ナローの時計をグリスアップ

最近、ナローの電動（？）機械時計の遅れが目立ってきたので、久しぶりにグリスアップを行いました。

ナローの頃は、まだクオーツ式時計が普及する前でしたので、車載の時計も機械式です。
その為、定期的な清掃とグリスアップが必要になります。



清掃前の時計のメカ部分。



歯の部分の黒い汚れや、軸受部分にゴミが付着しているのが見えます。
（クリックすると拡大）
これらを綺麗にして、新しい油を塗布するのが今回の作業。


クリーニングの方法は、呉のエレクトリックパーツクリーナーをギア部分に吹きかけて、汚れをふき飛ばし＆洗い落とし。




文字盤側に溶剤が回らないよう、ギアを下にして吹きかけます。
汚れをしっかり落とさないと意味が無いので、溶剤がしゃぶしゃぶで滴り落ちるくらいたっぷりと掛けます。

電磁石と抵抗、はんだ付け配線があるので、自分は電子部品用クリーナーを使ってますが、普通のパーツクリーナーでも大丈夫かも？(^^；、やる時は自己責任でね




汚れが落ち、溶剤が乾いたら、次はグリスアップです。



ホームセンターで買ってきたスプレー式のシリコンオイルでギア全体にオイルを塗布します。

これも、文字盤側にオイルが回らないよう、ギアを下にしてスプレーします。



スプレーで塗布すると写真のようにしゃぶしゃぶになり過ぎるので、ギアの噛み合う部分・軸受部分以外のオイルは、ティッシュペーパーでこよりを作って吸わせます。

元々動いていた時計ならば、これでグリスアップは完了です。



自分の場合はここでひと手間掛けて、メンテナンスの期間を延ばすために、針を使って軸受部分にグリスを塗布します。
これには「傷見」や「スタンド式拡大鏡」などの両手が使える拡大鏡が必要です。

個人的には、いかにも時計を修理している感が強い、傷見がおススメ。
毎日使う訳でもないので、500円程度の安い物で十分です。


（アマゾンで、腕時計・傷見で検索すると、いくつかヒットします）



もし、オイル塗布だけで復活しなかった場合は、機械時計の動力源にあたるスプリングが弱っている可能性があります。
（電気はスプリングを引っ張って力をチャージする為に使っているだけで、時計の駆動はスプリングが元に戻る力で動いています）

その場合、スプリングを固定しているレバーを、ほんの少し外側に引っ張ってやると、力が強くなって動きやすくなります。






あと、機械時計は進み具合をネジで調整するようになっていますから、メンテナンスが終わったら再調整してあげましょう。
２４時間の誤差を±２０秒くらいまで追い込む事ができます。


以上、プアマンズ時計メンテ法でした。