日本でのF1ブームと言う成功例から学んだ事…F1界はたくさんあったんですね。例えば当時、日本GPの中継を担当し世界に配信したのはフジテレビ。彼らが作った「F1中継」は世界中で高い評価を得たんですね。フジテレビ流の「F1の扱い方」が日本でのF1ブームのキッカケと言えるから、後にFIAがF1中継の権限をすべて統一して独占したのは、とても良く分かる展開なわけです。人々を魅了する伝え方をFIA監視下で行う事で、ショービジネスを安定させる事が出来ると考えたと思うんですね。ショービジネスを確立させるにあたって、どのような演出が必要なのか。80年代後半から議論が高まったように思えます。まず最初にテコ入れしたのは、ポイントシステムの変更です。波乱に満ちた82年は例外としても、83年84年86年87年と、その年の最多勝利ドライバーがタイトルを取れなかった現実は、F1ファンの間に矛盾を与えるだけでした。勝利が最大のアドバンテージになるようにポイントシステムが91年から変更になります。20年近く変わっていなかったポイントシステム(有効ポイントの枠組は多少変更がありましたが)の変更は大改革と言える物でした。その次にテコ入れしたのが、F1チームの格差でした。スタッフ100人で挑むチームもあれば、スタッフ数人でエンジン載せ換えの際はドライバーが手伝う(90年ライフ)チームもある。そんな当時のF1は、「一流チームと三流チームの混走状態」それでも全体の信頼性が高くない為に、サバイバルゲームになれば、予選でトップから5秒遅れなマシンが5位や6位なんてレースも。エントリーするすべてのチームを「プロ化」させようとしました。その結果、次は高騰続けるマシン開発費と、ドライバーの走りを手助けするハイテクデバイスによって、F1は苦しむのです。その時代にあった改革を行うと言う点は、今も昔もスタンスは同じなんです。ただ一つだけ…余計な物があるわけです。まだまだ話は続きます。