
2021年06月16日にブログ掲載させて頂きました2台の「HANDIE-TALKIE」に加え、最近ですが、3台目を入手致しました。今回は米国モンタナ州から送ってもらいましたが、程度は今までで一番厳しい物でしたが、何と!電池をつないでみましたら直ぐに動作致しました。およそ70年前の機器にも係わらず普通に動作したので驚きました。外観程度は最低でしたので、復元には大分苦労致しました。今回は受信・送信状況等を中心に動画を交えてご案内させて頂きます。モデルは以前のFHTRには変わらないのですが、70年前の1955年製造の最終型と思われます。最終型はスイッチ部分が異なっております。また、アン大変珍しいテナにはLOW-BAND専用のローディングコイルが付いておりました。大抵の場合ローディングコイルは紛失が多くので入手は極めて困難です。
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・以下の以前掲載の過去ブログを是非ご覧下さい。
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このセットはFHTRシリーズとして1948年から 1956年まで生産されました。
LOW-BAND(50MHzBAND)モデルがFHTR-シリーズ、HI-BAND(150MHzBAND)モデルがFHTRUシリーズで、共に低出力・ポータブルモデルです。このセットは1955年に製造されたハンドセットを使用すると自動的に電源が入る最終型のFHTR(LOW-BAND・使用周波数49.14MHz)です。回路は全てがモジュール化され、サブミニチュア線リード管が使用されています。下部の電池ボックスには高圧電源用に3個の "B "(67.5Ⅴ)電池とヒーター用の6本の "D "(1.5V・単一型)電池が収納され真空管に電力を供給します。本体にスピーカーは無く、取り外し式のハンドセットが上部のクレードル装着されています。
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YouTube
・送・受信の様子(動画)
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・簡易測定の結果、実測値は以下の通りでした。
出力:25dBm(約300mW)
変調遷移周波数:25 KHz(FM)
受信感度:-110dBm以上
感度がとても良いのには驚きました。
動画は、SG(信号源)で49.14 MHzを25KHz遷移、1KHz変調、出力-20dBmでアンテナから送信し、HANDIE-TALKIEのアンテナで受信した様子です。また、送信はHANDIE-TALKIEのハンドセットで変調を掛けてスペアナ受信した様子です。実測はSG.、スペアナ、HANDIE-TALKIEを同軸ケーブルで直結して測定致しました。
このセットは最近米国モンタナ州から送ってもらいました。
程度から見て、70年間納屋で埃を被っていたと言うイメージです。
場所はVictorと言う町で、想像を絶する様な森林地帯のど真ん中です。
HANDIE-TALKIEの殆どが米国森林局で使用されていた事も納得です。
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・「HANDIE-TALKIE」とは
1948年に発売された「モトローラ社製FHTR携帯電話」です。世界初の携帯電話で、今日の携帯電話の礎となった記念すべきモデルで1956年頃まで生産されました。
当時は一般的にはFM Radiophoneと呼ばれ、「HANDIE-TALKIE」(モトローラ社商標)の愛称で親しまれました。この頃モトローラ社は軍用無線機を主力商品として米軍に納入しておりましたが、太平洋戦争の終焉と共に同社は民間用の無線関連商品の開発に着手しました。米軍用小型無線機BC-611型をベースに「FM Radiophone」を開発し、米国政府関連や公共企業などに販売を開始しました。これが「HANDIE-TALKIE」と呼ばれる世界で最初の携帯電話となりました。主に、警察・消防・鉄道・市民防衛隊などで使われ、米国森林局国立公園のパークレンジャー(FOREST SERVICE)で最も利用されてこのモデルを基礎に現代の携帯電話へと発展して行きました。また、自動車電話はベル電話社が元祖で携帯電話はモトローラ社が元祖とその生い立ちも異なる様です。私はでっきり自動車電話から携帯電話が発展したものと誤解しておりました。
日本では、「ショルダーホン」、「ハンディホン」と発展し、現代の携帯電話に至ります。
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動作確認後、外装の整備が終了しましたので送・受信の細かい確認を行います。
入手直後の状態からかなり綺麗に改善出来ました。
49.14MHz FMシングルチャンネル LOW-BAND 、FHTRモデルです。
後期モデルの電源スイッチはハンドセッとの連動タイプで、受話器をクレードルから
外すと電源が入ります。この部分は当初、錆や固着などで程度が極めて悪かったの
で直すのに苦労しました。
ハンドセット、コネクタやカールコードのクリーニングにはとても苦労しました。
LOWーBAUD用のローディングコイルが装着されております。
非常に出来の良いオリジナルのローデングコイルです。
コイル、アンテナ部分は多くの固体で失われてる事が多いので、今回はラッキーで
した。
3個の "B "(67.5Ⅴ)電池とヒーター用の6本の "D "(1.5V・単一型)電池です。(6本の "D "(1.5V・単一型)電池は金属プレートで隠れていて見えません。)
1955年2月1日の製造で、70歳です。
入手直後の様子で、70年間の歴史を感じさせる風化した外観です。
入手時に、とても直ぐには動作しないと思ったのは不思議では無い程度です。
また、家庭用機器と異なり、産業機器は相当使い込まれています。
電源スイッチですが、入手時にはこの様に酷い錆で状態は良くありませんでした。
受話器のコネクターは錆で覆われ、固着の為に脱着出来ない状態でした。
モトローラ製品では最も気に入った製品の一つなんで、都合、3台になりました。
1920年代から流行り出し、1950年代に黄金期を迎える米国ドライブインレストラ
ンでの「Carhop Serves(カーホップ)」と呼ばれたデリバリーサービスの様子です。
ローラースケートでのサービスが大きな話題になりました。
その後、店舗型ハンバーガーチエーンの台頭で衰退しましたが、50Sブームもあ
って復調の兆しがあるそうです。因みに日本では沖縄に1店舗あるそうです。
当時のドライブインでの「Carhop Serves(カーホップ)」の様子で大人気でした。
駐車場まで-オーダーを取りに来てくれます。トレーがとても良い感じですね!
オーダーはモトローラ製の「HARDY-MICRO-TALKE」を使用して、は無線で厨房
に送られます。カーサイドの着脱出来るトレーは斬新で便利そうですね!
「HARDY-MICRO-TALKE」です。欲しい機械ですね!
「HARDY-MICRO-TALKE」は送信機能のみで、受信機能は無く、大変シンプルな
設計です。日本式に言えば「発令器」です。
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