ウィンカーポジション または ウイポジ
ヘッドライトも含めて電装系にいくつかカスタマイズを入れている身としてウィンカーポジションはカスタマイズメニューの中でもお手軽で好きです。しかし保安基準上どうなのか? 要は公道を走っていたらパトカーに制止されるレベルなのかどうかというところをはっきりさせておかないといけません。
保安基準を実際に読むにはここ。
国土交通省 道路運送車両の保安基準
その中で、ウイポジ関係は以下の車幅灯に記載があります。
・
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2009.10.24】〈第二節〉第 123 条(車幅灯)
・
道路運送車両の保安基準第2章及び第3章の規則の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示【2009.10.24】第 32 条(車幅灯)
しかしその表現で曖昧なところがあり、国語の苦手な方々の色々な解釈がネット上に散乱していて、ホントウのところどうなのかが今ひとつ良くわからない状況です。そこでネットを徘徊してみて、皆さんが多く論争や解釈の数が多く気になられている点について、保安基準と照らしあわせてみてみたいと思います。
まず、根本的な疑問として、ウイポジはやっていいのかいけないのか、があります。
・ ウイポジはちゃんと「認められている」
結論は認められているが正解です。これはきっちり車幅灯の条項に記載があるので間違いはありません。車幅灯の保安基準記載に以下の項目があります
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第 123 条 二
車幅灯の灯光の色は、白色であること。ただし、方向指示器、非常点滅表示灯又は側方灯と構造上一体となっているもの又は兼用のもの及び二輪自動車、側車付二輪自動車並びにカタピラ及びそりを有する軽自動車に備えるものにあっては、橙色であってもよい。
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よかったよかった、と安心してはいけません、もちろん「ただし」書きが沢山付きまとっています。
・ウイポジの灯火色は「橙色」で統一されていること
・純正車幅灯(LEDアイライン含む)と同時に光らせてはダメ
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第三十二条
二
車幅灯は、次の基準に適合するものでなければならない。
イ 車幅灯は、夜間にその前方三百メートルの距離から点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること。
ロ 車幅灯の灯光の色は、白色、淡黄色又は橙色であり、そのすべてが同一であること。
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車幅灯の色は「白」「淡黄」「橙」のいずかれで、同一であることが条件ですが、方向指示器の条件とANDを取ると、ウイポジは橙色しか選択肢が無くなります。しかも複数色が認められない ということで純正のポジションが光ってしまったらダメってことになります。
前期ヘッドライトならポジションのバルブを引き抜けば成立しますが、後期ヘッドライトのアイラインLEDだけをカプラー加工などで光らないようにしなければいけません。
・USDM化のサイドマーカーはありなの?
こちらは結論はNG ということが答えになってしまいます。
それはサイドマーカーが車幅灯としての基本の点灯基準を全くもって満たせていないことが明白です。
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第 123 条
一 車幅灯は、夜間にその前方 300m の距離から点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること。この場合において、その光源が5 W 以上で照明部の大きさが 15cm2 以上(平成 18 年1月1日以降に製作された自動車に備える車幅灯にあっては、光源が5 W 以上 30W 以下で照明部の大きさが15cm2 以上)であり、かつ、その機能が正常な車幅灯は、この基準に適合するものとする。
・・・
三 車幅灯の照明部は、車幅灯の中心を通り自動車の進行方向に直交する水平線を含む、水平面より上方 15 °の平面及び下方 15 °の平面並びに車幅灯の中心を含む、自動車の進行方向に平行な鉛直面より車幅灯の内側方向 45 °の平面及び車幅灯の外側方向80 °の平面により囲まれる範囲においてすべての位置から見通すことができるものであること。
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USDM好きな私にとって個人的にはこれが残念でなりません。
・ドアミラーの側方ウィンカーをウイポジ化はどうなの?
これも「完全にNG」です。上記123条の車幅灯の見通せる場所の要件を明らかに満たせていません。
・車高の低い後期側はNG!?
後期プリウスで要注意なのが、車高ダウン車がウイポジをするとそれだけでNGになる可能性がある、ということです。それがわかるのが以下
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第 123 条 三-二
二輪自動車、側車付二輪自動車並びにカタピラ及びそりを有する軽自動車以外の自動車に備える車幅灯は、その照明部の上縁の高さが地上 2.1m 以下、下縁の高さが地上 0.35m 以上となるように取り付けられていること。
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プリウスの後期ウィンカーはバンパー下部に縦長の構造になっています。また日本仕様のウィンカーユニットでは、発光部分がレンズの最下部まである、と解釈されるそうです(D確認) なので車高を下げると、その部分が35センチ以下になってしまい、NGとなります。
まぁ、車高を下げすぎている方からすると、そもそも保安基準なんてクソ食らえ的な人が殆どだと思いますので気にするところではないのかもしれませんが。
次の疑問、点灯・点滅パターンについて、様々なオレオレ解釈が蔓延っていますが、結論は、
・方向指示器として点滅時は、
指示器側は 完全点灯ー完全消灯 の点滅
※ 反対側は 点灯状態 維持
・ハザードとして点滅時は両端が
完全点灯-完全消灯 の点滅
です。
保安基準としては以下が該当しています。
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第三十二条
四
方向指示器又は非常点滅表示灯と兼用の前面の両側に備える車幅灯は、方向指示器又は非常点滅表示灯を作動させている場合においては、前号ヘの基準にかかわらず、方向の指示をしている側のもの又は両側のものが消灯する構造でなければならない。
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・減光による点滅は認められない
まぁこれは方向指示器の要件としてもNGなので、理解は難くないと思います。
・「点灯維持・消灯」論争の原因は保安基準の係り受けのわかりにくさ
そしてよく論争が起こる解釈として、 ウィンカーの片側点灯時の反対側は点灯しなきゃいけないの?消灯しなきゃいけないの?という論点があります。
上記の保安基準の文章では「両端のものが消灯する構造」の係り受けが「方向指示器」にかかっているのか、「非常点灯表示灯」にかかっているのかがわかりにくく、いくつものオレオレ解釈が展開されています。
ここに関して国土交通省 自動車交通局技術安全部技術企画課に実際に質問してみた、という記事を見つけましたので、その内容を引用しますと、正解は「非常点灯表示灯」にかかっているので、通常の方向指示器の動作に関しては逆側はポジション機能を維持する必要がある でした。
http://www.amodova.com/jp/blog/article/blinkerp.html
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|Q、兼用式等では方向を指示している側の車幅灯のみを消灯すればよいのでしょうか?
| A、その通りになります。
| Q、両側のものが消灯する構造とは、「非常点滅表示灯を作動させている場合」にかかる言葉ですか?
| A、はい。方向指示器が点滅する箇所は混同をさけるために、車幅等を消灯してくださいという意図です。
との事でした。ということで方向を指示している側だけを消灯する、が正解のようです。
例えば、ウィンカー兼用のポジションを点灯させた状態で、車後方からみて右側(日本では運転席側)のウィンカーを作動させた場合、 同じ右側(運転席側)のポジションだけを消灯させる、反対側(左側・助手席側)は点灯させたままにしておく ということですね。
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ということで、だいぶ頭がすっきりしました。
今使っているウイポジユニットは点灯パターンの基準上はOKなのですが、今の私のヘッドライトのカスタマイズのサイドマーカーに使ってしまうとアイラインと共存ができないので、全然ダメ ってことになります(汗)
締めとしてはテンプレ的で申し訳ないですが、
・最終的には公道ではお巡りさん、車検では検査員の判断で OK NGの判断が出るということ
・公道を走るときは点灯させるLEDをちゃんと保安基準適合になるよう切り替えスイッチなどで操作できるようにしておくこと
をして、LEDカスタマイズ生活を楽しみましょう。
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Posted at
2015/03/21 06:07:31