2011年08月21日
新車を売っていた当時の人間自身が知りませんでした。例の「平成22年度燃費基準達成車」とか言う奴のことです。
調べてもいないので正確な内容ではありませんが、遠い記憶を頼りにすれば多分マークⅡブリットとかあの辺の頃に星5つとか星2つとかのステッカーが貼られだしたと思いますので、多分平成14年とか、あの頃からやりだしたんでしょう。
ついでに保険の方でも「それで事故が少ないとは限らんだろ?」とも思うのですが、エコカー割引なんて物をやりだしました。非常に迷惑なことです。どうせそのうち「いつの基準なのか、やってる本人すら知らない」エコカーだらけになることは判りきっているのに、どうせ現場を混乱させるだけなんですから。そんな値引き原資の体力があるくらいなら基本料率を下げるなり、良いサービスをなるべく基本付帯の状態にするなりすればよいと思うのですが、そんなことはやらないんですねえ。
ついでにあの頃から排気ガス基準記号「GF-」から、今時の「CBA-」だの「DBA-」だのとやりだしました。今までは「E-」か「GF-」しかなかったのに、これも迷惑なことです(ディーゼルは少々事情が異なりますが)。
それをするなら書類作成時の記載事項自動反映を可能にするための申請書類の電子化or手書き書類の削減を先にするべきだと思うのですが、そういうことはしないんですよねえ。
もっともその代わりに誰も望んでいなかった(少なくとも自販連以外の人間は)形での「OSS(ワンストップサービス)」なる、現在は新車のみに適用される車両登録システムだけが先行しています。まあ早い話、自販連の「新車登録は俺に全部仕切らせろ」というだけのもの、という印象が強いわけですが。
だって、行政関係の申請書類作成のプロであるはずの行政書士ですらそのシステムに精通しているとは到底言いがたいですからねえ。
まあ、そういういつものグダグダの前置きはともかくとして。今日のお題は例の
「また今度、燃費基準をもう25%引き上げるから、そこんとこヨロシクね」
という、あまりにも言ったもん勝ちで無責任な発言のことについてです。
私の意見としては、そんなことをやったとしても結局は架空の燃費数字が今以上に更に積み上がるだけでしょう?と。
実燃費数字を今以上に引き上げるのであれば、一番いいのは車両本体重量の軽減なのでしょうけど、現状ハイブリッド一辺倒の国内メーカーにそれを求めるのは無理があります。だって、バッテリーが重すぎるから。せいぜいが必要最低限の発進の時だけハイブリッドみたいな形とか?耐用寿命が読めないらしいのであんまり見ないけどキャパシタ方式とかどうなってるんでしょう?
となると、タイヤの転がり抵抗を鉄道並みに低く抑えるとか。
軽くするにも限度がありますし、素材にアルミを使うにしても、今のように電気事情がいい加減で安定供給が望めそうにも無い国内情勢では、一定品質での量産はちょっと難しいように思います。
もちろんこれからも国内メーカーはじわじわと、少なくともデータ上の燃費数字は必死の努力ももって引き上げていくでしょう。こういう局面においては巷で良く見かけるオカルトグッズには何の効能もありません。あの程度で達成できるものならとうの昔にメーカーは採用しきっている筈です。
でも現状、非現実的に思われる目標数字がもたらすものは、いつの時代もそうですけど「その時だけ何とかなればいい」という刹那的なハードル回避策の多用です。
だって、現実的に今がそうじゃあありませんか。もっと判断基準として、きちんと信用するに足るレベルの実績数字じゃなければ掲載する価値は無いでしょう。モード燃費30km/ℓに対して実燃費60%程度の17~8km/ℓでは虚偽表示と言われても文句を言える立場には無いと思います。
もっともそんな測定方法で良しとしている国土交通省にも誠実さは感じませんが。
私がこういう様子を見ていて非常に腹立たしいのは、お上というものは見栄えのすることばかり言っている裏で、じゃあと翻って、公的機関が自らやれば易々と出来る筈の事にはまったく手を付けず、メーカー側の努力結果が出てくるであろう事に期待するばかり、というように見える現状です。
あいつらの方が圧倒的に人と物を動かせる立場にあるわけですから、やるとなったら動きは早いに決まってます。それが国家権力ってもんです。
もっとも、工事中止を「する、する」と言っていても現実に政権をとったら「やっぱり工事の中止をやめます」としてしまった八場ダムのような詐欺事例もありましたけど。
皆さんもご経験があるでしょうけど、一般に高速道路上では燃費数字が飛躍的に伸びます。ちなみに私の乗っていたi。あれで26km/ℓの数字が出た事があります。一般道では18km/ℓがやっとだったというのに。
その他ではイスト。一般道で12~3km/ℓ程度が普段の数字ですけど、高速に乗ればやはり20km/ℓを超えます。黒インプ君は一般道で11km/ℓ程度でしたが、高速では17km/ℓくらいだったかな。E36/5だと一般道で10km/ℓをぎりぎり切るくらいなんですが、高速では15km/ℓ辺りだった筈です。W202のC200も同じくらいでした。
何が言いたいのかと聞かれれば答えは単純です。
今までにも何度か書いてきている事柄ですが、交通の流れを止めるのが前提の交通設計ではなく、車をなるべくスムーズに流すことを前提とした道路の設計としていけばよほど実燃費が上がる筈です。二酸化炭素削減云々を言う割には何でこれをやらないのかが不思議でなりません。
まずは交通の流れの変化の為に、とうの昔に役目を終えた信号機の撤去から始めるべきでしょう。あれほど腹立たしいものもありません。日々どれだけのガソリンが信号待ちの際のエアコン稼動やオーディオ稼動のためだけに消費されていることか。
また、郊外のよほど交通量の少ない、人目に付き難い道路はせっせと改修をしていくくせに、そのくせ人目に付く市街地の舗装状態は最悪です。たまに思い出したようにして通る田舎道が見違えるほど綺麗になっている反面、市街地の道路の轍は波打ち、表面はひび割れ、そのロードノイズの酷さには呆れるばかりです。路面状況の酷さは特にオートバイ乗りの方ならご理解いただけるかと思います。クルマに乗ってると意外に気が付かないんですよね。いったい重量税やガソリン税はどこに使われているのか不思議でなりません。
こうした道路行政の不備・怠慢に拠る無駄なガソリン消費がどれほどのものか一度試算してみるのも一興だと思います。
もっときちんと実になる仕事をしろよ、っていうね。
ちょっと話は変わりますが昔、先生への通信簿なんていう話がありました。
普段は一方的に評価されるだけの立場の生徒(児童・学生も含む)ですが、逆に先生に対しての通信簿をつけると、どういうものが出てくるか、という話です。それについては、教えてもらう立場の先生に対して失礼だの、教えられる側の態度として如何なものか、などといった反論もありあんまり浸透しなかったように思いますが、でもこれは面白い試みだとは思います。教えられる側の視点、というのは普段ごっそり抜け落ちている視点だと思いますから。
いちおう民主主義体制においては
投票をした側は、選挙で選んだ人がやった事の結果を、すべて受け入れることが前提となっている
という事になっているようです。なんだか改めて聞くと恐ろしい話ですが。
で。
前回の結果を受け、次に信任すべき人に投票して、次回の選挙期間までの政治を信託する、というシステムなわけです。で、その結果責任もこれまた最終的には選挙民がそのすべての責任を引き受ける、と。
でも、
「選んでみたらあまりにもダメダメだったから、やっぱ前回の選挙は無しにしようや」
という、ありがちな事態に対しての回避システムというか安全装置たる仕組みは存在しないんですねえ。ひー。
やっぱ途中で通信簿を付き付けるシステムがあってもいいような気もするなあ。それも議員や首長だけでなく、各省庁に対する個別の通信簿も。それによって予算の匙加減が変わるとかさ。そこまで信認した記憶は無い、というのが大方の人の実感だと思うんだけどね。
Posted at 2011/08/21 15:18:27 | |
トラックバック(0) | 日記