
岐阜県と長野県の県境にある御嶽山が噴火しましたね。
急な噴火にもビックリですが、あの火山灰の量にもビックリです。
昔大きな被害が出た雲仙普賢岳の火砕流を思い出しました(泣)
残念ながら巻き込まれた登山客もいるようですね…(泣)
周りにも被害が拡がらなければいいですが…。
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さて、タイヤの空気圧について
前回250kPaで注入したのを
今回230kPaで注入したのが
ホントに適正なのか、考えてみることにしました。
現在セリカ純正のホイールに
205R15のタイヤを着けてて
標準は220kPaで表示されてます。
これから冬になると
0℃以下に気温が下がったりします。
気温が下がればタイヤ内の空気の
体積も気圧も小さくなるはずです。
逆に晴れた長時間の走行では、
タイヤの摩擦熱によって
タイヤ内の空気も60℃くらいに
温度も上がるはずです。
夏場だと高速でのタイヤ自体は、
100~120℃くらいになるとか…。
温度が上がればタイヤ内の空気の
体積も気圧も大きくなるはずです。
それでタイヤ内の空気の温度が
0℃~60℃の範囲でタイヤ空気圧が
どの程度変化するのか、
ちょっと理論的な法則で計算してみて
その空気圧が適正か考えてみました(笑)
ただ、数式を使って計算して
適正なのか調べたので、
数式が難しくて嫌な人のために
まず数式を使わずに先に結果を…(笑)
3つの場合について調べました。
(1)気温25℃で標準の220kPaで
空気を注入した場合のタイヤ空気圧は、
高速走行時で60℃になった場合で246kPa、
冬の気温0℃でのタイヤ空気圧は202kPaになりました。
これが標準と言うことになりますね(笑)
(2)今回気温30℃、230kPaで空気注入したので
高速走行時で60℃になった場合で252kPa、
冬場の0℃でのタイヤ空気圧は
207kPaという結果になりました。
(1)と比べてそんなに変わりないと思います。
(3)前回は気温25℃、250kPaで空気注入したけど、
高速走行時で60℃になった場合で279kPa、
冬の気温0℃でのタイヤ空気圧は229kPaでした。
計算結果より、(1)の標準は問題無しですが、
冬場で気温が高い30℃の時に注入したので
10kPa高めで入れてみました。
数値的には標準とそんなに変わりなく
問題ないと思います。
しかし(3)の場合はチョット高過ぎだったかな…(泣)
したがって冬に向けて入れる時には
10kPa高めに入れようと思います。
また空気を注入する「時の気温が何℃なのか、
冬に向けて注入か、夏に向けて注入か、
色んな条件を考えながら気圧を調整して
注入した方が良いと思います(笑)
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ここからは、その結果を導いた計算ですが、
あまり数字を見たくない人は
これより先は読まなくても良いですよ(笑)
タイヤ空気圧の計算に使ってみたのは、
高校の化学・物理で出てきた法則(笑)
『 PV=nRT 』…①
「理想気体の方程式」です(笑)
P(圧力),V(体積),n(モル数),R(定数),
T(絶対温度=273+気温℃)
nとRは定数なので①式を変形して
PV/T=nR (一定)…② になり
P(a)×V(a)/T(a)=P(b)×V(b)/T(b) という
『ボイル・シャルルの法則』の式ができます(笑)
つまり、「圧力Pは、体積Vに反比例し、
絶対温度Tに比例する」という法則です。
比例関係とは、
「一方(P)が2倍、3倍…となると、
もう一方(T)も2倍、3倍…と大きくなる」関係ですね。
したがって、
「温度Tが高いほど気圧Pが高くなる」ということです。
また反比例関係とは、
「一方(P)が2倍、3倍…となると、
もう一方(V)は1/2倍、1/3倍…と小さくなる」関係です。
したがって、
「体積Vが大きいほど気圧Pは小さくなる」ということです。
話はもどり、
さらにVを一定と考えると…
上の②式を変形して
P/T=nR/V (一定)より
P(a)/T(a)=P(b)/T(b)
『シャルルの法則』の式ができます。
つまり「圧力Pは絶対温度Tに比例する」という関係です。
まぁ、実際はタイヤの体積は
若干変化はしてますが…(汗)
比例関係では
比の関係式が利用できるので
P(a) : P(b)=T(a) : T(b)…③
という関係式が利用できます。
それで、この③式を使って
実際に計算してみると…
※比の計算は内項の積と外項の積は等しいので
a : b = c : d → a×d = b×c
が成り立ちます。
④空気圧2.2㎏/c㎡(220kPa)、気温25℃で注入した場合、
車を走らせてタイヤの温度が
60℃に上がった時の空気圧P(b)は?
③の式に代入して
2.2:P(b)=(273+25):(273+60) より
P(b)=2.2×333÷298=2.46㎏/c㎡(246kPa) ですね。
⑤空気圧2.2㎏/c㎡(220kPa)、気温25℃で注入した場合、
冬場に気温0℃になった時の空気圧P(b)は?
同じく③の式に代入して
2.2:P(b)=(273+25):(273+0) より
P(b)=2.2×273÷298=2.02㎏/c㎡(202kPa) になります。
(※前回ブログでも説明しましたが…、
1Pa(パスカル)は、1㎡の面積に1N(100g重の力)で押す圧力で、
1hPa(ヘクトパスカル)は気象の単位で100Paに等しく
(ヘクトは100倍の意味、キロは1000倍の意味)。
また1㎏/c㎡は、1c㎡の面積に1㎏重の力で押す圧力で
大気には約1㎏/c㎡の圧力がかかってます。
つまり1c㎡あたりに1㎏の力がかかっています。
海抜0mでの大気圧は、
1000hPa=100kPa(キロパスカル)=1㎏/c㎡=約1気圧になります。
正確には1013hPa=1気圧ですが…。
台風とかで、中心気圧が970hPaとか使いますよね。
よって、200kPa=2㎏/c㎡=約2気圧なので、
大気の2倍の圧力があるということですね。)
今回は気温が30℃くらいの暑い昼に
空気圧2.3㎏/c㎡(230kPa)で空気を入れたので
P(a)=2.3、T(a)=273+30 として
④⑤を計算してみると…
④気温30℃、空気圧2.3㎏/c㎡で注入した場合、
走行中のタイヤの温度が60℃の時の空気圧P(b)は?
③の式に代入して
2.3:P(b)=(273+30):(273+60)より
P(b)=2.3×333÷303=2.52㎏/c㎡(252kPa)
⑤気温30℃、空気圧2.3㎏/c㎡で注入した場合、
冬場の気温0℃での時の空気圧P(b)は?
③の式に代入して
2.3:P(b)=(273+30):(273+0)より
P(b)=2.3×273÷303=2.07㎏/c㎡(207kPa)
で、数値的にも
ちょうどイイくらいの値かな…(笑)
これを気温25℃、空気圧2.5㎏/c㎡(250kPa)で注入した場合は
④走行時のタイヤの温度60℃での空気圧P(b)は?
③の式に代入して
2.5:P(b)=(273+25):(273+60)より
P(b)=2.5×333÷298=2.79㎏/c㎡(279kPa)
ちょっと高過ぎクリニックのような…(汗)
この状態ではタイヤが膨らみ過ぎて
タイヤの中央がすり減る可能性が出てきますね(泣)
たぶん圧力が高くなると、
タイヤの体積も膨らんで大きくなるので
その分空気圧は少しは下がると思いますが…(汗)
でもタイヤはかなり膨らんでいることになります(泣)
⑤気温25℃、空気圧2.5㎏/c㎡で注入した時、
冬場の気温0℃での空気圧P(b)は?
③の式に代入して
2.5:P(b)=(273+25):(273+0)より
P(b)=2.5×273÷298=2.29㎏/c㎡(229kPa)
寒い時は十分大丈夫ですが
走って熱持ってタイヤの温度が上がった時が高いので
若干入れ過ぎかな…(汗)
でも一応0.3㎏/c㎡(30kPa)
(10%以内)くらいのズレは
大丈夫のようですが…
よって、
空気圧が1.9~2.5㎏/c㎡
(190~250kPa)までは
大丈夫なのかな…(笑)
もちろん、この計算は
あくまでも理想気体での話で、
タイヤの体積は一定としての計算ですが…(笑)
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