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ATS@AP1のブログ一覧

2011年05月13日 イイね!

S2000 水温・吸気温のリタード(補正)の真実 必見です。

S2000 水温・吸気温のリタード(補正)の真実 必見です。最近お友達から水温と吸気温の補正領域の質問
多いんです。

”何で!?”と聞くと、どこかのページで議論に
なっているんだか憶測や仄めかすような記述が
多いので何が正しいのでしょうか?との質問でした。

夏も近いので”温度”が気になる旬な時期ですもんね?



私の知識で良ければここに公開します。
お友達の皆さんは私を信じてもらえば間違いありません。
”ウソだ~”と思われる方は結構。どうぞスルーして下さい。

でも今日は文章ばかりで面白く無いかもしれませんが、でもエス海苔にはとっても重要な事を
惜しみもなく公開しますので2度と書きませんから熟読しておいた方がいいですよ。

さて、以前書いたように内燃機の30年の歩みの中で進化したしたうちの一つが”制御”の
進化です。

ことF20Cにおいては市販されているNAエンジンのベンチマークとも言える究極の高回転
ハイパワーエンジン。
春夏秋冬、どんな地域でも9,000回転&250馬力を発生させる為にホンダテクノロジーの
凄い研究と技術が注がれている一方、同時にそのエンジンはいついかなる状況においても
”リタード”や”A/Fフィードバック”などのECU制御によって守られています。

さて、いきなり小難しい話になりますが一般的に言われている”リタード”とは何か?
それは点火時期を”遅角”させる行為です。
遅角する事によってノッキング(異常燃焼)を食い止める訳です。
”封印”と言う言葉もありますが、それは壊れないようにエンジンを守ってくれる番人
のようなものです(笑)

でも実際は遅角だけではありません。
遅角させると燃焼室の排気温度が上昇します=ピストンが危険。
なので遅角すると同時に燃料も増量させています。=燃料冷却

従って(基本的に)リタードは遅角&燃料増量だと思って下さい。
※ここで基本時にと言うのは別途O2センサーも常に燃調を支配しているので
 A/Fフィードバックの効いている6,000rpm以下では燃調を減量させる事もあるでしょう。

そしてそのリタードが発動する条件は以下3点です。
① 水温
② 吸気温
③ ノッキング
※純正ECUは油温・油圧による制御は行っておりません。


昔から言われておりますが、ホンダエンジンはとにかく油温に強い!
(メカや設計思想がいい訳ですね。ブロックラダーなどなど)

油温が130℃を超えても全然平気。壊れません。160℃で走行しても大丈夫です。
そんな温度になると問題はオイルの方ですね。と言う事は良いオイルさえ入れておけば
心配無い訳です。※サーキット車両は安いオイルはだめよん。

ところが水温と吸気温には弱い。
弱いと言う言葉に語弊がありますね。いや、水温と吸気温をとっても重視し、
厳密に管理していると言えます。

①の水温はやはりエンジン自体の温度上昇。上昇し過ぎると金属がどんどん膨張して
 お互いのクリアランスが狭くなり、油膜切れや変形などでブローに近づきますよね。
 それを監視しているのが水温センサーです。
 ※水温センサーはインマニ本体のバルクヘッド側に刺さっています。(エアポンプ部の下)

②の吸気温度では流入してくる空気は熱い程膨張する=酸素密度低下
 スロットルから入ってくる空気が熱いと酸素が少ない為に燃料を少なくしなれば
 A/Fが合わない。
 パワー空燃費を保ちたくても保てないので燃料を少なくする一方、点火も遅角させていきます。
 冬は速いが夏は遅いと言うのはこの事ですね。
 ※吸気温センサーは周知の事と思いますがAP1はインマニの3番4番気筒の間。
   AP2はエアクリボックスとスロットルの間のインテークパイプに刺さっています。

③燃焼室で発生したノッキング(異常燃焼)を感知した瞬間にECUが認識してリタードが
 かかります。 ※ノッキングセンサーはシリンダー横のインマニ側中央に刺さっています。


これでノッキングが起こる条件が全て分かった状態でいきなりですが核心に行きます

①水温のフルパワー温度帯(センサーからのECU認識値です)
  AP1の場合
   80℃⇔90℃
   80℃以下だと進角。90℃以上だと遅角。
  AP2の場合
   80℃⇔95℃
   80℃以下だと進角。95℃以上だと遅角。
 
 
  ※80℃以下もダメです!
  よく巷でS2000は85℃からリタードが発生と言われてますが、間違ってはおりません。
  が!上述の通り、実はそれ以上なのです。

  ここで面白いのがAP1とAP2の違いです。
  部品番号からもわかりますが、まずセンサーが違います。
  センサー内部の抵抗値が違うので間違っても流用してはいけません(笑)
  そして何よりもFBW(フライバイワイヤー)から分かるようにAP1とAP2はECUの制御が
  全く違います。 完全に別物です。

  これは私の想像なんですが、REVを8,000回転に落としたAP2は回転上昇に伴う
  水温上昇が5℃程耐えられるようになったのではないかと。
  つまりREV(回転)が落ちた分、フルパワー域を広げられるようになったのでは?

  これは色々納得する部分もあります。 なぜかと言うと、筑波でAP2と走っていても
  AP2の方が連続周回に耐えている。つまり追いかけっこをしていると私のようなAP1の方が
  先にパワーダウンしてストレートで離されるようになるんです。(同仕様の場合)
  なのでこの数値はうなずけます。

②吸気温のフルパワー温度帯(センサーからのECU認識値です)
  AP1の場合
   40℃以上<になるとリタード

  AP2の場合
   42℃以上<になるとリタード


  これは巷の評判通りです。(AP2の方がわずか2℃ですが耐えてくれます)
  注意点としては、水温以上に吸気温の方が過激にリタード(遅角:パワーダウン)します。
  上記数値以下の場合は常にフルパワーマップに入っています。

  従って、エスの場合は吸気を制す者が勝負を制す(笑)
  これについては大昔から言われている事なので説明は不要かと思います。
  ただ、ここでもやはりAP2は2℃もAP1より耐えてくれる。
  何でもそうですが、後期型は色々な部分が見直され良くなって行くもんですよね!
  そして、センサーも水温センサー同様品番が違います。
  ※あれ?誰かAP1にAP2センサーを配線加工で装着して筑波で思いっきり遅くなっていた
  マシンがありましたよね(笑)なのでセンサーの互換性はありませんのでご注意を。

ここからは私の憶測と想像を書きます。
最も正しい”吸気温度”つまり入ってきた空気の正しい温度は燃焼室に入る直前。
つまりインマニのヘッド側。そして最も遠い3番4番気筒近辺が理想と言えます。
これが設計思想だったのではないかと思います。

ところが、インマニは厚いアルミの塊。周知の如く熱を持ってしまうので長時間走ったり
渋滞中は熱を帯びて実際の吸気温度より高い数値をセンサーは拾ってしまう。。。

センサー本体はガラス繊維入り樹脂で耐熱化しているとはいえ、想像以上の熱に
対応出来ず、結果リタードがかかりやすくなってしまったのがAP1。

テクトムCMX-100を装着して吸気温度を見ている方なら分かるかと思いますが、
街乗り渋滞中は信じられない数値になっていますよね!
と言う事は街乗りではフルリタード状態。つまりめちゃくちゃ遅い。
たぶん190馬力も出ていません。(でも、街乗りでは馬力は要りませんから)

そこでその反省から改善されたAP2は本来ならインマニ測定→反映をしたかったのでしょうが、
適切な改善としてアルミのインマニから隔離し、インテークパイプ(ゴム)に刺したのでは
ないかと思います。
その代わり、距離が長くなった分温度は実態から離れて行くのでその分、ECUの
燃調処理データもAP1とAP2では変わっています。

よくありがちな話で、メーカーも設計思想通りにいかず、納得して後期型では
改善してきますよね!?

AP1とAP2の位置の違いはまさにメーカーもインマニではなく、インテークパイプに変更
せざるをえなかったといえるのではないでしょうか?

ちなみにこの吸気温センサーと言うセンサーはわざと反応が遅いセンサーなので
困ったちゃんなのです。

水温センサーは反応速度が早く、数値が変わればすぐにECUも即座に処理しフルパワーに
戻るのですが、吸気温センサーの場合、水温センサーのように敏感にしてしまうと
アクセルの踏み直しのたびに燃調が目まぐるしく変わってしまうので
やや鈍感なセンサーにしてあるんです。(燃料タンクのフロートセンサーみたいですね)

と言う事は?? サーキット走行中にAP1ですと40℃になった途端、比例曲線で補正が入ります。
車速が上がり、流入してくる空気によってすぐさま40℃以下にもなりますが
それに対する反応(補正)は若干遅れ、結果としてすぐにフルパワーになっていなかったり
遅れて復活したりすると思われます。

ゆえに、40℃になったらやや手遅れ。39℃近辺で気付いたら速度を上げて冷えた空気を
取り入れて下げるのが理想かと。

つまり40℃を超えた数値でアタックをかけてはならないと言う事です。
(クーリングして38℃~39℃まで待つ!!(笑))
とはいえ、外気温が30℃ぐらいまでなら全開で走るサーキットでは吸気温度は
40℃以上にはならないのでそれほど心配は無いと私も考えておりました。

心配しなきゃいけないのはゆっくり走行していて吸気温度が40℃を少しでも超えた状態からの
アタックはちょっともったいない。。
まぁ、いずれにしても冬は40℃を超えないので何の心配もありませんよ。

かなり妄想を膨らませてしまいましたが、おおよそのイメージと言うか成すべき事が
お分かり頂けるかと思います。

以上がリタード条件の数値と説明でした。

なのでアタッカーの皆さんは、
 AP1の場合はテクトムCMX-100で吸気温度を常に表示してチェックする。(ATSパターン)
 AP2の場合はよく分かりませんが、TOUCHなどで吸気温を表示させてチェックする
のがよろしいかと思います。

ただし、ここで誤解が無いようにいっておきますと、このリタードが掛からない状態の
”フルパワー”状態にしたとしてもいつでも速いという事ではありませんから!

速さは吸気、つまり酸素密度に比例します。なので誰もが分かっているように真冬が一番速い。
上記の水温・吸気温はあくまでエンジンが危険域と判断されたら”守り”に入ると言うだけで、
いついかなる状態でも、O2センサーでECUは適切な燃調になるよう、燃料と点火を調整しています。

なので、リタード以前にエンジンにとって心地よい適切な水温(80℃~90℃)を保持するようにし、
入ってくるフレッシュエアーを如何に下げて吸入し酸素密度を上げるか?が
いつでもテーマな訳です。

リタードなんて正直、センサー側でいくらでも誤魔化す事もできるんです。

Say-yoくん、Kenちゃん、Let'sちゃんこれでいいかな??

で、これでお終いでは面白くありませんよね!?
理論・理屈・想像の能書きばっかり垂れてんじゃねーよ!と言う声が聞こえてきましたので
んじゃ、どうしたら良いのか?? と言う具体的な”チューニング”領域については
次号以降に書きます(爆)

それにしても写真が無いとツマらないでしょ。(俺も(笑))
考えて書く俺は大変だけど、みんな流し読みでちゃんと読んでくれないんだろうな~(-。-)y-゜゜゜

あっ!それと水温・吸気温がリタード域に入った場合の具体的な遅角数値に関しては、
どうしても知りたいと言う方がいたら諸事情によりメッセ対応とさせていただきます。
まぁ、値を知ったところで意味はありませんが。。。

今回はおいらだけのとっておき情報を完璧に暴露してしまったのでエス乗りからの
コメや反応が少なければこのネタの続きは書かないよ。
お友達限定のメッセ対応のみにしちゃうかも・・・
Posted at 2011/05/13 10:47:10 | コメント(23) | トラックバック(1) | 弄りネタ | クルマ

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「こっそり、ひっそりと更新(笑) http://cvw.jp/b/672400/34742903/
何シテル?   12/25 19:42
ATS@AP1です。よろしくお願いします。 プライベートでS2000を弄っています。 現在筑波サーキット(TC2000)を走り込み中☆ 同じ車種で弄ってい...
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