
仕事を辞める-その1
きっかけは、土曜日の休みが全部無くなるという事だった。
この会社は初めから土曜日は全部「出」だったが、
徐々に月に1日~1日半
土曜日のお休みを貰う事になった。
これはワタシが勝ち取ったものだと
密かに思っていた。
他にも子供達の通知表を貰いに行く時は、1時間~2時間
抜けさせてもらっていた。
それがこの会社の「有休」みたいなものだった。
それが或る日、
「これからは学校行事も土曜日の休みを振り替えなさい」と言われた。
「あ、Aさん(おばちゃん)がいなくなったら、土曜日の休みも無くなるから」とも言われた。
休みのハナシをしてて、部長が気に入らなかったようで
「感情的」に「一方的」に言われたことにワタシは腹を立てた。
腹を立てると同時に辞めることを考え始めた。
余談な事ながら、このおやぢは
その日の感情で仕事のやり方もコロコロと指示を変えたり
思いつきで資料を作らせ、何日もかけて作った資料を
実はほとんど使わなかったりと
実に不謹慎な馬鹿ヤロウである。。。
只、世の中はものすごく不景気で、
このご時世に3年半もいて仕事も慣れている会社を辞める。
お休みが無くなる事と部長の存在以外は気に入ってた会社。
この時から2ヶ月、ワタシは悶々と悩み続ける。
辞めたい。でも、次は見つかるのだろうか?
でも、辞めたい。。。
ずっとこれの繰り返しだった。
独りで、堂々巡りの悩み。
1ヶ月半ぐらい経ってから、それとなく母や、兄、友達に
「仕事、辞めよっかなー」と言ってみる。
母は「土曜日の休みがないだけでゼイタクな!」って言うし、
大抵の人は、「次を見つけて辞めんちゃい」って。
前の時も実は疑問に思ったのだが
皆は働きながら次をどーやって見つけてるんだろう?
どーも、ワタシにはそれが出来ない。
そーやって、辞めることを悩んでいた或る日、部長が言った。
「これからウチの業界ももっともっと仕事が減ってくる。
ウチはこれまで手当て等を減らしてきたが、
ここで生き残る為に減給することにした。
ぶたさんにはAさんの仕事を全部引き継いでもらう。
Aさんはこれまで5日来てもらってたが
週に3日ぐらいに押さえてもらおうと思う。
この会社の方針に従えない者は、辞めてもらっていいと思っている。」
-つづく-
仕事を辞める-その2
さて、部長からの言葉を聞いて、本格的に考え始めたワタシ。
しかも、返事は明後日に欲しいとのこと。
ワタシは
”こいつ、腹の中ではこんな不景気に会社を辞めるなんて事
絶対しないとたかをくくってるだろうなぁ”って思った。
今、ワタシが一番に望んでいる事。
1.土曜日の休み
これですな。
この春から学校が完全週休二日制になるのも大きな要因だ。
勿論、学校の行事や子供達との関わりだけではなく
自分の時間が欲しいのもある。
日曜日の休みだけでは家の片付けや用事等で、
あっという間にお休みは終わり
なかなかストレスを解消するっていうのが難しかった。
歳のせいか、それとも自分をそこまで追いこんだワタシのせいか
兎に角、疲れが全然取れないのである。
はっきり言ってこの会社で仕事をする気力はもうなかったのである。。。
それならば、もし、完全週休二日制になったとしたら
このままここで働けるか???
ワタシは内なる自分の気持ちに耳をすませた。
答えはNO!だった。
アリもしない就業規則を作らされたり、
人を人とも思わない高圧的な態度で感情的に仕事を指示したり。
或る時など、「資料を作れ」と言われ
「どのくらい遡るんでしょう?」と聞くと
「10年」と平気で答える。
「請求書は10年、残ってるんですか?」と聞くと
「倉庫にあるだけだ」
うちの資料は7年しか残しとらんやんけ。
一事が万事。。。
ま、解かってて聞くワタシもワタシじゃが。。。(笑)
そんなこんなでワタシは返事をするというその日の朝に部長に言った。
「月曜日に言われた件ですが、ワタシ、会社を辞めさせて貰う事にしました。」
-つづく-
仕事を辞める-その3
さて、部長に「辞めます」と言ったら
「わかりました」とすんなり受け容れてくれた。
なんだか、肩の荷が降りて、ふっと軽くなった。
席に着くと部長が聞いてきた。
「仕事を全部回すのが嫌だからというのが理由ではないよね?」
ふっふっふ、よーわかっとるやんけ。
「はい。」
「理由を教えてくれんかね?専務に報告せんといけんから」
まさか、あんたが気に入りません。
と言うわけにもいかず、悩んでおったら
「僕に言いたくないなら、専務には言ってくれるじゃろう」と。
昼過ぎに専務が帰ってきて部長が専務に報告し、
部長が用事で出ていって
「なんで、辞めるんや?」って専務に聞かれ
「いやあ、今回の件とかではなく前からずっと考えて。。。」
「あんたもねーちゃんじゃないんじゃけー、もう中年なんやから
もうちょい考えてみぃや。辞めるのはいつでも辞められるんだから」って。
ま、専務のことは好きだけど、(深い意味はない)
ほとんど事務所におらんしね。
んで、申し訳ないけどそれとこれとは別問題。
おばちゃんもワタシが辞めると言う事はぜんぜん考えてなかった模様。
夕方、おばちゃんが自分の進退を言おうとした。
「私の件なんですが。。。」と。
そしたら
「今、こーゆー状況なので(ワタシが辞めると言ったから)
もうちょい返事は待って」って。
ほらね、会社なんて誠に勝手。
んで、そこで、おばちゃんが
「専務が辞めんでいい、言うちゃったよねー」と。
したら、部長は気色ばんで
「それは会社(自分)に非があるから辞めんでええ言うことか?」って。
おばちゃんもワタシも呆れかえりました。
それから二日後のお昼前、専務から携帯に電話が入る。
「ちょっと、出ておいで」
近所の食堂へ行った。
専務が聞くから、土曜日の休みナシの件や、有休ナシの件を話した。
んで、本当かどうか解からないが
「部長が昨日わしの携帯にかけてきて
『専務の口からひき止めてくれ』って。
『僕ではどーにもならんから』って
反省しとったで、何があったのかは詳しく聞いとらんが
『言いすぎた』とかゆーとったで。」と。
もし、本当に部長がそー言ったのなら、
馬鹿にしとんかいっ!とワタシは言いたい。
会社の方針に従えない者は辞めてもらっていいと公言したのはなんじゃい!
ワタシは専務に言った。
部長がそー言ったって。
ちょっと顔色を変え、まあ、気持ちとは反対の事を言う人じゃけぇと
フォローしとったが、フォローになっとらん!
専務の顔を立て、月曜日に3人でハナシをすることになった。
-つづく-
仕事を辞める-その4
結局、私の意思が固いのを察した専務と部長は3人の話し合いの場で
引きとめるのをやめた。
それから20日間、引継ぎも含め、取敢えず会社へ通った。
いよいよ明日から新しい人が入社するという日、部長が言った。
「多分、新しい人が何故辞めたかと聞いてくると思うが、
ま、よろしく頼む。」と。
よろしくって何さ?何か悪いことでもしたの?部長?
ワタシはこーゆーセコイ男が大っ嫌いである。
ホントはね、まじで考えてたの。一応。
聞いてきたら、どー言おうかなあと。
でも、この部長の台詞でワタシのココロは決まりましたがな。。。
仕事は勿論、部長との戦い方までぜーーんぶ教えてあげるー。
新しい人は、第2第4土曜日が休みという条件で入ってきた。
イマドキ土曜日が全部「出」なんて、子供を抱えてる人は入るもんかー!
この譲歩はO原さん
(不動産屋さんで当時住んでたアパートの1Fに事務所を構えてた人)
を経由して、専務から出たものだろう。
今回のこの一連の経験で得たこと。
1.独りで悶々と考えない
2.具体的に色々と調べる
3.戦い方を変えてみる
P・S
ワタシが会社を辞めますと言った日、
会社で使っていた部長の認印が欠けた。
縁起が悪いと部長はすごく気にしていた。
かっかっか。
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一番尖ってた時期、41歳頃かな?
労働者としての権利が無かった事に
一番腹を立ててました。
だから、就業規則をワードにまとめてた時
取れもしない有給のくだりにはイチイチ腹立ててました。(笑)
退職して数か月後?くらいに
ワタシの後に入ってきた子と銀行でバッタリ。
「もう、辞めたいですぅ。」と部長の愚痴。
彼女の後から入ったパートさん(おばちゃんもその後辞められた)
部長にクソミソ言われ
「労働基準局に訴えますっ!」と言うたらしい。
あぁ、その場で観たかった。(笑)