2015年05月15日
ちょっと時間が空いたので近場を走っていて思った事などを。
近頃私はじじいになってきた所為か、よほど急いでいる時は別として、わりとのんびり走ることが多くなってきたような気がします。
もっとも嫁さんに言わせれば鼻で笑われてしまうレベルでしょうけど。
でまあ、自分的には充分ロートルになったと思える私をパイロンをかわす如く「せわしなく」追い抜いていく、まあ言ってしまえば下品な運転のクルマも時折目にします。ついでに外観も下品であることも少なくないのですが。
こないだも品性お下劣な車がいました。高齢運転者標識と車椅子ステッカー貼ったレガシイGT(2代目)です。
何ぼなんでも、もう少々車間距離に余裕を置いて追い抜きをすればいいのに、追い抜きのたびに毎度毎度クラクションを鳴らされてました。そんな運転です。
でも信号機は非情なので、そのたびに私はレガシイGTに追いついていくのですが。
ただ、なんですね。そういう車を見ると思うようになりました。おそらくこのレガシイの運転手さん的には極々普通の感覚で、
抜かれるクルマは遅いクルマ、抜いていくのが当たり前
くらいに思っているのでしょう。
でも、がんばっているのはクルマの方なんですよねえ、実は。人はクルマの動力性能に助けられ、フルサポートされているだけで。けっこうそんな雰囲気の車を見かけます。
ただ2代目レガシイGTなんかは特に運転のサポートも実に上品に躾けられ、動力性能も実に良い感じに伸びていくクルマだったと記憶しています。早い話がアクセル踏むとこ間違ってますよね?と。
できることならそういう車に乗るときこそ、おのれの分をわきまえて、上品な運転(別にノロノロ走れという意味ではなく)をしてくれると良いなあ、と。
私自身も身体障害者なんで身体障害者標章を車に付けて走っていますけど、それを笠に着たというか、だから周りのクルマは退け、みたいなこれ見よがしの運転だけはするようになりたくないなあ、と。そう思います。
Posted at 2015/05/15 12:36:34 | |
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2015年05月03日
昔々のトヨペットに入社した時の入社式の中で一人一人が自己紹介をしていく時間がありました。
その中で、どのメカニックが言っていたのか迄はさすがに覚えがありませんが一人、「得意技はスプリングを切ってシャコタンに改造すること」と言っていたのが居たのは覚えています。
少なくともそういう機械部分に手を出す人間は少なからずいたと思うのですが、電気関連に手を染めるメカニックにはあまりお目にかかったことがありません。居たとしても精々オーディオ関連にのめりこむくらいでしょうか。電源が~、とかアンプやスピーカー、ウーファーの出力が~、とか。
もっとも個人的には電気屋さんのオーディオフロアでアルバイトをしていた事がある経験上、クルマのオーディオ環境に多くを求める事自体が不毛な作業としか思えないので、その手の話題を振られても「いやー良く分りませんけど凄そうですね」と愛想笑いをしておく位が精一杯です。
ただ、そんな私が初めてクルマの電気系に手を出したのは昔懐かしSONYのディスクマンの取付作業でした。
今にして思えば電源の手当てと本体の支持アーム(助手席の取り付けボルトからビヨーンと伸びた電気スタンドみたいな形の奴)を付けただけだったんですが、作業をした当の本人的には「こんなにしちゃって元に戻せるんだろうか?」とドキドキしてしまったものです。ちなみにその次に自分でやった作業がCDオートチェンジャーの取付作業でした。
そんなのどかな事をやっていた時代の一方で、自動車会社では着々と車載ナビゲーションの実用化が進んでいた、そういう時期でした。
自動車ディーラーでは伝統的に現場のメカニックが電気関連をいじる事があまりありません。昔からエアコン取付は出入りの電気屋さんの仕事でしたし、オルタネーターのオーバーホールも電気屋さんの仕事分野でした。
一度だけ、新車架装工場任せでは納車に間に合わないクルマのエアコン取付を現場メカニックに突貫工事で作業させていたのを見た事がありますが、慣れない作業だった事もあってか夜の7時から10時過ぎてもまだ何人かが張り付いて作業していました。
そんな環境の中へ突然ナビゲーションの取付工事や移設依頼が入るようになったのですから現場は大変だったと思います。趣味で自分の車にいそいそと取り付け作業をしている程度ならともかく、請求金額の発生する仕事なのですから失敗は許されません。
また初期のナビ取付作業は外す所も多く、テレビアンテナユニットもでかく、配線もアチコチ縦横無尽に張り巡らす必要がありましたから大変でした。
取り付けられるクルマがそもそも、そういう後工事を全く想定していない時代でしたから、スピードセンサーの信号もメーターを外して配線を探り当てて引っ張ってくるのが当たり前の風景でした。
もちろん外注の電気屋さんだってナビの取り付け作業は引き受けてくれたのですが、まだまだ取り付け工賃の相場が定まっていない時代です。聞いてみれば「うーん、4~5万くらい?」って言われるのがオチで、予算が合わなければ売上の欲しいサービス課長に頼み込む、というのが日常風景でした。
ただ、そうした突貫工事たちが原因の取り付け不良からくる異音や電気系の作動ミスは全国単位で発生していたようで、「後付工事対応」の設計変更がなされてきたのはけっこう素早かったような気がします。
具体的にはナビに最低限必要な「スピードセンサー・パーキングセンサー・リバース信号」の3配線のコネクターがオーディオ取り付けスペース裏の隅っこに最初から配線してある状態にしてきたわけです。
また巨大なテレビアンテナの無造作な配線はトランクへの雨漏りの原因になります。これに関しては次第にリアガラスの熱線と一緒にアンテナ配線も一緒にプリントされてくる、という対応が増えていきました。しかもアンテナへの接続ケーブルもがオーディオスペースの裏まで配線されているという親切さです。
いまどきの後付ナビにも同様の配慮はなされており、テレビアンテナは基本、フロントガラスへのフィルムアンテナ対応が今は普通です。中にはGPSアンテナが一体になっているものも存在します。
近頃ではETCやバックカメラの配線も取り回し済みな車もあるようです。後はカメラやETC本体をセットするだけ、みたいな。
オーディオの外部接続もAUXのミニジャック接続かブルートゥースによる無線接続が広まっているようです。ここでも後付配線・工事を排除する傾向にあります。
それ以外の後付機器として思いつくモノはドライブレコーダーくらいでしょうか。でもこれもアイサイトのような前方監視装置が標準化の流れにありますから、そのうち撮影ユニットが一体化されてくる日も近いような気がします。
それこそ自動運転の車となれば全周監視が基本になりますから、そこまで来れば監視情報をどこまで記録に残すか、というだけの話になりますし。
そんなこんなでいまどきのクルマは現場の電気工事とは無縁なものになってきました。
夏の定番修理であったエアコンも、フロンガスがR134になってから以降、修理件数が激減しているようです。電気屋さんが言うには「フロンガスから塩素成分が無くなったからじゃないか」と聞きました。
自動車メーカーからすれば電気配線は「触って欲しくない」筆頭候補でしょうから、いじらなくても済むのは一面、ユーザーからしても喜ばしい事ではあります。
ただ困るのは、これは電気工事に限った話ではないのですが、作業経験や知識・意欲がないと「何かあった時」に「どこがダメになっているのか見当も付かなくなる」状態です。
ディーラーでも出来る事は診断機を接続するだけ、という事が少なくなくなっているようです。某ヤナセではそれでずいぶん痛い思いをさせられました。現実に異音が出ていても診断機で問題無しと表示されていれば「異常ありません」と涼しい顔をしているメカニックも少なくないとは良く耳にする話です。
ただ、それをリカバリーする立場である筈のベテランメカニックは、経営陣的には給料上昇を嫌って10年あたりを目処に現場から配置転換されるのが普通の風景です。まあ営業とか営業とか、営業とかですね。運が良ければフロントマンの席に居られることもあるようですけど。
でも10年前の工場の作業現場ですらリモコンキーやスマートキーが主流の時代ですから既に鍵穴の分解洗浄もしたことが無いメカニックばかりでした。また、ブレーキキャリパーのオーバーホールも作業自体を見た事が無いメカニックが多く、ベテランメカニックの作業風景をその他大勢が取り囲んでみていたのは実際に目にしている光景です。
10年前ですらこんな状態ですから、すでに完成品であることが大前提の世界になってしまうと「故障箇所・不具合箇所を特定して、そこを直す」から「疑わしい箇所を丸ごとユニット交換して様子をみてみる」のが修理作業の実際になってしまいます。
もちろん部品代が安ければ特に問題は無いのかもしれませんが、現実的にはじわじわと部品単価は上がり続けており、作業単価も1時間9,000円台に入りつつあるのがディーラーの工場の現実です。ちなみに町工場は6,000円程度なんですけどね。
なかなか寂しい現実を見ている身からすると、どうせなら作業担当のメカニックを指名制にして、基本工賃+指名料を取る様にしたらどう?って思います。もちろん指名料は個々の給料に反映させて。目の色が変わってくると思うけどなあ。
で、平均してみんな一緒の作業工賃という世界から、メカニックの高給取りだって夢じゃない工場を作る。逆に指名の来ないメカニックはいつまでも基本給のまま。メカの意識も変わるだろうし、他所の工場との差別化だって出来る。
また新人の採用枠を減らしてベテランメカニックを他所から招聘してくる事だって考えてみても現場には良い刺激になると思うんだけどなあ。そこに電気の専門家がいたって良い。ディーラーの工場なら、その程度の試みなら実現可能じゃないかと思えるのですが。
もちろん良い工場にしたいという意欲があって、という前提ですけどね。そんな工場なら多少工賃が高くても仕事を出したいと個人的には思えるのですが。
Posted at 2015/05/03 13:19:00 | |
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2015年05月01日
ずいぶん前の話になってしまいますが、以前はバッテリー交換の依頼があると「安い奴で良いだろう」と考え、対応スピードと仕入れ金額のバランスを見て某自動後退とかで買ってきたバッテリーをお客さんのところにお持ちし、その場で交換した、なんてこともしていました。
しばらくしてテスターなるものを手に入れてからは、それで電圧などを測ったりしてもいたのですが、あるとき測定電圧だけを信用して「多分大丈夫だと思います」といってお渡ししたお車のバッテリーがしばらくしてから上がってしまったという事がありました。もちろん平謝りで新しいバッテリー代はこちら持ちで交換作業をしました。
ただ後になって考えてみれば上がってしまったバッテリーの原因が、単に電圧測定だけではだめだったという事なのか、それともバッテリーを上げてしまった原因はお客さんの不注意に因るものなのかは今となっては知る由もありません。
ただ、それによって少々悩まされた結果、値は張りましたが、それを機にミドトロニクス社(だったかな?)のCCAテスターなるものを買い込むことにいたしました。
ただこのCCAテスター。電気専門店では見かけた事があるのですが一般の整備工場で使っているところは未だに見た事がありません。なぜ?
で、それはそれとしてCCAテスターは役に立っているのか?と言われれば「まあ多分」と言うくらいですかね。
少なくとも「そろそろ交換時期です」というテスターの警告が出たら「寿命が近いっぽいですよ」とはお客さんにはお伝えしていますので、後から「バッテリーが上がりました」と言われても責任逃れは出来る様にはなりました。私にとってもそれ以上のバッテリー交換の根拠の持ちようも無いですし。
ただ困った事に私の持っているCCAテスターでは「問題ありません」という診断が出ていても、良く工場で見かける箱型のテスターだと「要注意」となり判断が分かれる場合もあるわけです。
そんなときはどうするか。ま、安全策をとって「交換しときましょうか」と言うのが結局は一番の安全パイなんですけどね。
次に来た転機はACデルコ製の充電器でした。パルス充電なるものを駆使し、完全自動で充電してくれる、という触込みの代物です。
早速それを買い入れた私でしたが、結果は残念ながらと言うか何と言うか、充電状態やバッテリーの復活レベルをどこまで信用すべきものなのか、イマイチ良くわかりません。
というのも2~3回ほど充電完了ランプが点灯したバッテリーをCCAテスターにかけ、テスト結果も良好だった筈のバッテリーを搭載した事があったんですが、それほどの間を置かずしてバッテリー上がりを再度起こしてしまった、という事があったわけです。
ま、これも今にして思えば暗電流までは疑ってみてはいませんでしたから、実際にはバッテリーのせいだけではなかったのかもしれません。
まあ、電気は難しいの一言で済ますのが一番簡単な話なんですが、あんまり無責任な事を言ってばかりもいられないし困ったものです。
そんなこんなで今現在の私は先ず手持ちのCCAテスターで計測をし、時間が許せば提携工場で再度別のテスターで再チェックを掛けてもらいます。
そこで何れかでも低い数値が出れば止む無く交換という事になるのですが、この次に来る難関が「どのバッテリーを選ぶか」という問題です。
ちょっと前までは電気専門店から卸してもらっていました。
ただ、電気専門店っていう所はどこかしらのメーカーの特約店になっている事が少なくなく、黙っているとそのメーカーの製品の特定の種類のものを言いなりになって買う、というパターンになってしまいます。
もちろん、その店主の好意で「(卸値が)安い方が良いよね」という商品選択ではあっても、実は旧来製品だから安いだけだったり、バッテリーの性能値としては2級品3級品のものだったり、ということが少なからずありました。ぶっちゃけ「安いので十分」ということを専門店の人間ですら信じ切ってしまっている事もあるわけです。
ということで色々悩んだ結果、ちょっと前まではボッシュの製品を主にお勧めして来ました。これをデルコの充電器で満充電にしてから納めるわけです。
じゃあ今は?と聞かれれば、特に御希望がなければ最近はパナソニックのブルーバッテリーのカオスを主にお勧めするようにしています。やっぱり「バッテリーにとっての正義は容量でしょ」と思うので。
交換前の儀式としては先ずバッテリーを満充電にし、その後で装着後に計測するCCA値で悩まないように新品状態でのCCA値を測ってバッテリーに記入しておきます。国産バッテリーは基準となるCCA値が書いてないので。
一応CCAテスターの裏蓋にはバッテリーの大きさによるCCA値の参考値が記されているのですがカオスのような大容量の基準値は掲載されていないので最初に測っておくのが堅いやり方かな?と。
ただ、整備工場の皆さんはワリと今どきの大容量のバッテリーを「高い」の一言で交換候補から外していることが少なくないようです。
同様に、中古車屋さんで「納車前にバッテリー換えときます」とか言われても実際に納車準備の終わったクルマのボンネットを開けてみると最安値クラスの小さなバッテリーが入っている事も少なくありません。
軽自動車やリッターカークラスでは良く見かけるB19あたりの大きさだと通常なら40あたりが良く見かける性能指数ではあるのですが、それがカオスのブルーバッテリーになると60です。
またカオスのB24だと性能指数が80になるんですが、そんな話題を出したらある整備業者は「それってD規格の間違いじゃないの?」って真顔で聞き返されたことがあります。
近頃は軽ですら電動スライドが当たり前に付くようになった結果、性能指数40では少々物足りないクルマが増えてきてもいますからもう少しバッテリーの容量にも気をつけたほうが良いんじゃないかなあ、と。
そんな感じで近頃のバッテリー選択はカオスのブルー一択だったんですが、どうもボッシュにも同様の容量を持つ「ハイテックプレミアム」なるバッテリーが登場したようです。しかも今度の保証内容はカオスに対抗してか、3年間の距離無制限(カオスは10万キロまで)ときたもんだ。仕入れ金額の差は1000円。うーん、微妙だなあ。
そんなこんなでなかなか「コレ」という解決策は簡単にやってきてくれません。どなたか名案がったらをお持ちの方がありましたら御教示いただきたいものです。是非。
Posted at 2015/05/01 19:39:54 | |
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