2015年02月20日
昨日、保険代理店向けの見学会という触込みで、ビックモーター浜松南店に併設された板金・車検工場をジロジロと覗かせてもらいました。ビックモーターに関してはネットでお調べいただければ、と思います。
で、何で保険代理店向けなのかと聞かれれば、ハナから保険代理店からの紹介ならば「工賃10%off」を謳っていますからイコール
「保険会社的には保険金の支払も抑えられるし、何より損保ジャパン日本興亜自身がビックモーターの株主でもあるし、保険代理店的にも損害率が抑えられる可能性も大きくなるし」
という事なのでしょう。
そんな前置きはともかくとして「見学会があります」と保険会社の総合職から案内が来たときには「そんなかったるい事に付き合えるか」くらいの気持ちでした。ただ、それはそれ、最新鋭の設備を謳う修理工場の設備を一度くらいは覗いてみるのも話のネタにはなるか、と思い直し行ってみた訳です。で、その感想。
ぶっちゃけ最後は腕だ、とは頭では分かってはいるつもりです。分かってはいるつもりなんですが、
ただ、あそこまで資金力と物量作戦で周辺設備と固められてしまうと、果たして「3ちゃん農業的」に少人数で稼動している個人経営の修理工場・板金工場はこれから先どこを目指せばいいんだろう
とものすごく考えさせられました。
もちろん個々の設備は規模や大きさなどは違いこそすれ、例えば密閉式の塗装ブースくらいは持っているところもあります。
しかし鉄扉で隔離された塗料保管庫には常時攪拌式(初めて見た)の塗料棚が鎮座し、塗料ミストとホコリの除去を目的とした還流式の空調(もちろん温度調整付)が密閉式の塗装ブースには備え付けられ(これは見た事がある)ており、天井にはレールが張り巡らされ、そこには何台もの可動式ヒーター(これもはじめてみた)がぶら下げられていました。
板金作業のスペースには整然とフレーム修正のための作業台が何台も(小規模な工場だと2台程度)並び、実際の作業光景は見られませんでしたが、場合によっては1箇所の修正箇所でも何台もの作業台を同時に使い、当たり方・潰れ方に併せた多方向の引っ張り方もするのだとか。
またスポット溶接機も、一般の工場ではお目にかかったことのない作業アーム付きのでかくて高そうな機種が鎮座していました。電圧も可変式で、車種データを入力すると車に合わせた溶接電圧を自動選択してくれるのだとか。これも修理工場の装備として見たのは初めて。
他にも色々あるんですが、大掛かりな仕掛けで感心したのが工場の作業スペース脇の床の金網で蓋をされた側溝です。そこから空気を吸い出すような仕組みになっているとの事で清潔さを維持するためにそこまでするのが印象的でした。
工場というのはどうしても汚れがちです。修理するクルマの下回りから落ちる泥や砂だってあります。板金工場ですから、削ったパテのかすやマスキングテープ、マスキングシートの切れ端、欠けたクリップ、舞い散る塗料のミストなどなど、ごみや汚れの原因など数え上げていけばきりがありません。ついでに床に工具が散乱している光景だって珍しくありません。
ただ、こうした汚れやホコリは仕上がりの悪化を招き、作業ミスの原因にもなり、パーツは紛失しやすくなり、ひどいときには再作業だって誘発します。作業時間の増大は収益の悪化に直結です。
もちろん早く仕上げるために手を抜かれたらどうしようもない、ということも一方ではあるんですが、それはそれとして作業者や担当者以外からも進行具合が見えるよう「作業の見える化」にも非常に気を配っている、という説明もありました。
清潔さに関してはもちろんマクラーレンの工場並みまで求めるつもりはありませんし、今回は作ったばかりの工場の見学ですから綺麗だったのは当たり前でもあります。ただ出来れば1年後とか2年後にどの程度この工場内の綺麗さが維持できているものか、もう一度見学を企画してもらいたい、とは思いました。
とまあ板金工場はこんな感じ。
ただこの設備に囲まれて、更にメカニックのレベルが揃った日にはどうやって対抗手段を講じたものか、非常に思い悩みます。少なくとも古巣のトヨペットが開設していた板金工場よりは設備や考え方は徹底していると思えました。
加えて、そういう御時勢だという事もあるでしょうけど修理車の受入から引き渡し前の完成検査、そのときに使うチェックシートに並べられたチェック項目など、ためしに1回何か作業を出してみようかなあ、と今考えています。
車検整備工場の方は奥まで見せてもらったわけではないのですが、非常に綺麗な床材が敷き詰められ、一番手前にアライメントテスターが鎮座していました。
さてさてこんな感じで工場見学は早足で終わった(まああんまり興味のなさそうな面々ばかりだった、という事もあるとは思います)んですが、感と経験を頼りの作業もいいけど、使える設備を最大限に活用した上に更に経験を上乗せした仕上がりってどんなもんだろうか?ということにも興味が沸きます。
あ、あとウカウカしてると他所から来た事業者に自分自身が喰われるぞっていう危機感も非常にあります。まじめに。なかなか厳しい時代です。何か今の自分の仕事ぶりに上乗せできないか背中から追い立てられている感じです。
Posted at 2015/02/20 14:17:02 | |
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2015年02月07日
おそらくディーラーに試乗車が常時配備され始めたのは初代イプサム発表の頃だったかと思います。試乗車といわれて思い出すのが、その初代イプサムの商談時の話です。
当時は、今は亡きビスタ店(今はネッツ店に看板が変わっています)とトヨペット店でイプサムを併売していたわけですが、もちろん両店舗とも展示車はさすがに用意していたものの、試乗車に関しては対応が分れていました(もちろん全国で系列別の対応がその様に分れていた、という話ではありません)。
当時静岡トヨペットとしては「試乗車を全店舗で用意する」という対応をしていたのですが、対するビスタ浜松では「試乗車は用意していないが、その浮いた経費分で値引きはがんばります」という事を公式的にか否かはともかく、営業マンには言っていた(言わせていた?)ようです。
当時トヨペット店の営業マンだった私からしても、試乗車に対する対応は会社の方針ですから一営業マン個人としては致し方ない事だったとは思います。ただ許せなかったのは複数のお客さんから
「イプサムのお話でしたら先ずはトヨペットで試乗と新車見積もりをしてもらってください。その後にまたビスタ店に寄って貰えば必ずそれ以上の値引き条件を提示させてもらいます。」
とビスタ店の営業に言われたと言ってトヨペット店にご来店いただいた方が複数いらした事です。頭に来ましたねえ。
お客さんの中には、お買い物の際にこちらがびっくりするほど慎重な吟味をされる方がいます。もちろんそれは「お買い物」という行為そのものを楽しんでいるという事でもあるのですが、クルマの試乗に関してもその方にとっては例外では無く、非常に慎重というか何と言うか、ある意味無茶な要求ではあるのですが「1週間借りて1000kmくらい走ってきた」(ちなみに借りたのはベンツのCLS)という話を聞いたときには感心したというよりはあきれてしまいました。
もっとも、その方の
「高いものを買うんだから慎重に吟味したうえで納得できなければお金は出せない」
という主張にはぐうの音も出ませんし、実際にその1年後くらいには新車のEクラスを買われていましたから、そこまで待てる営業マンというのもある意味営業マンの鏡なのかもしれません。もっともそのヤナセの営業マンも辞めちゃってるけど。
でも中にはその真逆の方向で、まだ発表にもなってもいない、カタログすら無い、営業マン用のセールスマニュアルしかない状態で、実物を見もしないで新車をご契約される方もいらっしゃいます。まあそんな状態で売ってしまう私も私なんですが。ちなみに最近ではCX-3を御成約いただきました。
昔で言えば30系のセルシオとか40系のソアラとか。ただ、冷静になって考えてみるとCX-3だって300万円。セルシオ・ソアラあたりだと700万円後半ですから、そういう金額のクルマを、そんな売り方をしてしまっていいのか?というのは非常に悩ましいところです。
お試しということでいうと就職に関して思い浮かぶのが新入社員の試用期間です。たしか静岡トヨペットでは当時、採用後に半年間の試用期間がありました。
実際私のような成績の悪い営業マンなどからすると本当に正社員に登用してくれるのかが当時は不安で仕方ありませんでしたが、将来性を見込んでくれたのか、はたまたそこで首を切った事がないというだけの事なのか、無事正社員にしてくれたときにはほっとしたものです。
ただねえ。自分のことは全く棚に上げて思ってしまうのですが、メカニックで使えない奴は扱いに困るものです。一応ながら整備専門学校は出て整備士資格くらいは持ってはいるのでしょうけど、オイルフィラーキャップを閉め忘れてエンジンルーム内をオイルまみれにしてしまったなんて話くらいならかわいいもので、ひどい話になると指摘されるまでガソリン用とディーゼル用のエンジンオイルを間違えている事に気が付いていない話も聞きましたしね。おそらくもっと酷いのもあるんだろうなあ。
こういうメカニックには工場としても現場仕事は任せられないので適当な時期を見計らって車検予約要員になったり、フロントガラスの撥水コーティング位しかやらせてもらえないメカニックになったりします。
それでも流石に試用期間中にクビになった、という話は当時は聞いたことはありませんでしたが、今はどうなんでしょう。酷い話を聞いたりもするんですが。
話は飛びますが、選挙の洗礼を受けた議員先生にお試し期間があるという話は聞いた事がありません。でも、どうも近頃は「議員になってから酷さに気が付いた」という例に事欠かないようです。そう思うと、お試し期間って結構魅力的な気がするんですが。
もちろん議員先生に限らず公務員関係とか、はたまた一時の輝きではあったにせよ理系女子の希望の星になった人など、そういえば昨年は話題に事欠かない一年でしたねえ。今年はどうなんでしょうねえ。
Posted at 2015/02/07 13:36:37 | |
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