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無伴奏チェロのブログ一覧

2011年08月30日 イイね!

LEXUS RX って どうよ

LEXUS RX って どうよ









ピカソだって、イチローだって、進路で悩んだに違いない。


小学生の時、通っていた絵画教室で先生に褒められたことがある。
TVにも紹介され、学校でのあだ名がピカソになった。
以降、図工と美術の成績はずっと5で、提出作品は全て何らかの賞をもらった。


親父の影響で野球好きだった俺は、ずっとプロ野球選手になりたいと思っていた。
高校進学で、甲子園を狙える私学に行くべきか悩んだが、結局は地元の進学校へ。
部活レベルでの硬式を、3年の夏まで続けた。


今まさに大学受験を前に、俺は何者なのかという疑問にぶつかっている。
勉強が好きで大学に行くなんて訳もなく、進みたい学部も定まらず。
勉強してこなかったことを棚に上げて美大受験なんてのも、俺自身許せない。



自分の人生は自分が決める。
自分は何が出来、何をして食べてゆくのか。
当たり前のテーマに、正面から向き合ってゆかねばならぬ時期なのだ。


担任の先生は言う。
就きたい仕事に最短の学部学科を選んで受験せよ。
大学は、なりたい大人になる第一歩。


そう言われても、どんな仕事に就けるかもわからないのに決められないだろ。
例えば美大を出ても、絵描きでは食べてゆけない。
漫画家になりたいからって、大学出てなれるとは限らないし。


他人より少し優れた面があったって、その特技を活かした仕事があるかは不明だ。
高校までの教えてもらう勉強から、大学は自ら学ぶ場になるという。
自分が働く姿を想像できないから悩むのかもしれない。



身近な大人に聞け。
これまでは、ただ何となく雰囲気で察して進路を決めてきた。
親父に聞くのが良いとわかっていても、なかなか言い出せないでいる。


俺の親父は、自動車部品関係の会社に勤めている。
地元の少年野球チームのコーチを、俺がいた頃からずっと続けている。
休みになると朝から出かけてゆき、なかなか話す機会がない。




会社が震災の影響で平日休みとなり、暇にしていた親父と出かけることにした。
ここしかないと、クルマの中で運転する親父に話しかけた。

「親父は何で今の仕事を選んだの?」

ステアリングを握り、前を見たままの親父が、静かに話し始めた。

「俺もずっと野球やってきたが、とてもプロになれるほどじゃなかったし。
 大学じゃオチ研ってのに入ってて、将来は落語家ってのも少しは考えた。
 でも、普通に働くってことは、簡単そうで大切なことだからな。
 会社に入って、給料もらって、家族を養うってのも大事なんだ」


俺、親父が会社でどんな仕事してるのかもほとんど知らない。
知っているのは、会社名と役職だけ。
夜遅くしか帰ってこない親父と、あまり話す時間もないし。


「親父の会社って、どんな仕事してんの?」

尋ねられた親父はしばらく黙っていたが、急に道路の縁石の切れた場所から
クルマを入れると、広い歩道の真ん中に停止させた。



うちのクルマは、レクサスRX270。
大きな荷物が載せられて便利なのと、視界が高くて気持ちがいい。
トヨタ車しか買わない我が家が、初めて買ったレクサスブランドだ。


クルマから降りて、前に来いと呼ばれた。
行くと、いきなりクルマの下に潜り込み、お前も寝ころべと言う。
並んで下へ潜ると、仰向けのまま親父が説明をし始めた。


「このクルマはFFと言って、前にエンジンがあり駆動輪も前にある。
 エンジンの下に見えるここの部品を造っているのが、うちの会社だ。
 このクルマで約2万点くらいの部品数が集まって完成品になるんだ」


これまでクルマの下に潜ることなんてなかった俺。
当たり前のことのように、クルマの構造を指差しながら説明する親父。
たった1台のクルマで、社会と人のつながりが見えてくるような気がした。



「おーい、大丈夫ですか?」

大きな声で呼ばれて横を向くと、複数の人の足が見えた。
ボンネットの下から這い出てくると、多くの通行人に囲まれていた。


轢かれたとでも思われたのだろうか。
隣りに並んで胡坐をかいている親父が、照れ臭そうに頭を掻いた。










Posted at 2011/08/30 19:48:32 | コメント(10) | トラックバック(0) | 暮らし/家族
2011年08月28日 イイね!

Audi Q7 って どうよ

Audi Q7 って どうよ










「運がいい」


私はこの歳まで、自分が運がいい人間だと考えたことすらなかった。
運不運を語る前に、自分に与えられた課題をこなす。
その結果として、今の自分があるということ。


例えば過去の試験や試合について。
本番で大ミスでもしない限り、結果は日頃からの実力だと思っている。
コンクールで落選しても、それは自分がレベルに達していないからだと。


うちのパパは口ぐせのように、自分は運がいいのだと言う。
何か良いことがあると、「ほら、運がいいだろ?」って。
そんなに喜ぶようなことかなって思うけれど、
楽しそうに「ラッキー」ってつぶやくパパを見てると、私も楽しくなってくる。



いつも呑気そうに笑顔でいるパパ。
忙しそうでも、しかめっ面をして悩んでる顔を見たことがない。
でも、人並み程度の生活は出来ているから、苦労もあるのかなと思う。


今日、家の車庫に新しいクルマが駐まっていた。
とっても大きくて、白いボディのアウディQ7。
パパ曰く、親しい友人から買ってくれないかと頼まれたそうだ。


まだ新しいであろう白い巨体は、海原を泳ぐクジラかシャチを思わせる。
座ってみるとシートは上品だけれど、室内空間は特別広いと思わない。
でも、乗っていると分厚いボディに守られ、包まれているような感覚だ。



アウディってドイツ車だし、きっと高いに違いない。
それに、これはパパが欲しかったクルマなのだろうか。
パパに聞くと、笑って「いいんじゃないか」だって。


「頼まれごとは、試されごと」
これもパパの口ぐせで、知人に頼まれたら必ず「喜んで」と答えるのだとか。
つまり、このクルマも頼まれたから買ったってことらしい。


「凄く損する場合もあるんじゃない?」と尋ねたら、「そうかも」だって。
良くも悪くも、類は友を呼ぶ。
運や出会いは、日頃のご縁で手元にやって来るものなのだそうだ。



最近パパと話していて、少しだけわかってきたことがある。
運がいいって、裏を返せばどれだけ一所懸命に努力しても報われないことがある
ってことを知ってるってこと。
だから、努力が結果として報われた時に、運がいいと口にする。


それくらい成功するって難しいことなんだとも思う。
何度も落胆し、普通なら諦めるようなことであっても、続けることが当たり前。
努力したからといって、必ず良い結果が出る訳じゃない。


でも、いつか日の目を見ることがあれば、それは運がいいと思える。
苦労を家族に見せず、そっと「ラッキー」とつぶやく。
それがオトナなのかな。













Posted at 2011/08/28 14:09:38 | コメント(8) | トラックバック(0) | 暮らし/家族
2011年08月23日 イイね!

MAZDA RX-8 って どうよ

MAZDA RX-8 って どうよ









「ここのホテルの朝食、ビュッフェスタイルのバイキングで結構いけますよ。
 ご一緒にいかがですか?」

最初、カレが何を言ってるかわからなかった。
オトコに、それも露骨にお泊りを促されるなんて、初めてだったからだ。
簡単に口説けるように見えたとしたらどうよと思うが、誘われて嫌な気はしない。



おひとり様を覚悟してから、一人暮らしも長い。
戻っておいでと言ってくれていた両親も、弟夫婦との同居を決めた途端、あからさまにオミット。
今さら実家もないけれど、生きた証しと言えるほどの仕事かと自ら問えば虚しい。


合コンに呼ばれるほど若くもなくなり、出会いもないまま時間だけが過ぎて行く。
婚活と言ってしまえばお気楽な時代だけれど、人に会いに出かけるのも結構億劫。
実際、ひとりで不便なことなんて何もない。


この歳でオトコに騙され貢ぐなんて、ありえない。
貯めたお金は、私の老後のためのもの。
煩わしい思いをするくらいなら、ひとりでいた方がよっぽどいい。



ネットのメルフレ検索で出会ったカレ。
今どきは年齢認証が必要だなんて、知らなかった。
ふとした日常を共有できる健康的な男性を希望、と書いて登録したのだ。


すぐに、たくさんのメールが届いた。
カレのコメントは、気配りと良心に自信ありというものだった。
趣味はクルマとスポーツ観戦、ちなみに愛車はマツダRX-8だと書いてきた。


エイトは後部座席にバッグも置ける4シーターのスポーツカー。
マニアックだけれど大好きな1台。
大人のセンスを感じさせる選択だと思う。


話題も軽快で嫌味もない。
プロフでは私より5歳若く、慣れた感じでお会いしたいと言ってきた。
あまり遅くない程度の時間と、安全な場所を設定。



待ち合わせたホテルのロビーに、ノータイのスーツ姿で現れたカレ。
詐欺師のようでも想像していたプレイボーイ風でもなく、爽やかな風貌。
私は結構若く見られるが、カレは年齢よりは老けて見える。


喫茶ラウンジで飲みものを頼み、お互い初対面での第一印象を話す。
と、いきなりお泊まりのお誘いときた。
会ってまだ15分といったところで、展開の速さにちょっと驚く。


純粋なメルフレ希望だけれど、会って誘われるのはやぶさかでない。
忘れかけていたとはいえ、やっぱ私も女だなと思う。
何の準備もなくお泊りなんてありえないが、電車のあるうちに帰れば全く問題ない。



「もしかして、セフレをお探しでしたら見当違いですよ」

安く見られてるとしたら癪だし、警告するつもりで言ってみる。
もちろん、大人のジョークで切り返してくることを期待して。
ここで軽く笑いがとれれば、楽しい夜が待っていたはず。


「ソレ目的の隠れ主婦が多いので、誘わないと失礼かと思いまして」

主婦ですか? 私が?
既にじゅうぶん失礼なんですが。
真顔で話すカレの言葉に、返す言葉が浮かばず席を立つ。


私がサイトの使い方を間違えたってこと?
それとも普通のことなのだろうか。

イマドキの主婦たちよ、同世代として恥ずかしいんですが。










Posted at 2011/08/23 17:16:39 | コメント(7) | トラックバック(0) | 趣味
2011年08月19日 イイね!

LEXUS CT200h って どうよ

LEXUS CT200h って どうよ








ありがとう。

一緒にいると、口癖のように彼が何度も口にするこの言葉。
毎日何回も聞かされる側の私にしたら、ちょっとした驚きだ。


料理が出てくる度に、ワインが注がれる度に、レジでお金を払う時も
笑顔で相手を見て口にするこの言葉。
私が彼を好きになったのは、そんな小さな彼の仕草だった。



私が医者を目指したのは、ありがとうと言われる仕事がしたかったから。
エスカレーターで大学まで上がれる女子校にいた私。
あえて受験を選んだのは、周りより勉強ができたからという単純な理由。


この女子校では、成績により進む学部が違う。
上位2割は英文科へ、下位は家政科へ。
それでも外から入ってくる学生とのレベル差は、かなりの開きがあるらしい。


中学から大学まで、余程のことがなければ落第はない。
日舞や楽器、乗馬といった習い事を生活の中心にしている友人が多く、
海外への留学や、家族旅行のため休学する人もいる。


校則は厳しいけれど、勉強以外に学ぶ価値を見出す視点には好感が持てる。
井の中の蛙とわかっていても、挑戦したくて医学部を受験。
結果こうして医者になれたのも、校風が良かったからと今も思っている。


自分が望む立ち位置も、上を見出したらキリがない。
逆に言えば、つまらない比較で卑屈になる必要なんて全く無い。
与えられた器の中で、自分の得意な面を活かそうと考えることは大切と思う。



友人の紹介で出会った彼。
カッコイイ訳ではないが、物腰が低く、ていねいな言葉遣いが好印象。
人の話を聞いては、上手く次へと引き出すように受けてくれる。


いわゆる聞き上手で、自分の話をするにしても決して自慢はしない。
これまで私の周りにはいないタイプ。
親の職業や、学歴をひけらかすこともなく、失敗談も平気でさらけ出す。


多くの人は自分中心に意見することが多いが、彼は聞き手の姿勢を崩さない。
自分がどう思うかよりも、求める答えを相手に促すように話を振る。
カウンセリング手法として、学ぶ点が多いなと感じるほど。



そんな彼に、私の次のクルマの候補について尋ねてみた。
レクサスCTとルノーメガーヌ、ボルボC30のいずれが良いだろうかと。
彼のそれまでの穏やかな表情が一変、腕を組んで眉間に皺が寄る。


ルノーはカッコ良いが、メンテナンスがちょっと。
貴女の場合、呼び出されたらすぐに駆けつけなくちゃなりませんし、
その際の信用に少し欠ける気がします。

その点、ボルボなら多少の事故でも安心とは思うけれど、
ここでC30を選ぶなら、ゴルフやBMWという選択も出てくるはず。

この3台で安心の1台と言われると、僕はCT200hをお勧めしますね。
ハイブリッドのハッチバックは小さいが乗りやすいし、飽きない気がします。

細かく言えば、BMWを真似してMと同じくFスポーツってのがある点が、
いかにもあざとくて個人的には許せないですね。

でも、きっとトヨタ社内で販売からの圧力とかあったのでしょうね。
売れなければ理屈も無意味な世界ですから。

オプションで、フロントライトをハロゲンからLEDに出来るという点は、
少しでも低価格で初期設定をしなくちゃならないお家の事情なのでしょう。



何でこんなに詳しいのかということに、私は特別興味ない。
主観たっぷり、人が変わったように雄弁な彼を見て、おかしくて笑ってしまった。
クルマ好きなんだね、きっと。











Posted at 2011/08/19 12:47:22 | コメント(11) | トラックバック(0) | 趣味
2011年08月08日 イイね!

RANGE ROVER VOGUE って どうよ

RANGE ROVER VOGUE って どうよ











そこは、思っていたよりずっと立派な野球場だった。
コンクリートで造られた、バックネット裏の観覧席。
1塁側、3塁側に、それぞれ屋根付きのベンチまである。


市営グラウンドとまではいかないにしても、簡素ながらナイター設備。
外野にはスタンドと区別できるようフェンスまで設けてある。
外周の高いネットも本格的なものだった。


郊外とはいえ、これだけの広さの土地を維持管理するのは並大抵ではあるまい。
会社の福利厚生施設であり、一般市民にも無償で貸し出されているという。
地元と強く結びついた会社である証しだと思った。


ここの会社の社長であるY君から連絡をもらった時は、
これほどの規模の会社だとは知る由もなかった。
Y君とは若手経営者が集まる会の仲間で、一緒に呑み歩いた時代があった。
歳は私より5歳上で、男前だったことが強く印象にある。



月1回の研修を重ねるその会で、僕は彼と出会った。
仕事のつながりを持つための会ではない為、業種や職種は話題にならない。
経済や景気の話になると、それぞれの業界ではどうかといった報告がある程度。


上下関係も無く、歳が違ってもお互い○○君と呼び合っていた。
Y君はさっぱりした性格で落ち着きがあり、高倉健のようだと思って見ていた。
地方の会社の3代目で、親の急死で慌ててあとを継いだと言っていた。



真夏のグランドの外野で、麦わら帽子に地下足袋姿のY君を見つけた。
腰には白いタオル、真っ黒に日焼けした肌は、ゴルフではなく草むしりだと笑顔で言う。
少し西に傾きかけた炎天下での帽子の影に、彼の白い歯が眩しかった。


経済的な危機に直面した彼は、会社の資産、個人の資産を処分していった。
それでも、このグランドはどうにかして残したいと考えていた。

「社員は切りたくないし、彼等も状況を理解して必死に働いてくれている。
 僕ができるのは、金策と掃除と草むしりくらいなんだよ」

これまで外注で頼んでいたグラウンド整備を、仕事の合間を見て自らやるY君。

「少年野球で子供達も使うからね。 除草剤は使いたくないんだ。
 経費削減って思ってたけど、昼間は暑さで目が回ってくるんだよ」


良家のボンボンだと思っていたY君の噂を、他の友人から聞いたことを思い出す。
学生時代に父親が急死し、大学を中退して親の会社を継いだらしい。
厳しい状況を乗り越えた経験が、彼の親分肌的気質に表れていると。


あれから5年、今もあのグラウンドにはY君の会社名がついている。
地下足袋に麦わら帽、白い長袖シャツに手ぬぐい。
笑顔で古いレンジローバーに乗りこむY君の姿が、僕の目に焼き付いている。




銀行からこの話が来た時、即答で引き受けると返事をした。

「公園である間は、利回りどころか持ち出し同然ですが」と、躊躇気味に話す支店長に、
「そちらの担保の足りない分は、自己資金で埋めますから」と答える。


うちの会社の近くにある児童公園の所有者が破綻し、任意売却される。
債権者である銀行から、肩代わりしてくれないかと依頼が来た。
市との契約期間がある為、すぐに用途変更ができないのだそうだ。


この話を聞いた時、頭に浮かんだのがY君のことだった。

「人のため、まちのためなんてセリフは人前で恥ずかしくて言えやしないが、
 自分と家族にくらい誇れる生きかたがしたいんだよ」

Y君と呑んだときに聞いた、彼のセリフ。
笑って話す彼の眼には、厳しかった当時の様子が映し出されているようだった。


僕もいつかY君のように、こっそり誰かのために喜ばれることができたら。
そのチャンスが、今、巡ってきたのだと思った。
話を聞いた妻は、にっこりほほ笑んでくれた。


今度、娘を連れて3人で遊びに行ってみようと思う。













Posted at 2011/08/08 11:00:24 | コメント(7) | トラックバック(0) | 暮らし/家族

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