昔は大手宅配業者の路線便と言えば前2軸後1軸の大型車が多かったですが、最近はどこの大手も前1軸後2軸の所謂引きずりと呼ばれる一番オーソドックスなタイプや4軸低床に置き換えられて来た気がします
前2軸といえばタイヤの本数が8本と少なくかつ転がり抵抗が少なく燃費やコスト面で有利な他、ロングホイールベースによる直進安定性、短いリヤオーバーハングによるホーム付けの容易性などで路線屋さんには好まれる仕様でした
しかしながら、デメリットとして通常仕様で積載量9トン強程度、総重量20t、軸配置を若干ずらした増トン仕様でも積載11トン総重量23トンまでと積載量が取れない点、小回りが効かず道中などでの取り回しのしにくさ等からか最近減っていっている気がします
積載量で13~14トン程度取れる前1後2軸車や、より容積が確保出来る4軸低床に移行していってますね
最近はあまり売れないからかふそうなんかは2009年にスーパーグレートの前2軸の生産を辞めてしまいましたしね
しかし、大手の車は前2軸のスタイルを長年見慣れているだけに、それ以外の車型はどうもまだ新鮮に映ります
では各社の最近の路線車や一部の地場集配用の大型車を見ていきたいと思います
まずは宅配便と言えば宅急便でお馴染みヤマト運輸さんやその関連会社
かつては日野の前2軸ばかりの印象でしたが、最近は現行プロフィアの前2軸なんかもいるものの、クオンやギガの引きずりが増えてきた印象ですね
ちょっと新鮮に見えた先代最終ギガのヤマトカラーの引きずりギガのCYL、白キャブのショートキャブは結構見ますがこの仕様は珍しいかも…
分かりづらいですが、ハイルーフなグラプロも引きずりのFRがいたり…
車庫に並ぶ車もかつてほど前2軸はいなくなってます
過去に何度かネタにしましたが、ビックリ案件の4軸低床
ヤマトさんとくれば次は西濃さん…本体は相変わらず前2軸だらけなのですが、関連会社や一部の支店では前2軸以外も…
チャーター便の関連会社西濃エクスプレスさんのグラプロFW、このカラーと言えばショートキャブの前2軸FNの印象が強いですが、4軸低床だと一層カッコ良く見える気がします
本体でも四国の支店は引きずりがお好きなのか四国ナンバーでよく見るグラプロFR、荷台の仕様はバンボディにスライド収納出来る観音などしっかり西濃仕様を踏襲
それでもここは圧倒的にまだまだ前2軸以外はかなり少数で、新車も前2軸ばかりなので西濃さんがある限り日野は前2軸を生産し続けそうな気がします
ここは大昔は前2軸もいましたが、かなり早くから4軸低床の導入に積極的だった佐川さん
異形の4軸の時代から庸車も含め多くが4軸低床だったように思います
ここの車の面白い所は雑貨バラ積みに関係からか最大積載量重視より荷台容積確保のために4軸低床を採用している感じで、じっくり見ると少しレアなGVW20トン車や23トン車が多いです
積載量を見ると結構な確率で9トン強だったり11~12トン程度だったりします
あとはバラ積み時に必要なセンターローラーを荷台に付けると、荷台床が少し上げ底になって高さの内寸がそれに若干食われるのでその影響も強そうです
昔はいすゞの前2軸が大半のイメージだった福通さん
10年位前からショートキャブの3軸低床に移行しているように思います
車種は先代や現行ギガのCYYやグラプロや現行プロフィアのFQが多い印象です
安易に4軸低床にしないあたり重量での積載確保というより容積とランニングコストの両立でこのような車種選定でしょうかね
しかしながら見掛けてビックリした案件、クオンの4軸低床CGなんかもいたり…めちゃ違和感でしたが、これはこれでカッコいいです
あとはくまのマークでお馴染み名鉄さん
ここは前2軸メインでたまに引きずりや4軸低床がいる印象でしたが、最近は引きずりばかり見る気がします
メーカーは圧倒的にふそうが多かった印象ですのに、最近はいすゞメインで日野なんかもいるのが意外でした
かつてのフットワークから外資系に華麗な転身、トールさん
現行スーパーグレートの4軸低床FSやクオンの引きずりCDなんかを見かけます
フットワーク時代か引き継がれた紅白カラーの上からトールの緑ステッカーを貼った前2軸のドルフィンプロフィアや810や初期の先代ギガあたりがつい最近まで頑張っていたような印象ですが最近はトールカラーのキレイな車が増えましたね
九州方面から全国への久留米運送さん
こちらもドルフィンプロフィアの前2軸FNばかりの印象でしたがビッグサムの引きずりCDが…
最近はビッグサム自体見掛ける機会が急激に減った気がしますが、今見るとこの角ばった武骨なデザインが魅力的に見えます
一時期ここの傭車仕事させてもらってました、岡山の有名どこ岡山県貨物さん
ここも昔は前2軸メインでたまに引きずりがいるかなくらいでしたけど、引きずりばかりになりましたね
しかしながら、本拠地に行くとまだまだレトロな車が地場車で活躍しているのが素敵です
一昔前のここ車はサイドバンパーが特徴的なデザインの相互車両のウィングに導風板も長谷川工業のウィンザーZみたいな仕様なので独特のオーラが分かりやすく、放出された中古車が他社で塗り替えられて活躍してても分かりやすい気がします
メーカーはふそうが大半でたまにUDのイメージでしたが、最近は日野が増えたような…
東北からは第一貨物さん
こちらもスーパーグレートの前二軸FTが大半でたまに引きずりのFUがいるかなって印象でしたが、車がふそうメインの関係上前2軸の生産が終了してからは引きずりばかりに…
写真はかなり前にスパグレのFTじゃなくてFUがいる…と珍しく思って撮った1枚です
こんな感じでかつては長距離輸送の花形みたいな印象だった前2軸車でしたが最近は他の車型に取って変わられてきた印象ですね
緩和車の台頭で多くの大型車が総重量25トンになったのも大きいんでしょうね
特に積載を取る分で不利なのでコンプライアンス重視でより積載量が取れる車が好まれ、25トン枠をフルで使える車型に移行したと思われます
路線屋さん以外ですと自動車部品関係も昔は前2軸の幌ウィングみたいな仕様が多かったですが、最近はそれも4軸低床が増えてきたように思います
またチャーターなんかの一般の運送会社でも最近は容積や荷台の内高が高く取れる4軸低床が主流になって、高床や中低床すら昔と比べて減ってきたように思います
明らか10年ほど前と比べても前2軸車は一部の路線屋さんとその傭車会社、タンクローリーでくらいしか見なくなってきたので、代替が進むとさらにレア度が増しそうな気がします
うちの会社でもかつてはエスラインギフさんやトナミ運輸さんなんかが前2軸で来てましたが、今やどちらも代替で引きずりになったので今は前2軸で来るのは西濃さんだけになりましたね
日野のTC登場以降国内ではもてはやされた前2後1軸車ですが、ここ10年位急速に見る機会が減ったように感じます