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2026年06月02日 イイね!

### 第3話 従姉妹という距離

### 第3話 従姉妹という距離『三菱の系譜 -再生の轍-』

### 第3話 従姉妹という距離

 放課後。

 トライトンは校舎の廊下を歩いていた。

 隣にはハイラックス。

 なぜか妙に楽しそうである。

「そんなに緊張しなくても」

「緊張しますよ」

「従姉妹でしょ?」

「会ったことありません」

「それは確かに気まずい」

 他人事みたいに言う。

 実際他人事だった。

---

 目的地は中庭。

 帰宅部の生徒がよく時間を潰している場所だ。

 ベンチや自販機が並び、放課後になると人が集まる。

 そして。

「あれじゃない?」

 ハイラックスが指差した。

---

 一人の少女がベンチに座っていた。

 黒髪。

 少し崩した制服。

 膝の上には文庫本。

 周囲が騒がしくても気にしていない。

 どこか達観した空気を纏っていた。

---

「ナバラさん……?」

 声をかける。

 少女が顔を上げた。

「ん?」

 数秒。

 トライトンを見る。

 そして。

「ああ」

 納得したように頷いた。

---

「三菱の」

 その一言だった。

---

 トライトンの肩が少し強張る。

 聞き慣れた言葉。

 だがナバラの声音には嫌味がなかった。

 本当に確認しただけ。

 そんな口調だった。

---

「トライトンです」

「知ってる」

 ナバラは本を閉じる。

「従姉妹でしょ」

 本人の口から言われると妙に不思議だった。

---

「私のこと知ってたんですか?」

「まあね」

「会ったことは」

「ない」

 即答だった。

---

「親同士が忙しかったから」

 ナバラは肩をすくめる。

「大人って面倒だよね」

 その言い方が妙に自然だった。

 怒っているわけでもない。

 寂しがっているわけでもない。

 ただ事実として受け入れている。

---

 少しだけ。

 アウトランダー姉さんに似ている。

 トライトンはそう思った。

---

「それで?」

 ナバラが聞く。

「何の用?」

---

 本題だった。

 トライトンは姿勢を正す。

「クロスカントリー部に入りませんか」

---

 沈黙。

---

「嫌」

 即答だった。

---

 早かった。

 コンビニで袋が要るか聞かれるより早かった。

---

「ですよね」

 ハイラックスが横で頷いている。

 お前はどっちの味方なんだ。

---

「理由を聞いても?」

 トライトンは諦めずに尋ねた。

---

 ナバラは少し考える。

「面倒だから」

「面倒」

「部活って時間取られるし」

 もっともだった。

---

「私は普通に学校生活送って」

「普通?」

「卒業して」

「普通」

「普通に働いて」

「普通」

「普通に生きたい」

---

 ナバラは笑う。

「十分じゃない?」

---

 トライトンは返事に詰まった。

---

 否定できなかった。

---

 自分は家の再興を背負っている。

 兄への憧れもある。

 だから前へ進む理由がある。

---

 でも。

 ナバラの生き方も間違いではない。

---

 むしろ。

 多くの人はそちら側だ。

---

「その顔」

 ナバラが言った。

「否定しないんだね」

---

「できません」

 トライトンは答える。

「私も正しいと思います」

---

 ナバラが少し驚いた顔をした。

---

「じゃあ何で勧誘してるの?」

---

「一緒に走りたいからです」

---

 言ってから。

 自分でも驚いた。

---

 部員が欲しいから。

 廃部を防ぎたいから。

 そう言うと思っていた。

---

 でも違った。

---

 昨日。

 初めて部室に入った。

 ハイラックスと出会った。

 少しだけ居場所ができた。

---

 だから。

---

「まだ会ったばかりですけど」

「うん」

「ナバラさんとも仲間になれたら嬉しいです」

---

 ナバラは何も言わない。

---

 風だけが吹く。

---

 やがて。

---

「変な人」

---

 小さく笑った。

---

「三菱家ってもっと重い人達かと思ってた」

---

 トライトンは苦笑した。

 それは自分でも少し思う。

---

「今日は返事しない」

 ナバラが立ち上がる。

「考えるだけ考える」

---

「本当ですか!?」

---

「期待しないで」

---

 そう言って歩き出す。

---

 数歩進んだところで。

---

 ナバラは振り返った。

---

「ところで」

「はい?」

---

「クロスカントリー部って」

---

「はい」

---

「まだ二人?」

---

 トライトンとハイラックスは顔を見合わせる。

---

「二人です」

---

「終わってるね」

---

 ナバラは笑いながら去っていった。

---

 その後ろ姿を見送りながら。

---

 ハイラックスが呟く。

---

「脈ありじゃない?」

---

「そうなんですか?」

---

「完全に嫌なら三十秒で帰る」

---

 経験者みたいなことを言う。

 何の経験なのかは知らない。

---

 だが。

---

 トライトンは少しだけ希望を感じていた。

---

 ナバラは断らなかった。

---

 それだけで十分だった。

---

 一方その頃。

---

 生徒会室。

---

 眼鏡をかけた少女が一枚の資料を読んでいた。

---

 D-MAX。

---

 資料の表紙にはこう書かれている。

---

 『クロスカントリー部 廃部審査対象』

---

「……」

---

 彼女は静かにページを閉じた。

---

 その目には。

---

 少しだけ興味の色が浮かんでいた。

---

 次回、第4話

**「優等生と廃部寸前の部活」**

堅実なD-MAX登場。トライトンは初めて、自分より何もかも優秀な同級生と向き合うことになる。
Posted at 2026/06/02 07:08:42 | コメント(0) | トラックバック(0)
2026年06月01日 イイね!

### 第2話 廃部予告の通達

### 第2話 廃部予告の通達『三菱の系譜 -再生の轍-』
### 第2話 廃部予告の通達

 翌日。

 トライトンは少し早めに部室へ向かっていた。

 昨日入部したばかりだというのに、不思議と足取りは軽い。

 校舎の端にある古い倉庫。

 誰も見向きもしない場所。

 だが今は違う。

 あそこには仲間がいる。

 たった一人だけだったとしても。

---

 部室の扉を開く。

「おはよー!」

 既にハイラックスがいた。

 机に突っ伏していたが。

「朝練ですか?」

「寝てた」

「寝てたんですか!?」

「朝五時から起きてるし」

 妙に誇らしげだった。

 誇るところだろうか。

 トライトンにはよく分からなかった。

---

 そんな時だった。

 部室の扉が勢いよく開く。

 バァン!

「お前らいるか!」

 大声。

 大柄な女性教師。

 トライトンは思わず肩を震わせた。

 ハイラックスは慣れているらしい。

「あ、タンドラ先生」

「いたな!」

 安心したような顔だった。

---

 タンドラは一枚の紙を机へ叩きつけた。

「読め」

「えー」

「読め」

「はい」

 ハイラックスが紙を手に取る。

 数秒後。

「うわ」

 珍しく笑顔が消えた。

---

 トライトンも横から覗き込む。

 そこには短い文章が書かれていた。

---

 部活動継続審査通知

 クロスカントリー部は現在規定人数不足。

 三ヶ月以内に

 部員五名以上

 正式顧問在籍

 を満たさない場合、廃部とする。

---

 トライトンは固まった。

「廃部……」

「そういうことだ」

 タンドラが腕を組む。

---

 部室が静かになる。

 壁に並ぶトロフィー。

 兄パジェロの名前。

 ランクル300の優勝記録。

 その全てが消える。

 そんな未来が頭をよぎった。

---

「嫌です」

 気付けば口にしていた。

 タンドラとハイラックスが同時に見る。

「せっかく入部したのに」

 トライトンは拳を握る。

「なくなるなんて嫌です」

---

 タンドラは少し目を細めた。

「そうか」

「はい」

「なら部員集めろ」

 即答だった。

---

「簡単に言いますね!?」

「簡単じゃないぞ」

 タンドラは笑う。

「だから面白い」

 この教師。

 多分勢いで生きている。

---

「候補は?」

 ハイラックスが聞く。

 タンドラはポケットからメモを出した。

「一応いる」

---

 一人目。

 D-MAX。

 いすゞ家。

 成績優秀。

 運送会社の娘。

 真面目。

 堅実。

---

 二人目。

 BT-50。

 デザイン部所属。

 泥だらけ競技が大嫌い。

---

 三人目。

 ナバラ。

 帰宅部。

 運動能力は高い。

 ただし面倒事が嫌い。

---

「全員難しそうですね……」

 トライトンが呟く。

「そうだな」

 タンドラは頷いた。

「だからお前らが口説け」

---

 口説く。

 その表現はどうなのだろう。

 教師として。

---

 ハイラックスは机に突っ伏した。

「無理じゃない?」

「諦めるのか?」

「諦めてないけど無理そう」

 矛盾した発言だった。

---

 トライトンはメモを見つめた。

 D-MAX。

 BT-50。

 ナバラ。

 どんな人達なのだろう。

---

 その時。

 ふと名前に目が止まった。

 ナバラ。

 日産。

 そしてトライトンと同じピックアップ。

---

「ナバラって……」

「ああ」

 タンドラが答える。

「お前の従姉妹だ」

---

 トライトンは固まった。

「え?」

「日産・三菱アライアンス」

 タンドラが肩をすくめる。

「親戚みたいなもんだ」

---

 知らなかった。

 いや。

 知識としては知っていた。

 だが実際に同世代がいるとは。

---

「会ったことは?」

 ハイラックスが聞く。

「ありません」

「マジか」

「マジです」

---

 するとタンドラがニヤリと笑った。

「決まりだな」

「何がです?」

「最初の勧誘相手」

---

 嫌な予感がした。

 とても。

---

「今日放課後」

 タンドラが言う。

「ナバラを捕まえてこい」

---

 トライトンは窓の外を見る。

 青空だった。

 だが気分は全く晴れない。

---

 放課後。

 帰宅部の従姉妹を勧誘する。

 しかも初対面。

 難易度がおかしい。

---

 そんなトライトンの不安をよそに。

 ハイラックスは楽しそうだった。

「面白くなってきたね」

 完全に他人事だった。

---

 クロスカントリー部。

 部員二名。

 廃部まで残り三ヶ月。

 最初の仲間探しが始まろうとしていた。
2026年05月31日 イイね!

『三菱の系譜 -再生の轍-』

『三菱の系譜 -再生の轍-』『三菱の系譜 -再生の轍-』

### 第1話 初登校と古い部室

 三菱家の朝は静かだった。

 広い屋敷には人の気配が少ない。

 廊下には過去の栄光を示す写真や表彰盾が並んでいる。

 だが、それを誇らしげに眺める者はいない。

 トライトンは制服の襟を整えながら玄関へ向かった。

「行ってきます」

 母は優しく笑った。

「無理しないのよ」

「はい」

 短く返事をする。

 その横で父は新聞を読んでいた。

 何も言わない。

 だが、その沈黙が重かった。

 父が起こした不祥事。

 失われた信用。

 家族が背負う視線。

 トライトンは知っている。

 だからこそ思う。

(私が変えなきゃ)

 兄パジェロのように。

 三菱をもう一度。

 そう胸に誓い、家を出た。

---

 日本自動車高等学校。

 全国から様々な車種が集まる名門校。

 校門をくぐるだけで緊張した。

 新設計の身体はまだ慣れない。

 人を避けようとして肩をぶつけそうになる。

 曲がり角で少し膨らんでしまう。

(大きい……)

 自分の体がまだ自分のものじゃない。

 そんな感覚だった。

---

 放課後。

 トライトンは校舎の端へ向かっていた。

 目当てはクロスカントリー部。

 兄パジェロが所属していた部活。

 その名前だけで入部を決めた。

 だが。

「……ここ?」

 目の前にあったのは古い倉庫だった。

 看板は色褪せている。

 窓ガラスも一部ヒビが入っていた。

 名門の部室とは思えない。

 恐る恐る扉を開ける。

 ギィ、と軋んだ音が響く。

---

 中には一人だけいた。

 少女だった。

 長い黒髪。

 鋭い目。

 だが今は落ち着きなく辺りを見回している。

「あ」

 少女が振り向いた。

「人来た!」

 ものすごく嬉しそうだった。

「え?」

「新入部員!?」

「た、多分……」

「やったぁぁぁ!」

 少女は両手を上げた。

 まるで優勝でもしたかのような喜び方だった。

 トライトンは完全に圧倒された。

---

「私はハイラックス!」

 勢いよく名乗る。

「一年!」

「トライトンです」

「知ってる!」

「え?」

「三菱家の子でしょ?」

 その瞬間だけ空気が止まった。

 聞き慣れた反応だった。

 リコール隠し。

 没落。

 三菱。

 大抵はそこから始まる。

 だが。

「入部しに来たんだよね!?」

 ハイラックスは続けた。

「なら仲間!」

 あまりにも迷いがなかった。

 トライトンは少し驚いた。

---

「ところで」

 ハイラックスが腕を組む。

「本当にクロスカントリーやれる?」

「え?」

「部員は私しかいないからさ」

 真顔だった。

「弱い人入れる余裕ないんだよね」

「……」

「テストする」

「えっ」

「今から」

「今から!?」

---

 校舎裏。

 資材置き場。

 泥だらけの空き地。

「ここを一周」

 ハイラックスが指差す。

「それだけ?」

「それだけ」

 だが見るからに足場が悪い。

 泥。

 段差。

 砕石。

 水たまり。

 普通の生徒なら嫌がる場所だ。

---

「スタート!」

 声と同時にトライトンは走り出した。

 最初はぎこちない。

 重心が定まらない。

 足運びも硬い。

 だが。

 泥へ入った瞬間。

 感覚が変わった。

(あれ?)

 走りやすい。

 足が沈まない。

 岩場も気にならない。

 段差も自然に越えられる。

 身体が勝手に最適解を選んでいる。

---

 ゴールした頃には息も乱れていなかった。

 ハイラックスは腕を組んだまま黙っている。

「どう……でしたか?」

 数秒。

 沈黙。

 そして。

「及第点」

 ニヤッと笑った。

「日常生活は下手そうだけど」

「うっ」

「悪路は才能ある」

 図星だった。

---

 ハイラックスは手を差し出した。

「歓迎するよ」

「クロスカントリー部へ」

 トライトンは少し迷った後、その手を握った。

 温かかった。

 この学校へ来て初めて。

 自分を三菱家ではなく、トライトンとして見てくれた相手だった。

---

 部室へ戻る途中。

 トライトンは古びた棚を見つける。

 そこには数え切れないほどのトロフィーが並んでいた。

 そして。

 中央に刻まれた名前。

 パジェロ。

 兄の名だった。

 トライトンは静かに見つめる。

 遠い背中。

 届かない伝説。

 それでも。

(追いかけたい)

 そう思った。

---

 その頃。

 職員室では一枚の書類が机に置かれていた。

 クロスカントリー部。

 部員数二名。

 廃部審査まで残り三か月。

 そして書類を見つめる一人の教師。

 北米生まれの大型SUV。

 タンドラだった。

「面白くなりそうじゃん」

 そう呟いて笑った。

 まだ誰も知らない。

 この小さな部活が、やがて全国を巻き込むことになることを。

---

注意:この物語は勿論フィクションです。そして、失踪の可能性も十分考えられます。
2026年05月30日 イイね!

公式発表 新型パジェロ

公式発表 新型パジェロ遂に出るんですね。

どんな感じだろ、カッコいいのかな?

頑張れ三菱!

新型パジェロ ティザーサイト | PAJERO | MITSUBISHI MOTORS JAPAN https://share.google/oDIFw6DBsTOPsGxr2
Posted at 2026/05/30 06:34:27 | コメント(1) | トラックバック(0)
2026年05月22日 イイね!

明日は五色浜海浜公園で箏演奏会

明日は五色浜海浜公園で箏演奏会こんばんわ

明日はチラシの通り、
「故・中西雅窓師メモリアル箏コンサート」が
五色浜海浜公園カニステージで15:00~お箏演奏会があり、
妻も演奏するそうなので行ってきます。

それとOcean bubble starsさんのシャボン玉パフォーマンスもあり、
楽しいらしいので親子で来られるといいと思います。

Posted at 2026/05/22 20:05:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | 旅行/地域

プロフィール

「### 第3話 従姉妹という距離 http://cvw.jp/b/581362/49122644/
何シテル?   06/02 07:08
17年乗ったシルビアからトライトンに乗り換えたよ。 目指せ30年50万キロ

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三菱 トライトン 三菱 トライトン
頑張って嫁さんを説得して買いました。 33万km乗ったシルビアS14 K's から乗換で ...
日産 シルビア 日産 シルビア
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