ガラスモールの謎

新しく製作したガラスモールとJetcityさんから取り外した長年使用したガラスモールの比較です。Jetcityさんのは完全オリジナルで形状が台形の形をしています。ガラスを挟み込む部分がカットされています。なぜ？

本来このようにガラスを挟み込み接着し、その後ボディに接着します。この挟み込み、一筋縄では行きません。最近のカマボコ型の汎用モールも皺がでてしまいます。左右の直線部分は装着が簡単なのですが、上下は各左右の湾曲が結構きついのです。そのため歪みが出てしまうんです。あまり無理すると中のアルミメッキが歪んでしまいます。

この部分の湾曲が割と厳しいので、ガラスをはめ込む反対側が歪みが生じます。はめ込み側を外側に曲げると大丈夫なのですが、反対の内側に曲げると歪むのです。なのでガラスの下側は綺麗に曲がります。

実験です。ABS板材でガラスと同じ湾曲を作りはめてみました。すると、上部はこのように変形します。勿論、ここにボディが来るのでここまで曲がったりはしませんが、それでも下側のように、綺麗な湾曲を作るのは難しいのです。

そこで、今回Jetcityさんの交換をさせて頂く事になり勉強するチャンスです。どのようについているのか？ここで分かった事があります。重大発表！です（私だけ興奮していますけど）
実は挟み込みの部分を切り落としていました（写真参考）それで負荷を軽減していました。さらに、上のモールは、上下逆にはめ込みしていたのです。これは、ガラス屋さんからも指摘があった通りでした。信用してなかった訳ではないのですが、オリジナルもこのような対策をしていたのには、何だかほっとした気分でした。上下逆だと負荷がかかりにくいので、綺麗に装着できるのですね。今までちょうど13台のヨーロッパに装着しましたが、すべてこのやり方でした。正解だった訳です。さすが本職ガラス屋さんです。

これは、ニュースピードさんに置いてあるオリジナルのヨーロッパです。よく見ると、やはり上下逆に付けているんです。冬いちごさんのオリジナルロッパを拝見すると、物凄く綺麗についています。テクニック抜群ですね。なんせ約50年前ですから、素晴らしい職人技です。私にはできなかった！！ガ～ン・・・・。

黒いTCさんの取付時の写真です。ここをしっかり固定していますね。接着剤の指定があります。ガラス職人さんの意見です。まずブチルなどの接着はやめて欲しいとの事です。また50年前より接着剤の進歩はすごいので、多少高くとも雨漏れなども心配しないよう、これを使って欲しい、との事です。紹介してしまっても大丈夫ですかとの問いにOK頂きましたのでご紹介致します。

ヘンケルジャパンさんの高粘度速乾タイプ　プロ用接着剤です。
約１～２時間で表面硬化しますので、マスキングで止めている間にずれてくる心配が無いそうです。もし必要な方は当社経由で入手可能です。2500円前後です。１本で１台分装着可能です。
約４年間に渡ってガラスモールに取り組んできましたが、奥が深いです。もう少し頑張ります！