2009年12月21日
映画”TAXi”の500E
500が登場する映像作品ってそうはないと思う。
(当時のベストモータリングかなにかに出ているらしいが、いまさらVTRデッキを引っ張り出すのも……)
自分が知っている唯一の作品は、映画”TAXi”だ。もう10年以上前の作品なんでネタバレとか気にせず書いちゃうが、ドイツ人の銀行強盗団”メルセデス”(笑)が2台の500Eで銀行を荒らしまわり、主人公のタクシードライバー、ダニエルは改造プジョー406でそれを退治する、というおバカなカーアクション映画である。
この作品を見たのは単純にベッソンプロデュースだったからで、それこそ公開初日くらいの勢いで見に行ったとは思うものの、その内容について事前に詳しく紹介されていたわけではなかったはず(もちろん、カーアクションであることは知っていたが)。だから当日、スクリーンに2台の500Eが大写しになったときは、心底ビックリしたことをよく覚えている。10年以上前のことなのでさすがに忘却の彼方だが、きっと鑑賞後、連れに500Eのことを熱く語ったんだろうなぁ……
で、TAXiに登場する500Eのこと。この作品では強盗後に逃亡するため、ボディの色替えという単純にして大胆なトリックが使われている。トレーラー内にクルマを隠し、速乾性の塗料を吹いているのだ。犯行前はソリッドっぽいレッド(印象的にはシグナルレッド)で、犯行後の逃走時はシルバー(印象的にはブリシル)だ。
劇場で見たときの印象は「レッドよりシルバーのほうがカッコいいな……」程度だったのだが、後にDVDを入手してから何度か見直していると、どうも単純な色違いとは思えないようになってきた。そこで注意して観察したところ、ただ塗料を吹いているのではなく、意外と細かい芸を使っているのである。
それはタネを明かしてしまえば簡単なことなのだが、フロントのウィンカー。犯行時のレッドボディではクリアウィンカーを装着しているのに対し、シルバーでは500Eノーマルのオレンジウィンカーに変わっている。これでだいぶん印象が違うのだ(シルバーのほうがカッコいいと感じたのは、この当時から自分は前期好きだったためらしい)。なお劇中で特にウィンカーユニットを交換する描写があるわけではないものの、ペイントを吹くときにきっちりルーフモール周りをマスキングしてるあたりも、よくわかっていらっしゃる(笑)
劇中での500Eの活躍についてはyoutubeでも見てもらうとして、他にもサーキット走行シーンがあったり(ASRをカットしてあるのか、カーチェイスシーンも含めタイヤスモーク上げまくり)、ダニエルが500Eの写真を見てフロントフェンダーについて述べたり(あくまで字幕なので、元の台詞がどうなっているのかはわからないけど)。時代的には、これ1997年作品(日本ではたぶん1998年公開)なのでE50でもよかったと思うのだが、製作陣もただ悪役ドイツの象徴としてW124を使ったのではなく、それなりの意味があって500Eをわざわざ選んだのであろう。500Eムービーの傑作といっても差し支えないと、個人的には思う。
あと気になるのは、この撮影車、ホントに500Eなのか、それとも500Eルックなのか、ということ。映像から受ける印象はルックとは思えないのだが……一箇所、インテリアが映るカットがあって、そこでは海外版カタログで見かけるエアバッグレスのスポーツステアリングが装着されていることがわかるんだけど。
どうでもいいけどこのエアバッグレススポーツステアリング、広報写真でしか見たことないけど、はたして装着車はあるんだろうか。本国ではエアバッグはオプションだったのかなぁ?
世界は広いから、このTAXi仕様の500Eを2色作って並べてるマニアもいる……かな?個人的にはホイールがいまひとつ気に食わないけど、リアウィングはコスプレとしてありだと思う(笑)
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Posted at
2009/12/21 00:45:18
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