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2011年04月01日 イイね!

色と塗装

私の幼少の頃からの趣味はプラモデルでした。
もっとも当初はプラモデルを作ることもそうですけど、その完成したプラモデルで遊ぶことも楽しみの中に入っていたのはいうまでもありません。当時、タミヤのディスプレイモデル1/35戦車が1,000円で買えたのに対し、リモコン付きは1,500円しました。
当社比1.5倍の価格差は非常に痛いものがありましたが、目的が明確であればあるほど、障壁を越えようとする意思は堅くなるものです。当時の確固たる目標とは.....。





兄貴のタイガーⅠに勝つこと






これですね。非常にわかりやすい。勝敗は、どっちが突き転ばされたか、という単純なものです。

しかし、実際のタイガーⅠも強かったそうですけど、何故かリモコン戦車のタイガーⅠも非常に厄介な敵でした。当初私の愛機は4号戦車だったのですが、まあ、これがT34に対した時の実車がそうであったように弱い弱い。何度やってもタイガーⅠに突き転ばされてしまうのです。
逆にこちらが突き転ばせられない要因としては、やはりあの幅でしょうねえ。しかも二重転輪のおかげでさらに重心が低いので、非常に安定してたんですよねえ。

もちろん当時の私に戦略などという高尚な頭脳はありませんから(あ、今もそうか)、ケダモノの様に突き進んでいくだけだったのも事実ですが。もちろん本人はそのような欠点に気付く筈もありません。無い脳みそを必死に回転させて辿り着く結論は「もっと強い戦車ならば勝てるのではないか?」という至極簡単なものでした。

そんな訳で次から次へと新型機に手を出していったわけですが、当時は悲しいかな装備の補給路が町内にただ一軒だけ存在したプラモデルを置いてあるお店「コジマ薬局」にしかありませんでしたから、数少ない選択肢の中から「何とか作れそうな物」を熟慮のうえに選び出し、結果無残に打ち砕かれるということを繰り返していました。61式(もちろん自衛隊の)も弱かったなあ。

で、遂にタイガーⅠを倒す日がやってくるわけですが、その記念すべき戦車はキングタイガーだったかな?あんまり憶えてないけど。



さて、馬鹿な前振りはさておき。色と塗装という話です。
その後の私はガンダムを作ったり、車に手を出してみたり、SF3DのSAFSを作ったりと色々喰い散らかしていた訳ですが、最後の塗装というイベントはなかなかに手間のかかる作業ですので、ちょっと辟易していました。もちろん、このことがあったればこそ、塗装の基礎の基礎をちょこっとばかし齧ることが出来た訳です。




車のプラモデルを作るときなどは特にそうですが、キレイな塗装を施す為には、先ずキレイな下地を整えなければなりません。順番にペーパーの番手をカウントアップして行き表面のザラザラを均一化させていくわけです。
ロードスターな人の中には一生懸命アルミ部分を磨いてピカピカのエンジンルームを作っている人がいます。最終的にテロンテロンな表面を実現する為には地道に均一な表面を作っていくほか無いのですが、基本アレです。まあ、アレと一言では言えないほど地道で根気の要る作業ですけど。


ピカピカな塗装表面を作ろうと思ったら、下地、下塗り、中塗り、上塗りそれぞれの段階で平滑に表面を整え、差し込んできた光をできる限り乱反射させること無く揃えてあげるのが基本です。現実的には、あんまり下地を整えすぎると却って塗料の喰い付きが悪くなりますので、下塗りまではほどほどの整え方にしておき、中塗り以降でがんばる、というのが一般的なようです。

ここで色についてですが。

黒という色は入ってきた光が反射せず、そのまま吸収してしまう色です。だから黒は表面の傷に敏感です。「傷が付く」イコール「反射する角度がそこだけ変わってしまう」です。他の所は光を反射していないのにキズの場所だけ光があさっての方向に反射してしまっているワケですから、目立つのも当然という事になります。

反対に白という色は全てを反射してしまっている色です。だから逆に、少しばかり傷が入っても判りにくいんですね。

その他の青とか赤という色は、いろんな色の中でその色だけを反射しているので、その色に見えているわけです。


そんな訳で、きれいな塗装を実現する為にはキレイな下地を作るための前準備が重要です。
私は実際に見てはいませんが、トヨタのセンチュリー。アレだけは本当の特別で、塗り重ねる回数も別格だそうですけど、その行程も別格で、中塗り以降の全ての工程で、手磨き(水研ぎ)による塗装表面の研磨が行われているそうです。すげー。ビックリ。そこまでするのか。

これだけでちょっと欲しくなってしまいます。買えないけど。あ、売ってもくれないか。


きれいに見せるための塗装には幾つかのテクニックがあるわけですが、基本はやはり平滑に塗料をのっけることに尽きます。
だからこそ塗料をケチるという理由以外に可能な限り薄く塗り重ねようとしますし、密閉した空間で塗るのも「ホコリ」という平滑な塗装を邪魔する異物を排除したいがため。さらに塗料が均一な薄め方・攪拌状態に保たれるよう「湿度・温度」もきちっと管理されます。
焼付塗装が使われるのも、あとから塗装がヒケたりする様では、耐久性や見栄え品質が保障できません。このため、一定の熱を一定時間加えることでしか硬化しない塗料が使われるワケです。鈑金屋さんでよく「きちんと焼いておく」という言い回しを聞きますが、アレとは別の話です。

上塗りが終わった後にクリアー塗装をのっけるのもきれいに見せるワザです。
もちろん、色の層に直接手を触れさせない・傷を付けさせないということもあるのですが、クリアー塗料を載せることで表面の細かい凹凸を覆ってしまい、濡れたままの色で固めてしまうのですね。幾ら表面がクレータ状のアスファルトでも、雨が降って濡れている時は黒くツヤ光りしているのと同様です。洗ったばかりのクルマが妙にキレイなのも、表面に水滴が残り、ツヤが増しているからです。
近頃のクリアー塗料は非常に透明度が高いそうですから、塗りっぱなしよりは更にキレイに見えますし、そこにUVカット成分を混ぜたり、クリアー塗料の硬度を上げることで傷が付くことを防ごうとしたりもします。

傷が付くということは、その部分の塗料が削れてしまっていたり、変形して元の形に戻らなくなっている状態です。つまり「矛と盾」の話でもありませんが、矛にやられないためには丈夫な盾にしなくては、ということが1つ。それと矛による攻撃は仕方がないので、できる限り逸らしてしまおう、という方法の2つがあります。これが対スリキズ性塗装とか、対チップ性塗装という事になります。

単純にいえば「カチンカチン」に塗料を堅くしてしまい、敵に負けないようにして跳ね除けるか、ゴムのように敵の攻撃を吸収させてしまうか。

メーカーで使う塗料はわかりませんが、鈑金屋さんなどで使われる塗料は堅いと聞きます。多分、メーカーの塗料も負けず劣らず丈夫なのでしょう。補修塗装後、下手に放って置くと固まりすぎてコンパウンドによる磨きを受け付けなくなるほどだとか。
もっとも、塗ったそばからコンパウンドをかけているのが常のようでは、ただ単に「キレイに塗れなかった」のを誤魔化しているだけとも言えますけどね。

車の下周りなどには以前から対チップ塗料が使われています。でもアレって塗料の厚みが欲しいので、平滑な塗装面というわけにはいきませんからね。

そんなこんなで、以前はクリアーを塗り重ねる色はメタリック仕上げと黒ばかりだったようですが、近頃は見栄え品質や耐久性向上の為に白色でもクリアーを上塗りすることが珍しくないようです。近頃の輸入車が随分きれいに見えるようになったのは、おそらく全ての塗色でクリアー仕上げを施すようになったからではないか、と思っています。

ただ、困るのが補修の時。つまり、濡れた時の色ってのは乾いている時の色と全く違うことも珍しく無いですから、全部塗ったあとでないと色の確認が出来ないんですね。また、使ってるクリアー塗料にしたって、いつも無色透明なクリアーを使うとは限りません。クリアーブルーもあればクリアーグリーンもあり、クリアーレッドもあり。商品性向上・見栄え向上のためには敵さんも色んな手を駆使してきますからねえ。
もちろん塗料メーカーの提供する調色表はあるにしても、微妙な色調整は必須のようです。そこんところをどうやって掻い潜って行くのかは経験知なんでしょうねえ。



と、ここまで来れば次の「ガラスコーティングの意味」というところにも話を繋げやすいのですが、いい加減くたびれてきたので、今日はこの辺で。

あ、そうそう。耳学問で聞きかじっているだけの事も含んでいますので、その辺は適当に流してください。まあ、いつものことですけど。
Posted at 2011/04/01 14:00:50 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

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