2022年10月13日
例の事故動画の続きがYouTubeにアップされています。
販売店側としては、あくまでも販売価格での賠償を求めている、という話が続いているわけですが、それによって逸失利益を補填して貰えるのは誰か?と考えると事故さえなければ車を受け取る事が出来た筈の購入予定者、という事で良いのかな?
という事は保険金を仮に受領出来た、という話になったとすれば、次は販売会社が購入予定者に前回購入予定車だった相当のクルマを提供する義務も同時に生じる、という事だよね?多分。納めていないクルマの回収予定金額が回収出来てしまったんだから。保険会社としては、そこまで見届ける権利も発生する、と。多分。だって大原則として「事故にって経済的利益が発生するような事はあってはならない」が基本なんだから。
となると、それが実現不可能となった場合はどうなるか?
ま、精々このクルマの販売予定価格じゃなくって仕入金額が支払上限、というのが落とし処になるんじゃないのかな?だって販売会社は販売予定車を無事に顧客にお届けするまでの管理責任があった筈なんだから。
モチロンそれをカバーする為の販売自動車に関する管理者賠償保険にも加入していただろうけど、でもそれは利益保証保険じゃないでしょう?
時価額賠償とは保険太りを発生させない為の「法的な基準値」として設定されているものです。その前提に立てば10年前に生産終了していた新車価格300万円のクルマの時価評価額が180万円というのもまだそんなに付くんだ?って印象なんだけどな。
販売価格ってのは売る側と買う側とで交わされる相互理解の結果でもあるので、双方で価格に同意が成立してるんなら第三者が口を挟む余地が無いのも事実な世界です。それを賠償基準とせよ、というのは言い過ぎじゃないの?って思います。
まあ、極低年式車の当てられ損という事故は良く揉める事例の代表格です。いくら古いクルマであったとしても直してくれりゃあそれで済む話を、時価全損で貴方の車は廃車です、なんて加害者側に開き直られる弁解をされるもんだから、被害者側も怒るというより呆れられる訳です。
そんなこんなで良く揉めるからこそ対物超過特約なんてモノも出来た訳ですが、それにしたって限度はある。認めさせる相手を相手側に求めるか、それとも自分の方に求めるか。
一般的な時価基準額としてレッドブックを使い、それを各社共通基準としている現状であり、それ以上を求めたいなら、その価値は自分で保全すべきというものなんじゃなかろうか?美術品に掛ける保険なんかそうですよね?一応の基準として「この作者の絵は1号あたり幾ら」なんてのがありますからね。それを越える価値があると認めているのなら、相応の保険料を払って自分で保全しなさい、ってのが普通の考え方じゃないのかなあ?
だからクルマの保険には車両保険というものがある。一応の基準は保険会社からも示されますが、それ以上を望むのなら保険会社との協定と承認を得た上で相応の保険価格を設定するというやり方だってある訳です。保険会社によっては「うちは妥当と思われる相場価格で協定した金額の車両保険が引き受けられます」っていう商品もあります。今回の販売店はそういう防衛線を張っていたんですかね?というか販売店も当然、自動車保険を商品として扱っている筈ですから賠償は時価額上限って事くらい散々経験している話だと思うんですが。その辺が今回は被害の当事者という立場になった所為でヒートし過ぎちゃってるんじゃないですか?と思えます。
なんか希望的観測の上に立ったコメントも随分ある様ですし、妙に被害者側におもねった様に感じた投稿画像もあるようです。ただ、加害者側になった場合にどう思うか?と考えれば毎度毎度「示談交渉の内容は保険会社に一任しておりますので、事故に関するお問い合わせは保険会社あてにお願いします」って言って下さい、と御契約者には言ってます。その言葉の裏には「法的な賠償責任を加害者に代わって果たすのが保険会社の役割」であり、「保険会社が認める支払範囲=法的な賠償責任の範囲」という理解だからです。
「保険会社が払えないというなら、足りない分は加害者本人に払って貰う」なんて言葉も散見されますが、まあ、それは法的賠償責任の範囲を超える金銭支払の強要になりかねない話です。もちろんクルマを受け取れなかった契約者のはお気の毒としか言い様がないですけど、それ以上はあくまでも自発的な気持ちの上で行われる善意に期待する他無い、というのが現実です。まあ、そういう実例が今まで無かった訳ではありませんけど。
炎上の上で通常の流れが変わった、というのは良い前例にならないと思うなあ。まあ私に決定権がある訳じゃ無いんで、あくまでも個人的な感想の域は出ないですけどね。
Posted at 2022/10/13 02:14:30 | |
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2022年10月11日
昨日あたりから赤信号無視のクルマにやられたシビックのタイプRの記事がアチコチで紹介されています。
>https://www.fnn.jp/articles/-/428627
赤信号無視は問答無用でやった側が100パー悪い。これが基本です。但し、賠償額の認定は時価額が上限です。
但し逃げ道はあって、応分の金額が設定された車両保険に入っていれば不足分が自分の車両保険から支払われます。近頃の自動車保険は無過失特約が自動付帯の契約も多いので、この特約が付いていれば事故回数にカウントされずに不足分の保険金を手にする事が出来ます。
ただし今回の事故は納車前の事故ですから、一般的な自動車保険には未加入の無保険状態でしょう。この場合どうなるか?
冷たく言ってしまえば上限は時価額だよねえ。既に売買契約を済ませて納車前日の車輌だった様ですが、売買金額が決まっていたとはいえ、それが影響するのは事故落ちに関しての金額じゃなかったかな?保険会社が時価額上限まで認定しているのであれば、そこからの上積みは厳しいか?おそらく保険会社社内の法務関連の部署も了承済の話だろうし。そもそもディーラーは保険会社にとって大口のお客さんの筈だから、あまり突っ込み所のある回答はしないと思うんだよなあ。
売買価格が450万円という話でしたが、そもそも新車が当時300万円弱の価格だった訳ですから、それに対して450万円の支払を求めるとなると、そもそも模倣犯による事故太りのケースを誘発する事に繋がる可能性もあるような気もしてみたり。販売店の店長は「判例を作るつもりで」と口にしてるみたいですけど、判例という事は「他の事故のケースにも適用されうる事例」となってしまう訳でもある。
となると、この件に関してはやはり時価額全損にて終了かな。但し、保険会社による車輌引取は無しで、処分は販売会社にお任せします、とか。
そもそも無保険のクルマを社外に乗り出す、という事をするかな?っていう気もします。気になるなら展示前、納車前整備の段階でチェックはしてるよね。ま、普通に考えれば販売事業者が商品車を対象とした自動車管理者賠償責任保険に加入しているだろうと考えます。ただ、自管賠の支払って商品価格を考慮してくれるんだろうか?明日、保険会社に聞いてみよ。
入金されるはずだった300万円近い損失をどうしてくれる?という論調もあるでしょうけど、販売店には対価と引き替えにクルマを無事にお客さんにお渡しするまでの車両管理の責任もあるわけです。となると、100%無事に帰ってくる保証は無いとも言える一般車道への商品車乗り出しを従業員に許可した管理者の責任だって問われて然るべきかと?だって商品車は現金だもの。扱いには慎重な上に更に慎重を期しても良かった気もします。ドラレコの画像を見ても、速度が落ちる事無く交差点に進入してくる相手車両がはっきりと映っています。道路上では「だろう」ではなく「かもしれない」と常に思え、って嫌になるほど聞く言葉です。
色々と後の行方が気になる事故ではありますが、保険の賠償は時価が基本。ただし、個別に金額を保険会社に認定してもらってある事例を除く、という事かな、と思っています。
あ、あと賠償額を事故鑑定人に聞くのは筋違いです。賠償額の算定はあくまでも保険会社と弁護士とかの法務関連の職に従事する人の専権事項です。モチロン一般の代理店にもそんな権限はありません。事故鑑定人は事故状況を解析する人で賠償金額の算定はテリトリー外です。
Posted at 2022/10/11 18:26:48 | |
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2022年10月11日
こんなtweetを見かけました。
>銀行出身の人が入社すると管理帳票は増え、減点主義になり、空気悪くなるからマジでやめて欲しいと商社の友人がいっており、それは非常にわかる。
自分は数カ所の会社を移ってきていますので、自身の事や他人様のやっていた事を思い返してなるほどなあ、とか思いました。
自身の事を省みても、人が組織の人間として一人前になるには3年から5年、経験を血肉に換えて熟練となる為にはやはり10年欲しいなあと思っていますが、逆に熟成しきった後で違う環境に馴染むのにはけっこうな苦労を強いられます(ました)。結局、今まで馴染んだ世界でやって来たやり方しか知らない以上、修正するにも馴染んだ形を修正する事からしか始め方を知りません。そもそも通用するのか、どうかすらさえ知らない訳です。特に転職1年生は。だから余計に今までのやり方が捨てられない。
そもそもやり方の修正を余儀なくされるほど切羽詰まった状況に追い込まれた事が今まで無ければ変わる事など思いも付かない人が殆どだろうとさえ思います。
今までに(今も)渡り歩いた職場は基本的に個人の成果を問われる職種ばかりでしたが、外資系に較べてやはり日本社の方がより組織への馴染みを求められる傾向が強かったかな。それだけ組織内でしか通用しないルールも多かった気がします。
例えば外資系は自分の身を守る為に仕事における法令上のコンプライアンス遵守を声高に掲げますが、一方でその一線さえ越えなければ昼間何やってようが、例えば「雨の日はお休み」と公言していたとしても別にマネージャーに咎められるような事は無い世界でした。そもそも出勤を求められない外資系もありますしね。
その一方で鞄やクルマ、個人ロッカーやPCの中に保険業法300条の禁止事項に該当するような私製募集資料や金券類・私製領収書・使用期限切れ領収書などがないかは常にチェックされました。見つかると一発アウトもある世界で降格もザラにあったと聞きます。
じゃあ日本社はどうだったかというと、庇うんですよね。モチロン成績上位か否かでも扱いは違いましたが、成績が飛び抜ければ飛び抜けるほど庇う。
全国でも歴代トップと謳われた人が当時同じ支社に在籍していましたが、何回受けても取得必須の資格試験が結局受からずクビになってしまったと思いきや、挙績数字を手放したくない支社は「他社との乗り合いを認めない・資格試験は受かるまで受け続ける」事を条件に異例の独立を認めていました。2年後くらいに試験会場で彼の姿を見かけた事があったなあ、そういえば。
全段の彼は途中で脱落してしまい卒業者リストにその名はありませんが、もう1人同時期の在籍者で、全国トップの成績で卒業した人が出ました。その人の場合も色々あったのは見ているのですが、ある時所持品検査で私製領収書が出てきた事が。本来ならば一発アウトの事例の筈なんですが、「ダメだよ、こんなの持っていちゃあ」で済まされていましたねえ。おいおい。
まあ、他人様の事をつらつら書いてきている私自身はどうだったかというと、結局馴染んだ世界から足を洗う事は出来なかった、というのが正直なところですねえ。転身は無理だったクチです。元の木阿弥、何処にも属さない(せない)、1人営業の営業のままです。まあ独りでやっていく為に守備範囲を大きく拡げたつもりではいますが、結局やっている事は昔とあんまり変わらないなあ。
Posted at 2022/10/11 14:20:18 | |
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2022年10月10日
基本、クルマも家も上からの水(=雨)は想定していても、下から上ってきた水には無防備です。だからクルマの保険も家の保険も、水害とは基本的に「上がってきた水に対する被害」のことを指します。雨が降り込んだ程度の水濡れは補償の対象外となります。
ふと思いついた「窓を開けっ放しにして洗車機に突っ込み、室内がびしょ濡れになった場合はどうなるのか?」という事故例はどうなるのか?
洗車の為にクルマを預けてしまう場合と自分で洗車機に入れる場合とでは保険会社の対応が異なると思いますが、先ずは預けた場合。この場合は「自管賠」と呼ばれる「自動車管理者賠償責任保険」の対象事故として保険会社が認めてくれるか?が分かれ目となるのでしょうね。
自分で洗車機に入れる場合ですが、保険事故と認められる3原則として「故意でなく、不測かつ突発的」である事が求められます。よく見かけるドライブスルー式の洗車機では必ず「ドアや窓を閉め、エンジンを止めなさい」とアナウンスが入ります。おそらくはここで「不測かつ突発的」な事故が起きない様に自発的な予防操作を促しているわけです。ここでやんなかったら悪いのはアナタ、という訳ですね。
さて、で実際に水浸しになってしまったらクルマはどうなってしまうのか?
クルマも家も床上まで完全に水に浸かってしまうことを想定していません。火災保険の水害判定基準に「床上浸水もしくは地盤面から45cm以上の浸水」といった記載があるのはそういう理由です。「水を被る」と「水に浸かる」の間には近いようで実は深い溝があるわけです。
多分ですが、洗車機の水が掛かってしまった程度では大した被害は出ないだろうな、と思います。というのもクルマの室内で、誤って飲料水をこぼしてしまう程度の事は自動車メーカーでも想定済でしょう。洗車機で使う水も工業用水程度には綺麗な水を使いますし。
でも集中豪雨等による地上に溢れ出た水は基本的に泥水です。そういう水にカーペットやシートだけでなく、床下に隠してあるワイヤーハーネスやそのコネクター、モーター、センサー類まで浸ってしまう。
泥水に浸かってしまった繊維系の部材からは臭いが取れません。水に浸かってしまった電装系も同様で、毛細管現象で泥水が何処まで浸入するか推測出来ません。仮に乾かしたところで錆の発生範囲など予測不可能です。となると全交換。
今回初めて気が付いたところではシートベルト。プリテンショナーなどの機構がまとめてBピラーの根元に埋め込んであるので、水没車はシートベルトまでもがAssy交換の対象になるとのことでした。
なかには水没した翌日に「会社に行かなきゃ」と動かしてしまったクルマもかなりの数存在するようですから、こうなると「何処まで泥水を被っているのか想像がつかない」なんて事例も多数に上ります。
まあ、エンジンが掛かればまだマシな方で、というか水没した車はエンジンなど掛けずにそっとしておいてあげて欲しいのですが、掛けちゃったが故にトドメを刺しちゃったクルマも少なからず存在します。
水没は個人の車に限らず、工場で預かっていた車にも被害が及んでいます。聞いている話だと商品車もかなりの被害を受けているようで、そうしたクルマはおそらくは全てオークションに流され海外行きになるのかなあ?と。
車両保険に入っていれば被害額は補償される、筈なんですが高年式車はともかくとして低年式・極低年式車は前年同条件での保険更改が多いので設定車価がそもそも低いことが多く一発全損の可能性が高いです。加えて全損判定されても次のクルマすら手当出来ない契約内容を多く目にします。特に通販系は直販に比べて設定出来る車価がおしなべて低い印象ですね。
近年の集中豪雨に端を発する河川の氾濫を見ていると、もちろん河川の近隣が水害に遭う可能性が高いのはモチロンなんですが、同様に新規開発の住宅地に被害が大きい気がしています。新規開発ということは当然その前があったわけで、その前は何と聞かれれば「元・田んぼ」。昔ながらの住宅地に家を構えるという事は近所付き合いも含めてハードルが高く思われているのかもしれません。
田んぼということは元々水が引きやすい土地である事に加え、農業用水を引く為の水路が縦横無尽に張り巡らされている(た)事も当たり前の話です。大量の雨が降れば、当然昔ならば一段低く造成された田んぼや水路が一時的な貯水地となって受け止めていた筈なんですが、今となっては激減した田んぼという受け場を失った水は宅地や道路に溢れ出るしかない、というのが今の世の成り行きなのかもしれません。
今月から火災保険の料率がまたしても上がる方向に改訂されているわけですが、近年の冠水車大量発生もいい加減車両保険の料率改訂に影響するかもな、と。そんな気もしています。火災保険は地域別の料率調整があるわけですが、そのうち自動車保険にも地域別の調整幅が設定されるかもしれません。交通事故ワースト地域とセーフティ地域が同率の保険料では公平さを欠きますからね。
ちなみにこんなデータがある様です。
>https://kurukura.jp/safety/20220413-20.html
交通事故ワースト県としてトップ争いに加わっていると思っていた静岡ですが、データ的にはそうでもなく、「人口10万人あたり」という条件を加えると山梨・香川・愛媛・高知・三重がワースト5を占める様です。意外にベスト5をみると大都市圏がトップに顔を出しています。道路事情の良さが加わるのかもしれません。
Posted at 2022/10/10 14:04:48 | |
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