こちらはコロナ生誕50周年の時に発行された冊子です。
初代コロナ(ST10)が誕生したのが1956年。クラウンという名車が誕生してから1年後でした。
当時はT20型の開発が待ち切れなかったタクシー業界のために、クラウンのタクシー用姉妹車であったトヨペット・マスター、クラウン、そして当時すでに型遅れであったS型エンジンの技術を終結して急遽開発されたようです。
このころからすでに、コロナの宿敵であるブルーバードの前身、ダットサン110/210型とはライバル関係に。
そうして誕生したコロナはたくさんの家族、乗務員とお客さんを運んできました。
1950年代、戦争が終わってから十余年にコロナは誕生しました。
そんな50年代後半は、大量消費社会の始まりともいえる時代でした。
冊子に掲載されていますが、1955年にはトランジスタラジオが、1958年には世界初のインスタントラーメンが、同年、日本電波塔(東京タワー)が完成。
ここでは1957年を代表する流行語として「デラックス」というのが取り上げられています。
この後、1960年代のT20系コロナ、S40系クラウンへと時代は遷移していきますが、
コロナもグレード名にデラックス、クラウンもグレード名にデラックス、S40系最後期にはスーパーデラックスと、どれも「デラックス」が入っています。
1960年代に入るとテレビはカラーに、レトルトカレーが誕生、東京オリンピック開催など、歴史に残る出来事がたくさんありました。
1960年、カラーテレビと同じ年にデビューした2代目T20系コロナは日本初のカラーCMを放送。
3台目T40/50系コロナは直線的なデザインとなり、2ドアハードトップが追加された。
また、1967年にはトヨタ1600GTが登場。ボディはT50系コロナハードトップ、エンジンは1600S搭載の4RをDOHC化した9R型。ミッションは4速のGT4と5速のGT5が設定されました。
ここではあまり触れませんが、ゴールデンシリーズも忘れてはなりません。
本格的なマイカー時代にライバル「ブルーバード」を抜いて販売台数トップに立つことになります。この辺りから「BC戦争」が本格的にスタートします。
4代目T80/90系コロナはブラボーコロナという愛称で親しまれました。
当時、ライバルブルーバード510型がすでにSOHC、4輪独立懸架だったのに対してブラボーコロナはエンジンこそはSOHC(OHVの設定もあった)でしたが、足回りは依然として従来のコロナと同様であった。
デザインは当時の他車種と共通する部分が多く、あまりインパクトはありませんでした。
1970年代に入るとオイルショックが発生。これまでの大量消費から省エネ型へと移行します。
そんな中、5代目T100/110/120系コロナはデビューしました。
この型は通称「安全コロナ」と呼ばれ、CMでも衝突実験の映像などが用いられました。
5代目コロナが100/110/120と3種類あるのは、排ガス規制によって変更が行われたからです。
3代目、4代目コロナが2種類あるのはT40系が3代目セダン、T50系が3代目ハードトップ、T80系が4代目セダン、T90系が5代目ハードトップということでした。
ちなみにT60/70系は初代コロナマークⅡであり、T60系がセダン、T70系がハードトップでした。
この代からGTグレードが追加になりました。1968cc8バルブDOHCの18R-G(145ps)搭載でした。このエンジンはRX22マークⅡGSSと同じエンジンです。
18R-Gシリーズは18R-GR(レギュラーガソリン仕様140ps)、18R-GU(排ガス規制触媒付きTTC-C130ps)がありました。
6代目T130系コロナは1978年にデビューしました。
歴代コロナで唯一角4灯ヘッドライトを装備した6代目コロナは先代の安全性を引き継ぎ、より安全なコロナへと進化しました。キャッチコピーは「ゆとり安全」。
この代よりGTグレードのエンジンは18R-GEU(EFI135ps)の電子制御になりました。
CMでは「コロナは走る。ゆっくりも走る。」、「追いつけるかコロナに。」とアピール。
歴代コロナの中でも豪華なほうで、内装も高級感のある作りになっています。
後期型はほとんど見ませんが、後期になるとGTシリーズに廉価版のGTⅡが追加されました。違いは、内張りの大型ドアポケットの有無、ドア内貼りのファブリック張りの有無、GTはパワーアンテナ(電動)、GTⅡはピラーアンテナ(手動)、注文装備のパワーウインドウの設定の有無、マッドガードの有無、などでした。
後期になるとCMに登場するのはミスターこと長嶋さん。
エクストラサルーンBIG25のCMでは長嶋さんが犬と一緒にジョギングしています。
1980年代と言えば近所の某71チェイサーに貼ってある「昭和の時代は良かった。」の時代でしょうか。
7代目T140系コロナは1982年にデビューし、その後1986年にはみなさんも目にしたことがあろうYT140がデビューします。
T140系前期型のタクシー仕様はT140の形そのものでした。お客の乗降の際にピラーが邪魔になるということで、タクシー専用車になると、ピラーがものすごく立ちます。
そんなT140系コロナ、ロジャー・ムーア出演のド派手なCMは「舞台は主役を待っていた」、「舞台は主役のためにある」、「スーパーヒーローより愛をこめて」などのキャッチフレーズとともに様々な演出があり、コロナとは思えないようなCMでした。
CMの最後にはロジャー・ムーアが「Have A Good Day!」と呼びかけます。
世界初の装備である「バックソナー」もCMに登場します。これは、超音波で後方に障害物があることを知らせるものです。
1982年1月、デビュー当初には18R-GEUを搭載した2000GTの設定がありました。歴代の18R-G型エンジンで唯一パワステ装備でした。
しかし同年10月に18R-GEUエンジンは廃止。RT141はわずか10カ月足らずの生産となりました。18R-GEUが廃止になり、変わりに登場したのが4A-GEU搭載のGT(AT141)、3T-GTEU搭載のGT-T、GT-TR(TT142)でした。
これまでツインカムのトヨタ、ターボの日産などと言われてきましたが、ここでトヨタが日本初のツインカムターボエンジンを導入し、ツインカムとターボの戦争は終止符を迎えます。
8代目T150コロナは駆動方式に新方式のFFを採用。2000ccのGTグレードが復活しました。搭載されたエンジンは3S-GEです。
T150系からセリカ、カリーナとシャシが共通となります。
このころのCMは面白いものが多いですね。
このコロナは「僕らの、引力。コロナの、引力」と5人がコロナに引っ張られるように斜めに体を傾けるCMでした。CMの最後には「コロナ FF 4ドア」と主張。
売れ行きはいまいちでしたが、5ドアのモデルもありました。3代目から続いた2ドアハードトップのモデルは先代のコロナを最後に8代目では採用されませんでした。
その代わりに、T160系のコロナクーペが発売されました。
9代目コロナはT170系。1987年に登場しました。
最初期のCMでは「何よりもコロナ。」と主張。
後に家族がハッピーになれるというような全く趣向の違うCMに変わってしまいますが…。
このコロナはまだ見かけることがあります。
9代目コロナにはボディをちょっと延長した「スーパールーミー」が登場しました。
トョペット店累計販売1000万台達成記念車として販売されたようです。
スーパールーミーはまだ見たことがないので一度見てみたいです。
5ドアにはSFというサブネームがつけられたそうですが、こちらも見たことがありません。
10代目T190系コロナ1992年に登場。ディーゼルが多かったイメージです。
「コロナ氏」が登場するCMは、当時としては先進的な映像だった気がします。
T190系からはコロナバン、カリーナバンはなくなり、変わりにカルディナが登場します。
T170系と比べるとベターなデザインになった気がしますが、カリーナ、カルディナとどれも同じような感じに見えてしまいます。ちょうど、90系マークⅡがデビューしたのと同じ年ですが、このころからボディサイズを3ナンバーサイズにして…という小細工が施されてしまい、車を大きく見せるためのデザインになってしまったような気がします…。
11代目T210系はサブネームにプレミオの名前が与えられ、1996年にデビューしました。
先代のコロナよりはスマートなデザインになった気がします。ただ、6代目や7代目のころは上級車であったコロナマークⅡを意識した部分もありましたが、このころになってくると全く別の車になっている気がします。

2000年代に入り、時代は21世紀に突入しました。
そんな21世紀最初の年、2001年にプレミオがデビューしました。
コロナの後継として登場したプレミオは、コロナのシャシコードを受け継ぎ、T240系
最近の車のCMはなんだかあまり魅力を感じるものがありません。
コロナ プレミオという名の先代よりも、より洗練されたという意味合いでプレミオだけになったんでしょうか。
この辺になってくると最近の車のはずなのによくわからないことが多いのであまり触れられません。
2007年にはフルモデルチェンジをして、コロナから数えて13代目、T260系になります。
T240系に比べると一回りボディサイズが大きくなったような気がします。
現行型のプレミオは、個人的には先代よりも好きです。
一度、東京お台場で現行プレミオを間近で見る機会がありましたが、ちょっといい車が欲しいとき、これなら上級のマークXじゃなくても納得できるような気がしました。
さて、これはおそらくトョペット店に置いてあったカタログだと思います。
先日の北海道オールドカーフェスティバルで、仲間内でコロナの話をしていると、近くで話を聞いていた人に「プレミオもどうですか」というお言葉と、この冊子をいただきました。
なんだかすごく長くなってしまいましたが…。