2010年12月07日
その昔、とある銀行の工員と、飲み会で一緒になりました。四方山話の中で話題になったのが「銀行員とはどういう行動原理で動いているのか?」という事です。例えばクルマ屋なら「今月販売目標何台」とか「車検入庫台数何台」とかがあるし、それはそれで分かりやすい数字なのですが、当時銀行員のそうした目標数字というものは何なんだろうと想像できなかったのです。
まず彼らがいつも頭の中に描いているのが「自分の担当しているお客さんなり地域なり」の全体の「総預金残高と総貸出残高」なんだとか。基本的には銀行さんは顧客から金利を払って預金を預かっているわけですが、その預かった預金を「ローン」という商品にして売っている訳です。そのローン金利と預金金利との差額が彼らの給料の原資。
ということは。これ以降は私の想像も入ってくる話になりますが。
つまりはこの預金総額と貸出総額の比率。これは金利情勢によっても違うにせよ、彼らの給料や経費を賄うだけのあるべき理想の比率というのがあるはずです。
例えば月々800万円分の利潤(貸出金利)を彼らが作り出そうと考えた場合、仮に4%が平均金利だとすれば常に2億円の貸出額を維持しなければなりません。仮に同額(2億円)の預金を持っているとするならば、それに対して掛かる金利分もローン商品の金利を上乗せすることで稼がなくてはなりません。つまり平均金利を0.1%付けますよ、とした場合には貸出金利を4.1%にしないと差額で800万円稼ぐことは出来ない訳です。
今時のように日銀から原資を借りて来るのにほとんど金利が掛からない情勢では、正直銀行としては顧客から預金を集める意味はほとんど無いんでしょうねえ。というよりもむしろ箪笥預金にしておいてもらった方がありがたいのかもしれません。金利を払わなくてもいいだけ。
どうせなら払う金利が少ない方がいいから、小口の安っすい金利の普通預金のほうがありがたいのかな?
先に800万円という数字は営業マン1人が請け負わされているであろうと私個人が勝手に想像した数字です。
だって窓口のお姉ちゃんだって良い給料を貰っているでしょう?だったら本人の給料を考えても1人で3~4人分の人件費を稼いでもらわなくちゃあいけないことを考えると、やはりこのくらいかな?と。それを思うと2億という数字はあながちありえない数字でもないだろう、と勝手に思っています。
ただ、これは平均金利を4%と仮定した数字ですから、それを更に割り込むようだと貸付金額を増やさなくちゃあいけないだろうし、かといって優良顧客は限られてきてもいるし、という事で色々大変だろうなあ、と。
そうなると勢い、ローン商品以外の利益項目を追求するようにもなるのでしょう。
公共料金や税金の払込受け付け金融機関になろうともするでしょう。あれ1件の入金で幾らくらい貰えるのか知りませんけど、手数料は発生しているはずです。銀行系のカードに限らずETCカードだってやりますよ、と言ってるのも、あれだってJHからいくらかのバックがあるはずだと思うんですよねえ。
以前からあったのが、住宅ローンの申込時に抱き合わせ的に勧められる火災保険。生命保険では団体信用生命保険なんかもそうだったのかもしれません。
何せ、貸りることを前提として建設計画を進める方がほとんどでしょう。貸してくれなければ話は胡散霧消します。となれば、その時にどういう商談が進められていたのかは知る由もありませんが、銀行に勧められた、となれば無碍に断わる訳にもいかないのが人情でしょう。
銀行からしたら30年、35年付き合っていって幾ら、という利益勘定です。それが保険契約をした、というだけでその場で保険会社から手数料が入ってくるのですから、それに目が眩むのも分からない気がしなくもありません。「これ1件で幾ら分の貸出金利分に相当するな」とかね。
ちなみに、その火災保険を途中で解約したら、その手数料を受け取った銀行なり代理店は、解約期間に応じた保険の手数料を戻さなくてはなりません。途中で他社に乗り換える、と告げると目の色を変えて阻止しに来るのはそういう訳があるのです。まあ、いいけど。
ただ、困ったことに銀行はお金の勘定には長けているのでしょうけど、保険契約の内容に関しては素人さん同然ですし、契約期間は長期に及ぶとしても担当者はすぐに異動してしまいますから、有事の際はどうしてるんでしょうかねえ?
まあ他人事ながら、銀行系の手掛けた火災保険等の担保超過や担保割れの続出には、まんまととばっちりを食ったので、もう少しまともな代理店になって欲しいと思うと共に、あんまり目先の利益勘定に走りすぎるのも如何なものか?とは横目で見ていて思うのですが。
そういえば、「金融機関からの紹介」という事で特別値引(その値引ができる理屈がよく分からないのですが)をする、などという保険会社もあるようですし、銀行の、系列の保険代理店に契約を委任する、なんて手法も見たことがありましたねえ。
ところ変われば色々な商売のやり方があるものだと、感心することが多いものです。
Posted at 2010/12/07 19:33:30 | |
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2010年12月07日
何とか大見得切った本年中の発売にはこぎつけたということなんでしょう。
ただ、いつものように「でも....」。
こんな時期に出さなくってもよかったんじゃあないの?と思わずにはいられません。
何故って、電気自動車にとっての最大の敵は「中に座る人間様」です。運転手様御一同へのお膳立てに消費されるエネルギーがバカになりません。
こんな時期。
そう、冬ですよ冬。
日照時間は短くなり、日が昇るのも遅ければ落ちるのも早い。いくら消費電力の少ない光源を駆使しようが電池の負担がなくなるわけじゃあない。
どこぞのキャンピングカーのように灯油式のヒーターでも装備しているならまだしも。でも、それじゃあ「ゼロエミッション」の謳い文句が更に疑わしくなるしねえ。という事で電気熱源のヒーターをフル活用するしかないんでしょうけど、ヒーターの電力消費がどの位激しいか想像したくもありません。しかも電熱ヒーターってあんまり暖かくないんだよねえ、悲しいことに。
しかも電力供給施設を作るのがこれからでしょう?大丈夫かいな?
発売した途端にアチコチで亀になっているリーフがそこかしこに放置されているなんてミットモナイ事の無い様に、実はディーラーさんでは年末年始も24時間、レスキューの為に待機している人員を配置している、なんて事の無い事を祈っています。
こんな所で無理をしなくても、どうせ出すなら気候の落ち着いた。バッテリーにも負担の少ない気候になってから。イコール空調などに電気を喰われる事の少ない気候になってから出してもよかったんじゃあないのかなあ?
名前もリーフっていうのなら5月頃の新緑の薫る時期に出すってのが粋だと思うんですけどねえ。日本語には「季語」ってもんだってあるのにさ。
だって、今頃の気候じゃあリーフって言われても「それ落ち葉の事?」ってなもんで。そこで語るに落ちてしまってはマズイでしょ?落ち葉の処理もメンドクサイ時期だし。
そんな訳で、ちょっと黙って観察していようかな、と思っております。
Posted at 2010/12/07 00:05:09 | |
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