
F1ドライバーが何故コースを歩いて下見するのか? 彼らほどの技量であれば、そんなに必要じゃない事なんじゃぁ?・・・と長年思っていたじなです。
そこで、自分も同じ事をしてみました。丁度、
袖森6thの際にコースウォークがあったので、実際に自分の足でコースを歩いてみたのです。今回はそれから何が見えたのか?・・・という話し。
スポーツ走行をされる皆様はもう御存知と思いますが・・・クルマが制止している時、FF、FRのフロントEg搭載車は重量配分がフロント側になりますし、反対にMR、RRのリアEg搭載車はリア側に寄りやすくなります。ただし、クルマが走り出すとフロント、リアにかかる重量配分にも変化が生じます。
では、走行時にどのような変化が生じるかというと、加速時には荷重がリア側へ、減速時には荷重がフロント側へと移動するのです。このように、強烈な減速時には荷重がフロント側に移動してしまうので、元々リアの重量配分が多いリアEg搭載車のほうが、コーナリング進入時の挙動は安定傾向と考えられます。
ただし、これまでの話しは道が平坦だった場合を仮定しています。上り、下り等の勾配変化は、動的荷重に更なる変化を与えます。つまり、進行方向下りの道を走行している場合、その道での減速時にはフロントへの荷重移動が平坦な道よりも多く移動するわけです。
下りでの姿勢、荷重変化 posted by
(C)ginapoolholic
これは相対的にリアの荷重減少を意味します。すなわち、テールハッピーになりやすい状態・・・ということ。
ここで話しを袖森に戻します。
(↓)は袖森でも難所かつタイムに影響するコーナーと考えられる3~4コーナー。皆さんなら、どう攻略されるでしょうか?
3~4コーナー posted by
(C)ginapoolholic
コース図『だけ』から判断すると(↓)のように考えられるのではないでしょうか?
3コーナークリップ手前付近から緩くブレーキをあて、4コーナー直前でロックギリギリまで踏力をコントロール。3〜4コーナーを連続した2つのコーナーと捉えるのではなく、『一つの大きなコーナー』として考える攻略法です。
3~4コーナー パターン1 posted by
(C)ginapoolholic
じなもこの『パターン1』がベストだと考え、3~4コーナーを攻めていましたが・・・
ある日、3コーナー出口で、砂にのったようなスピードで横を向き、その体勢のまま、アウト側グラベルに飛び出しました。
途中、2回ほどカウンターをあてにいった記憶がありますが・・・為す術なくズルズルと、アラララぁ〜・・・といった感じ。それ以来、袖森3~4コーナーは・・・あまり得意ではありません。(^^;)
では、実際にコースウォークをした際の写真を見てみましょう。
まず最初は、3コーナーアウト側グラベルから2コーナー側へのカット。
袖森コースウォーク-12 posted by
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ほぼ同じ場所から3コーナー全体を見渡したカット。
こう見てみると、3コーナー自体もそれなりの曲率があるコーナーですね。また、実際に歩いてみると・・・2~3コーナー間も、結構な斜度の下りであることがわかります。
袖森コースウォーク-11 posted by
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3コーナー出口から、4コーナーイン側のカット。
袖森コースウォーク-13 posted by
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4コーナーアウト側から、4コーナーイン側のカット。
4コーナー出口〜5コーナーにかけては、2~3コーナー間と同様な斜度の登りになります。2コーナー出口と5コーナー入り口はガードレール挟んで隣り合わせだから・・・当然といえば当然のことですね。(^^;)
袖森コースウォーク-10 posted by
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4コーナー出口から、4コーナーイン側のカット。コース進行方向と反対に見ています。
袖森コースウォーク-8 posted by
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4コーナーイン側縁石のカット。
袖森コースウォーク-14 posted by
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5コーナー入り口から4コーナー出口のカット。コース進行方向と反対に見ています。
袖森コースウォーク-3 posted by
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これらの写真からわかると思いますが『2〜4コーナー出口までは、下り勾配が継続している』わけです。
従って、フロントEg搭載車であるJ's Racingロドスタでは『非常にテールハッピーになりやすい』、リスクの高いコーナーであると考えられます。
ラフなステアリング操作、ラフなブレーキングをした瞬間、アウト側グラベルに突っ込むようにコース設計されている・・・と言っても過言ではないレイアウトと思います。コース設計者さん、エグい作り方したよなー。(^^;)
これを踏まえ、J's Racingロドスタにおける、じなの3~4コーナー攻略は・・・(↓)のような『パターン2』に変更しています。
3~4コーナー パターン2 posted by
(C)ginapoolholic
3コーナー手前では十分に減速、3コーナー自体は加速全開で駆け抜けます。これは下り勾配により荷重の抜けやすいリア側に、わざと動的荷重を持っていくためです。これでフロントへの荷重移動を相殺、3コーナー途中でのグリップ抜けを防ぐことができます。
3コーナークリップを超え、ヨーモーメントが消失した瞬間・・・4コーナー進入アウト側に向かって、直線的にブレーキングを開始。ここでヨーモーメントが残っていた場合、クルマはスピンモードへと移行しやすくなります。そう、じなが飛び出したパターンですねw。(^^;)
ただし、ブレーキングがとっ〜ても上手になれば・・・フロント荷重でわざとリアリフトに持ちこみ、アンダーを相殺、インに向かって旋回を終了させる・・・なんてことも可能かもしれません。現状の自分では、ちょっとできませんけどw。(^^;)
また、リアEg搭載車ではこの限りではないと思います。元々、リアヘビーなわけですから、フロントEg搭載車よりは、マイルドな挙動になるハズです。他、フロントのバネレートUPなどのセッティングでも対応することは可能かと考えます。
じなはこれまで『コースの勾配』に関して、あまり意識したことがありませんでした。カートはホイールベースが短いため、ある程度であれば自分の体重で荷重移動可能。また、カートコース自体もそれほど広くはないため・・・4輪のコースほどに勾配があるコースはあまり存在しないからです。
クルマの大きさの違いによるモーメント量の違い、サスペンションストロークによる荷重の乗せ方の違い。そして、コースから受ける影響の大きさ。4輪とカートの違いは・・・ほんと色々ありますね。(^^;)
袖森は一周が短い割にはアップダウンが激しく、70→60Rから55Rのインセクション、その先のヘアピンも、3〜4コーナーほどではないにしろ、下り勾配がついているので・・・似たような挙動を示すコーナーも多いのでは?と考えます。
こんな感じでコースをゆっくり歩いてみると・・・コース図の見方がちょっと変わってきませんか? 今週末の袖森FESが楽しみで、こんなことばっか考えているじなでした。(^^;)
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日々徒然 | 日記
Posted at
2012/02/02 22:26:41