ3点セットを注文する際、レリーズベアリングが『NTN』である品物をセレクトし、適合確認でも『NTN』であることを品番からも確認したのですが、届いた品は『Koyo』...
一応その旨報告だけはしましたが、返品交換の時間が待ちきれず不本意ですがそのまま組付け。
このあたり今後の展開が気になるところですがやるべき事はキチンと...
ベアリングの摺動部とメンドラのスプラインにはドライモリブデンをコートした後、専用のクラッチグリスを適量塗布。
過去例からするとここにマルチグリスを使用されていた場合なにかしらの不都合に見舞われます。
レリーズフォークも外して清掃。ピボット部とベアリングとの接触面にクラッチグリスを適量塗布。ぬかりはありません。
単純な部品の組換えだけでも気配り次第で差異が出るものですが、こうした部分の処置こそ後々に響くもの...
良くも悪くも自ら見て手を汚す意義はここにあります。
9
現状滑りや遊びに極端な変化はないクラッチ...
9万㌔走ったクラッチがどんなものか興味深いところです。
10
意外過ぎるほどのフェーシングの残厚にビックリ。
プレッシャープレートにも著しい焼けは見受けられず、丁寧な操作の賜物と実感。
11
新品と比較してもその摩耗量はごく僅か...
クラッチの使用限界(距離)を知れた貴重な経験となりました。
この様子だと廃車までクラッチの交換はしなくて済みそうです。
12
10万㌔を超え、前回交換時には手を付けなかったパイロットベアリングを交換。
クラッチ主材以外のショートパーツは合理性や製品の質を鑑みてDラーから調達。
付き合いを切らさないための策でもあったりします。
13
フライホイールを外すということは即ちその奥にも手を入れるということ...
ミッションを下した時にしか出来ない事はこの際全て賄った方が合理的。
用意したクランクリアシールも純正品。ことシール・ブーツの類は純正品一択。
既に必要なグリスが塗布されているなど、こちらも作業性をみて合理的な状態で出荷されているのは、俄かメカニックにとっても有難いこと...
14
周辺を清掃しシールを打ち込み。
もうこの場面を見ることもないでしょうから確と焼き付けておきました。
15
フライホイールのボルトはシールが塗布されているため再使用は出来ない仕様。
こちらもDラーで調達しました。
そう高価なものではないので、こんなところをケチってオイル漏れを起こすなんてケチが付くのは馬鹿馬鹿しいハナシ...
16
それまでボルト/ナットの締付は経験則による”手ルク”に頼っていたところですが、それこそ質の高い作業をと、これひとつで幅広いトルク計測の出来る機器を購入。
設定トルクをブザーで知らせるだけですが、オーバートルクの警告には有効で、俄然意識の高い作業を実現します。
17
その頻度からフレキシブルかつリーズナブルな物をと7年前に買った『ユニバーサルクラッチアライニングツール』...
ダイヤフラムスプリングを基準にセンターを出すので精度は多少曖昧ですが、それでも十分役には立つのかと...
18
そうしてセンター出しをしても素直にドッキングさせることは難しく、その度ズレたクラッチを緩めて直すこと三度...
エンジンの傾きを矯正してトライした四度目にようやく載せることが出来ました。
このあたりやはり手練が必要ですね。
19
抜いたトランスファーオイル...私のキャリイの年式は厳密な油種の指定があるのですが、過去の経緯から市場で手に入れやすいカストロールを実験的に注油。
リコールとなっている事案について、発症しない事を願うばかりです。
20
各リンケージの軸受けはサビ・汚れを落としドライモリブデンコートでケア。
一般的にはスルーされるであろう部分に気を配ることが出来るのが自家整備のメリット。
懇意のサービスマンの勧めもあってリンケージクリップも新品交換。
そうそう手を入れる部分ではないだけに軽視しがちですが、何かあった時にはこうした処置が有利に働くことでしょう。
21
そうして一連の作業を終えたのは17時半...
8時間近くこの空間で寝て過ごしたことになります。
重要なのは作業時間の早さでなく、何をどうしたか...各部を観察・洞察することでフィードバックするのが私のスタイル。
22
体で覚えたことは何よりもの財産。
その分リアルに体に重く響く部分もありますが、軽快に走るようになったクルマを操るのは充実そのもの...
それでも衰えは自身も含めて避けようがありませんが、それも踏まえて相応に付き合っていけたらと思います。
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