
この間、とある方と話していてタコ足について聞かれました。
そうだ、考えて見れば私の車における重要な各パーツに
関してはあまり話をした事が無かったなと思い、
これから取り上げて見ようと思います。
もちろん、これから書く事はあくまで私の主観・考えであって、鵜呑みにされても
困りますので”ATSはこういう風に考えているんだ~”という程度でご参考をお願いします(笑)
さぁ、どっから話そうかな・・・
まずはタコ足(エキゾーストマニホールド)について
私も若い頃からタコ足に関してはとてつもなく凄い技術の結集だと思っておりました。
86に乗っている時も、スチールからステンレス。4-2-1や4-1など様々なものをとっかえひっかえ
してその違いを体感ながら感じステージや仕様に合わせてチョイスしておりました。
最後まで入手出来ませんでしたが、上までトグロを巻くようにうねった等長のマニは試せなかった
のが残念でした。
さて、そのような経験から私にとってタコ足とは魔法の特性というか出力やフィーリングを変える
重要な要素の部品と位置付けしており、現在のっているエスは完璧に満足した逸品を装着したい
と乗り始めた頃から思っておりました。
ただ、誤解が無いように申し上げておきますと、エンジンの仕様や走るステージ、ひいては
エアクリやマフラーまで兼ねあってきます。
常にチューニングが進み、進化していくなら見直しの必要性もあるという事を
頭の片隅に置いて下さい。
余談ですが、若い頃バイク乗りだった私ですが、バイクも集合菅で大きく特性が変わるのは
周知の通り。
その中でも天下の
ヨシムラの集合菅は伝説的に優秀で有名ですよね。
以前、機会があってヨシムラのレース部門にお邪魔させて頂いた時、レース車両の製作現場から
数々の特殊パーツの製作現場を包み無く見せて頂いた事がありました。
(普通ではあり得ません。その時私はそういう立場の人間だったとだけ言っておきます)
昭和初期を感じさせる工場の中で最新の機会と職人さんも同居する凄い現場でした。
エンジンベンチや車両ベンチが何台も並び、常に回っています。
レースに向けては20台近くのエンジンが置かれてたりもしました。
当然、集合菅を溶接する職人さんやその中でもレース専用のエキゾーストを製作する
凄腕の上級職人も居ました。まさに伝説の職人です。
この機会に興奮した私は思わず立場を忘れ、色々と聞いてしまいました。。
”どうやったら最高のタコ足ができるんですか?” (おバカな質問ですね~)
”やはり経験と勘で最高のタコ足ができるんでしょうか?”
”等長やテーパーの他に何か特殊なワザでもあるんでしょうか?”
これらの質問に対して丁寧に答えてくださいました。
”形状は有る程度、長年の勘で造ります。それだけをやってきましたから。
でもだからと言って特殊な事は特にありません。
形状や溶接の仕方で割れたり折れにくいものを作れるというのは経験かもしれません。
そして、最高のタコ足という質問ですが、先ほど言った通り長年数多くのタコ足を作って
きた事からある程度の理想には早く近づきますが、そこからは正直数の世界です。”
ATS>
”数の世界??”
”はい、やはりどっちがマッチするだろうというのが出てきますので何パターンも
製作してエンジンベンチ、しいては車両ベンチにてひたすら確認するのみです。”
そこでその現場を拝見させてもらったらおびただしい数のタコ足がテストされていた。
(こんなの写真なんか撮らせてもらえる訳がありません(笑))
★結論
長年の経験と勘と技術が加味された上で、あらゆるパターンを製作し、
2種類のベンチにて実態を確認したなかで出来た最高の物が答え。
やはり、偶然の産物というのはあるそうです。
理屈では無いのに装着するとなぜか信じられない結果を出す1本が。
予算と時間もかかりますが、妥協無き情熱の元、テストを繰り返して
最高の逸品を選び出しているだけ。そう言ってらっしゃいました。
2種類のベンチと言いましたが、各社のベンチが何台もあるんです。
ローラー式や軸式など様々。ガソリンも市販のハイオクから秘密のレースガスまで。。。
きっとワークスなどのメーカーやF1などもこのようにひたすらトライアンドエラーを繰り返して
見つけ出しているんでしょうね。
当然、タコ足だけでこうなので、エンジンなんかはもっと凄かったです。
先ほど書いたように、レースに向けてエンジン室の同じエンジンが20基並んでいました。
どれもエンジン職人さんが一つ一つ丹精をこめてチューニングされたレース仕様の
スペシャルエンジン達です。
まったく同じ内容なのにこの20台を同様にエンジンベンチにかけるとやっぱりその中で
信じられないほど出力の出る偶然の1台が出てくるそうです。
それをレースで使うとの事です。
まさに数の理論ですね。。。
エンジン職人さんに聞きました。
ATS>”究極の当たりエンジンって自ら作り出せないんですか?”
職人>”やっている事は全部同じ。 あとは神のみぞ知る。”
ATS>”(@_@;)”
そして、この年(2007年)、ヨシムラは1980以来27年振りとなる総合優勝を果たし、
ワークスホンダの11連勝を止めた。
この時、私も8時間もピットの中に入れてもらい、8時間のドラマ、最後の優勝の感動、
そしてその後の祝賀会まで参加させてもらい、大きな感動を味わう事ができました。
プライベーターとして始まり、打倒ワークスの草の根魂をもつ有名なヨシムラ。
勝つ為の努力を見せてもらっていた私には偶然にしても
27年振りとなる優勝に立ち会え、大きな感動となったのは言うまでも有りません。
※この年のピットロードの優勝写真の中に私が居ます(笑) どれかはヒ・ミ・ツ♪

私をリアルに知っている人でも探すのは至難でしょう(笑)
なんか、横道にそれてまた文章が長くなっちゃいました<(_ _)>
続きは明日以降にさせて下さい。
次回以降にて私がどのようにタコ足をテストし、選定し、評価したかを連載していきます。
たぶん、めちゃめちゃ長くなりそうです(爆)