7月のある日。茶封筒に便箋数枚の入った手紙が僕宛に届いた。差出人は見覚えのある名前だ。 以前、ブログにも取り上げた事のある元部下からだった。住所は地方に移っている様だが間違いない。互いに前職の全盛期時代にがむしゃらになって生き抜いた同志だ。「社長、僕もがむしゃらに夢を追い続け、やっと小さな城と守るべき家族、そして起業して1年経ちました。」同封された写真には彼が前から欲しいと言っていたセプターワゴンと共に、良き理解者であるパートナーと微笑み合う彼が写っていた。数枚の便箋には、ぎっしりと今までの紆余曲折から思い出話まで。。。僕らにしかわからない色んな事が書いてあり。。。文末には「そんな訳で…うまく言えないですが…今は凄く幸せです。」「社長、いつか遊びに来てみて下さい。ピカピカのセプターワゴンで僕らの街を案内しますから。」そう締め括られていた。 互いの性格もわかるからこそ、すぐに会おう等の半端な約束はしない。 それも僕らにしかわからない繋がりだったりもする。ただ、こうして数枚の便箋にしたためた手紙と写真は僕の心の真ん中を熱くしたことは確かだ。今日は、柄にも無く僕も便箋を買いに行こうと思う。うまく言えないけれど、手紙を書きたくなったからだ。果たして数枚で足りるだろうか。。。【おしまい】