
日本全国津々浦々、各地に身体障害者用駐車スペースが設置されているのを視認したことがあると思います。
それらの駐車スペースは、本来であれば車椅子であったりとか補助が必要な方であったりとか
語弊を恐れずに言うなら「身体的に健常でない方」が乗降をするのに必要なスペースを確保した駐車場だと言えます。
逆に言えば「身体的に健常なら遠慮してくれ」的駐車スペースだと言えます。
2chなんかだとこれらの駐車スペースに駐車する身体的健常者を指して
「こいつらは頭がおかしい=障害者だから障害者用駐車スペースに駐車してる」とか述べるレスもあります。
ぼくはこの意見に対し、素直に「そうだね」と賛同はできません。
身体障害者用駐車スペースは、あくまで
「身体障害者が駐車時に乗降するのに必要なスペース」だと思っているからです。
学生時代の友人で、不幸にも若くして下肢不随になった友人がいます。
今ではメールやSMSで連絡を取る程度の間柄ですが
以前、この友人とドライブに出かけたという別の友人が某SMSで書き込みしてるのを見かけました。
(この書き込みが彼の物だと確認してあります。)
これからの話は、彼が実際に経験した事をほぼ脚色なしで聞いたものです。
某SMSでも公開されたものだし、2chあたりでもコピペされたことがある内容なので
聞き覚えがある方がいらっしゃるかもです。
SMSで公開された話に彼から聞いた話をMIXして再編集した話になります。
友人はドライブが趣味だった。
交通事故で下半身不随になったけど、日常生活を送るのに不便はあっても不満はない程度に充実した生活を送っているように見えた。
交通事故については今更語る事はない。
十分とはいえないが補償も受けたし、相手の方も制裁を受けてる。
だからここでは事故は関係ない。
前述してるが、友人はドライブが趣味だった。
事故のあとは好き勝手にドライブに行く、ということはできなくなったが
それでもドライブにいくのは趣味だ、とう程度にドライブに行っていた。
事故に合うまでは別に気にもしていなかったが
いざ下半身不随になって車椅子生活になると
いろいろと不便な面が出てくる。
日常生活についてはおいといて、車生活としては乗れる車が限られる、ということだ。
幸いというべきか、彼は友人に恵まれたおかげで自分で運転できる車を用意できた。
これはすなわち自立した生活を送れる、ということにも繋がる。(※彼の居住地域では車がないと生活できないような地域だそうです。)
しかし、日常近距離での運転であれば問題なくとも
長距離の、趣味のドライブともなるとひとりで出かけるには不安も残る。
なのでドライブにでかけるときは友人といっしょに、というのが決まりになってた。
あるとき、少し長い距離のドライブ、というか旅行にいくことになった。
車の運転が趣味の彼が主に運転し、俺はあくまで補助ということで同行するこになっていた。
そのような形態のドライブは以前にもあったし、何の問題も起こりえないと思っていた。
とある高速道路のSAでトイレ休憩をとった。
俺は別に催してはいなかったが、彼はトイレに寄り、その後飲み物を買いたいとのことだった。
俺は別にトイレ休憩は必要ではなかったので、彼の分の飲み物を買い、タバコ休憩をしてた。
友人である彼の車は当然手動でのアクセル・ブレーキコントロールができるタイプの車だった。
そして友人自身、車椅子が必要な人だったので、駐車場では身体障害者用駐車スペースを利用していた。
もちろん車体には身体障害者標識(いわゆるクローバーマーク)を貼り付けてた。
友人はひとりでトイレに行き、俺は前述どおり飲み物を買い、先に車に戻っていた。
そこでトラブルが起こった。
俺はあくまで補助であり、運転手たる友人が車椅子なんだかた
身体障害者用スペースに駐車するのは問題ないと思っていた。
しかし「善意の第三者」が、先に車に戻った俺に対し文句を言ってきた。
「健常者ならここに停めるな」「ここは身障者用の駐車スペースだ」云々と。
何か言い換えそうかと思った。でも言い返せなかった。
言い返そうと思えば言い返せたけども、少し離れたところから俺の友人が見てた。
そこで言い返せば友人を傷つけるんじゃないか、と。
「善意の第三者」が去ったあと、友人が俺に言った。
「身障者がいるからここを使ったんだ。それの何が悪いんだ、って言えばよかったのに。」って。
そんなこと言えるわけないだろう。
その話はそこで終わり、それから他愛もない話をしながらドライブをしたが
彼はそれ以降身体障害者用駐車スペースは使わなくなった。
身障者スペースではなく、駐車場の遠くの隅の方の、がら空きのところに停めるようになった。
別の友人が彼に「なんで身障者用スペースを使わないのか?」と聞いたとき、こう答えたそうだ。
「俺一人のときなら問題はないだろうけど、
友人と一緒にドライブに行ってるときとかだと、その友人に迷惑をかけることになる。
その友人が迷惑に思っていなくても、そういうトラブルが起こると俺がつらい」
スーパーやホームセンターなんかにいくと、
車椅子マークやクローバーマークを貼った「健常者の車」をよく見ます。
彼らに対し、一言言ってやりたいと思うことは多々あります。
でも、ぼくは彼らに何も言えません。
彼らが本当に「健常者だけ」とは限らないから。
同乗者が身障者、というなら先に同乗者を下ろし、車は普通駐車スペースに停めるってこともできるでしょう。
でも、そうとも限らないケースもあります。
だから彼らに何も言えません。
でもだからこそ逆に
身体障害者用駐車スペースは本当にそこを必要としている方のために
開けておいてもらえませんでしょうかね?
もし「あいつらは頭が障害者だから」と蔑む方がいるなら
そこは侮蔑ではなく、哀愁で見てやってほしい。
そして身障者スペースに、恥知らずにも堂々と停めている健常者の方。
SHINE。