さてさて、シンクロを処理したらメインとカウンターシャフトに組み上げるだけ。
ここで言い忘れましたが、ギアを分解して何を交換するかを決めたら先に部品を発注しておきます。
そこでパーツリスト片手にウンウン唸っちゃいました。
部品代がとても高い! 本当は気分的にシンクロ全てを交換したかったのですが、
そうすると部品代だけで軽く12万ぐらいしちゃいます(驚)
細かい事を言うと、シンクロが上下する際に昨日書いたように各ギア自身には
”噛みあうギア”があり、そこもシンクロ同様、若干丸まっているので、そうすると
ギア全部交換??? 冗談じゃない!ってな訳で、やっぱり自分で苦労して工具も
揃えた訳ですから可能な限り安く抑えたい。
でも、これで失敗すると大損になる。→やっぱりS○○ONのリビルトにすれば良かったか??
などと悩みながらリストを書き出して、ベストなパターンを探しました。
最終の純正部品代・・・・・¥57,052
内訳
ベアリング、パッキン、ガスケットなどのショートパーツ全て・・・・¥17,204
1⇔2ダブルコーンシンクロ・・・・¥23,900
2速ギア・・・・5,550
クラッチレリーズベアリング・・・・¥8,500
まぁ、クラッチレリーズはミッション部品代と捉えなければちょうど5万ぐらいかな~
元々このミッションの場合、1から2速が本当に入りが悪く、次は2から3速が悪いという
症状でした。 この場合、1⇔2シンクロが当然悪いのですが、よく見ると2速ギアの”噛みあいギア”
もただれている。。。 で、2から3にシフトアップする時というのは、1⇔2シンクロが
2から中立に戻り、と同時に中立にあった3⇔4シンクロが3速に入るという二つの動作が
シフトフォークを介して行われます。
それで3⇔4シンクロを見ると、それほど悪くないというか、例のバリ取り・端面処理をすれば
行けそうだったので、
最終的に1⇔2シンクロと2速ギアだけ新品にしました。
やっぱり、車でいうと2速ギアと3速ギアが最も使用頻度が多いギアな訳ですから本当は
3⇔4シンクロと3速ギアまで新品にしたかった。。。
でも今回は実験的要素と考え、上記の部品で行く事にしました。
それにしてもダブルコーンシンクロの値段には驚きでしょ!!
まぁ、シンクロはアッセンブリー購入な訳ですから、物と構成点数を見れば仕方ありません。
で、色々購入した工具代などを加えてもショップさんやリビルトにするよりはるかに
安く上がりました!(^v^)
で、新品のシンクロやギアも同様の端面処理を行って組み付けに入った訳です。
シャフトに全て組み付け後、マニュアルには各ギアの隙間測定やら色々あって一度だけ
測定してみたが、別に異常値もなく、面白くない。
思うに、ギアやシンクロやシフトフォークを目視して傷とか無ければ測定するだけ
無駄だと。 ただ一点、3速ギアだけ圧入組み立てされている部品なので
こいつの圧入がずれていないか高さ確認はした方が宜しいかと。
もっともこれがずれていたらTIGって動かないようにするしかない。もしくは
このギアだけ新品交換。
さぁ、今度はこれらのギアが収まるケース内部のチェックです。

ご覧の通り、シフトフォークが刺さる部分は金色にゴムコーティングされたブッシュがいっぱい。
私のはそれほどめくれたりささくれたりしていませんでしたが、距離が多かったり、ハード使用すると
ここがめくれて奥に詰まり、シフトフォークの上下動が渋くなると思われます。
めくれて奥に詰まるぐらいなら、いっそのことリューターではぐって取っちゃえ!とも
思いましたが、今のところそれほどひどくないのでカスを丁寧に除去したり、取れかけの
部分だけ剥がしてそのままとしました。
今後、再度開ける事があってどんどん取れているようでしたら逆に全部取っちゃっていいかも?
なぜかと言うと、このブッシュは単品では販売しておらず、ケースASSYでしか購入できない。
仮にブッシュだけ新品を見つけても全部カシメられているのでそれを取って再度カシメるのも
大変!! むしろキツクなるリスクがあるので、それだったら除去した方がマシなはず。
S2000のミッションは6速ゆえにケース内の油量が少なく、発熱が大きい。
すると熱膨張で各部の動きが渋くなるので除去の方がマシだと思います。
ここで心配されるのは油膜切れ。そうしたらブッシュ内部にスリットを入れてオイルが通るように
すればいいでしょう。
後は細かい砂落としとオイル穴の拡大。
拡大後の画像は取り忘れましたが、リューターで穴にあるバリを取ってオイルの通過を滑らかに
してやります。
これらの加工が終わったら念入りに洗浄します。
といってもこんな大きい物が入る容器などないので、
そうだ!サンドブラストをかけよう!と
思い立ち、ブラスト屋に持ち込みました。
プライベーターの味方レンタルブラスト!
不二製作所東京都江戸川区松江5-2-24
03-3687-2442
レンタル担当の今井さんや中島さんはとっても親切で良い人達ばかりです。
ここには各種サイズのブラスト機があり、ミッションまるごと入るサイズなどもあります。
今回はバラして、内側や接合面はマスキングをして持ちこみました。
せっかくの機会なのであらゆるこまごました部品も持ちこんだおかげで
1.5時間で¥5,460でした。
普通なら1時間で楽勝です(機械がいいから!)
写真を撮るのはわすれちゃったので加工後の写真だけです

新品のようにピカピカで気持ち良い~!!(^v^)
まるでド新品ミッションでしょ(笑) 全てピカピカなのでこれでようやく和室入り(爆
さてさて、全ての部品が舐められるほど綺麗になったので今度は
気合いのマイクロロン筆塗り焼き付けです!
巷ではあらゆる添加剤・コーティング剤・処理剤などのいわゆるゴースト商材が
凄い値段であふれています。溶かす・もしくは埋めるなど様々ですが、
ダメだと分かっても試したくなりますよねー。でも冷静にこれまでの内部構造を
見ると治るわけがないんです。プラシーボって感じ??
まぁ、PTFE系なら抵抗が減るという意味で悪くはありません。
でも、オイルに混ぜて注入してもあんまり分からないんですよね~
で、私の場合、原チャリレースからSP250時代を通してずっと自分でエンジンを
組んで戦ってきましたが、金属表面を熱してマイクロロンを筆塗り焼き付けすると
明らかに違います。 分かりやすいのはピストンピンをピストンに刺す時の抵抗などです。
全然違います。
でもやっぱりあくまで一時的な行為です。
スプリントレースなどではめちゃくちゃ有効ですが、しばらくすると焼き切れます。
ラジコンのベアリングやモーターの軸受けに使用すると劇的に回転数が上がります。
昨年はミニッツレースでも勝ちまくりました(笑)
おっと、横道にそれちゃいました。巷にはもっといいケミカルもありますが、ここはコストを
考えて長年愛用のマイクロロンの液体を使用します。
これまたボケた写真1枚しかありません。

ご覧の通り、和室の茶部台の上にカセットコンロと要らないフライパンを置き、ビールを飲みながら
ギアや各部品を一つ一つチンチンに熱してラジペンで掴んでマイクロロンを筆塗りします(笑)
マイクロロンって置いとくと沈殿して下に純トロの成分が溜まります。
こいつをプラモデル用の塗装筆で何度も何度も部品を焼いてから塗ります。
重点的に塗るのは金属の接触面ですが、特にシンクロやシャフト、そして数多くある
ベアリングです。
ギア同士の歯車の部分はやっても極圧が高いのですぐ切れるでしょうからあまり
意味ないかな?・・・
効果はラジコンほど期待できなくてもとにかくやってみたかった!
ビールを片手に4日間ほど毎晩(爆) 究極の自己満足ですね。
そのような訳で、脱脂した綺麗な部品達にマイクロロンを施した後に、和室で全部組み立てて
動作確認です。セカンダリーは付けずにシフトアームをあたかもシフトするイメージで各ギアに
入れて見ます。

マイクロロンのおかげか、油を塗っていないのに既にスコスコ。
でもシフトフォークはケースで両端を挟みこんで固定されるのであくまでお勉強程度としての
動きの確認です。
ここで大事な確認はシフトアームロッドのインターロック部分です。ここはシフト操作をする上で
手に直接感覚が伝わってくる部分の一つなので、過去のハードシフトで金属が擦り減ったり、
ただれていないかよく確認します。(私のはここは大丈夫でした)
と・こ・ろ・が!! 良く確認したつもりだったのですが、全てを終えて全部組み終わり、
液体ガスケットで封印して最後のトルクをかけてシフトノブまで組んで、後は車体に搭載するだけ!
というところでシフトを操作したら、3⇔4が劇的に渋い!!! 何度動かしてもダメ(泣)
一時間ほど繰り返しましたが改善されず。。。 泣きそうになって
amisに電話しちゃいました。
すると松浦さんは的確にその症状から問題箇所を指示でしてくれました。
”ATSさん、そりゃ~もう一度全バラだよ”
ガビーン(@_@;)
そして脱力感の中、再び全バラするはめになりました。。。
続く。。。