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社会人生活にも慣れ、金銭的にも余裕があったのでAWを本格的にチューニングすることにした。

ハイカムを入れてバルタイを振って、さらにブーストアップも行って、フルコン制御にて現車合わせすれば相当パワーアップすると思い込んでいた。

当時は現車合わせという言葉に夢を持っていたのだろう。ブースト1kg/cm2で180BHPが目標だった。

自作のECU変換カプラや92後期制御化などで配線がかなり変わっていたのでショップと二人三脚でハーネスを作った。

当初予想したよりも金も時間も掛かったが、いよいよセッティングまでこぎ着けた。

当時ショップには既にダイナパックが導入されており、セッティングと同時にパワーも分かるようになっていた。

そこでダイナパックの洗礼を受けて大いに落胆するのである。

ここまでやっても140BHPしか出なかった、ブーストはピークで1kg/cm2キッチリ掛かっていたが、回転上昇と共にだだ下がり。

カタログスペックは145馬力・・・チューンしてもカタログスペックに劣るのである、情けないもんだ。

それでも今までよりは多少速くなったと自分に言い聞かせてしばらく乗ったが、サーキットに持ち込んでみても全然速くなかった。

チューニングした分だけ街乗りは乗り辛くなり、燃費も落ちた。SCベルトも頻繁に滑るようになって、コストを掛けたが何もいいことが無かった。

チューニングはコストを掛けても上手く行くとは限らないことを知る（金をケチればなおさら結果は出ない）

秋には数年付き合っていた彼女と籍を入れた。
共同生活を始めるに当り、初めの決め事が大切と思っていたので色々と決めごとを作った。幸いにも理解が得られたので、その後のカーライフは順調だった。

このとき妻のKH3(REX)を広島へ持ってきた。車高調とホイールを入れて、当時はそれなりにキマっていたと思う。

ここで結婚を機に、チューニングの失敗に懲りてモータースポーツをやめていれば、今頃は住宅ローンをほとんど返せていたことだろうし、毎月のように旅行にも行けただろう。

だが、それが幸せだったかと言われれば、今の自分の方が絶対幸せだと思う。