2010年02月17日
トルマリンチューンの考察
貧乏なので、この手のアイテムに飛びつきそうになる。
そして、そこそこ調べた。
調べたことをズラズラと書くと異常にくどくなるので、まず要旨から。
(要旨)
トルマリンという鉱石は電気石と呼ばれ自然の状態で帯電しやすいというのは周知の事実。しかし、世に出回っている用法については、コピペしすぎて情報が劣化したマユツバものが多数存在する。特に、『車の燃費を向上する』というのはネットに情報がいっぱい落ちているが、どれもかなり胡散臭い。
しかし、貧乏な割には暇がある私はあえて乗っかってやることにした。
以下、100%主観のくどい文章。
○トルマリンについて
トルマリンには主成分金属の違いによっていろいろな色の物が存在する。単純に帯電しやすい物で選ぶなら、ショールトルマリン(黒いやつ)を選べばよい。
また、トルマリンにも宝石用とか工業用とか、ゴミとかランク付けがされている。
トルマリン鉱石は、どの種類もミネラルとなる元素をいっぱい含んでいる。
ダイソーなどで扱っている安い物は種類もランクも分からない。
○トルマリンの特殊な物性について
・太陽光(太陽風中の電子)を吸って分極し、静電気を帯びる。分極した状態で水に接触すると水を電気分解する。電気分解された水は水素イオン(+)と水酸イオン(-)になり、水素イオンはトルマリンからさらに電子を貰って水素ガスとなり、水酸イオンは水と結合しH3O2イオン(-)になる。よって、電解された水は弱アルカリ性に変化する。
→マイナスイオン効果を求めるならば、太陽光が必須となる。
・圧力が加えられると分極し、静電気を帯びる(圧電効果)
→圧電素子は実用化されている。
・加熱や冷却によって分極し、静電気を帯びる(焦電効果)
→安眠枕は圧電効果と焦電効果が働いていることになるのかな。人が帯びる不快なバチバチを中和するかもしれないが、「マイナスイオンで」と謳っているのはダメポ。
○トルマリンの効能
・マイナスイオンを発生する。
→△:太陽光+水という条件で○になる。
・水クラスターや塩素(カルキ)を分解し、水をおいしくする。
→○:クラスターや塩素の分解よりも、ミネラル溶出による効果かと。
ただし、ミネラルウォーターに好みがあるよう、まずい水にもなりうる。
→×:飲食用の適切な種類を選ばないと腹を壊します。
・農作物や植物の育成を助ける。
→○:ミネラル溶出による効果を最も発揮させる使い方。
・還元作用があり、防錆効果がある。
→×じゃないかなぁ。電子を放出してるっていうなら話は別だけど。
・遠赤外線を発生する。
→?:ちょっと調査不足。温浴効果はミネラル溶出による効果もでかいかと。
・電磁波を吸収、減衰する。
→×:真っ赤な嘘説が圧倒的。
・H3O2イオン(-)による界面活性作用
→×:アンモニア水やカセイソーダ溶液が強力な界面活性剤ってことになってしまいます。
・美肌効果
→△:安物(ゴミクラス)には亜鉛分が多いとのこと。適量使えば○、摂り過ぎはヤバイです。(亜鉛サプリも一緒)
・消臭、抗菌、鮮度保持
→×:トルマリンにはニッケルや銀が入っていません。ひょっとしてボロンが効いているという話なのかな。消臭性は多孔質物質(炭やセラミック)に練りこまれていれば発現しますが、それってまんま多孔質物質の性質だよね。
本題)
○トルマリンチューニングについて
エンジンルームへの応用では太陽光が使えません(爆
熱、振動、電磁波が充満するエンジンルーム内はトルマリンが活性化しやすいと謳っているが、活性化=静電気を帯びるであって水素ガスやイオン放出ではない。多くの人はこの辺のトリックにつまづいている気がする。
というか、また電磁波が出てきたなぁw
1)ダイソーチューン方式
一時期異常に蔓延したので、やり方はググればすぐ見つかる。
・銅板を積層
→トルマリンの帯電効果を銅板積層することによって打ち消してしまっているようにしか見えない。(せっかく分極した電子を逃がし、分極を中和し、効果が薄れる)
・アルミ板でマイナスイオンを反射する
→アルミ板にそんな効果があるとは初耳です。赤外線を反射する性質は世の中で多数使われていますがね。
・この積層ユニットをアーシングすると効果が上がる
→太陽光の代わりにバッテリーから電子供給してもらうって意味か。
・ホースの外側に取り付け
→トルマリンは空気中の水分とも反応するというのは事実っぽい。つまり、トルマリンの表面反応。トルマリン表面で発生した水素ガスやマイナスイオン(水分子サイズ)がホースを突き抜けて吸気系内に入るというのは物凄くしっくり来ない。(ガスが漏れるようなホースは要交換だ)
2)増☆くん方式
エアクリーナーボックス内にトルマリンカードと磁石で作ったオブジェを入れておく物。燃費が凄く改善され、マフラーエンドから大量の水がしたたり落ちる。
主観的には支持してあげたいが、納得行かない点も多数ある。
出来合いは3000円とお安いが、今のところ突撃勇者になる予定なし。
・エアクリ内に入れることで、直接マイナスイオンと水素を燃焼系に取り入れられる
→エアクリ内に入れる=太陽光とは程遠い、アースもしてない・・・電子源はどっからだろう
→フィルターから後ろの配管内に異物を入れるのはやっぱり気が引けます。
・大量の水がマフラーから
→炭化水素(ガソリン)は燃えて水蒸気や二酸化炭素になるというのは義務教育で誰もが習う。よく見れば普通の車からも湯気が出るし、始動直後で排気系が暖まっていなければ水蒸気が冷却されて水になる。よって、厳密には増☆くんのおかげかは区別が付かない。
→仮にトルマリン効果で発生する水素が燃えて発生する水が倍になったとすれば、一回の燃焼でガソリン分子の約9倍の体積の水素分子が燃えたことになる。微弱な電流を発生するに過ぎないトルマリンから、そんなに大量に水素が発生するとも思えない。
→仮にそれが事実だとして、従来ガスに水素追加でそのまま行けたなら、水素1分子あたりの発生熱量はガソリン1分子の1/360なので、パワーが2-3%上がります。実際には混合比がかなり変わるはずなのでパワーダウンは免れないでしょう。というか、エンジンが壊れそう。
3)マフラーに1)を巻く
マフラーは熱いので焦電効果はあるでしょう。それによる排気ガス中の静電気除去については疑問です。トルマリンじゃなく、銅やアルミを巻く事による放熱効果のほうが効いている気もする。
→熱ガスを冷やして体積を縮めて抜けを良くする、出口の気圧が下がって中間のフンヅマリガスが引っ張られる等々
予想通り長文駄文になってしまいました。
(モヤモヤは吐き出さないとすっきりしません・・・)
とりあえず、近いうちに1)を応用して何かできないか遊んでみたいと思います。
上のくだらないウンチクをぶち壊してくれる結果が出れば、それはそれで大歓迎だったりします。
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もうそう族のタン壷 | 日記
Posted at
2010/02/17 00:59:05
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