
ウチのF30 320dも納車から1週間が経過しました。
早速、和歌山県は御坊市まで遠征に行くなど順調に過ごしています。
走行距離は600kmを超え、このままのペースだと冬までには慣らし運転が終わりそうです^^;
この機会にファーストインプレッションを書きたいと思います。
例によって「点数」による区分とします。
~100点
・乗り味
コーナリング時も含めて奥で粘る、最新世代のBMWらしい足回りを持っていることは、試乗で受けた印象と変わりません。
タイヤは試乗車では未経験BSポテンザS001 RFT。硬めの銘柄ですが、路面とのコンタクトで角を意識することはありません。
荒れた舗装路をそれなりのペースで通過する際も、車体全体が大きく上下動することはなく、フラットライドを味わうことができます。
意外というか、今回気づいたのがハンドリング特性。
基本的にはニュートラスステアですが、初期の反応が早くオーバーステア気味な一面を感じました。
もう少しシチュエーションを重ねて感覚を掴みたいですが、現時点での印象とすれば、E87やE92のダイレクトな乗り味を上手く昇華させた、マイルドさとコントロール性を併せ持つバランスの良いセッティングだと思います。
・エンジン,走行性能
まだ慣らし段階で全てを書くことはできませんが、期待以上だと言えそうです。
1300rpmあたりでの振動がやや気になるものの、そこを抜ければス~ッと音が消え、滑らかな回転上昇と共に粒が揃うBMWらしい感覚です。
アクセルコントロールが容易な為、問題ありませんが、油断すると慣らし運転の制限回転数を超えるレスポンスの鋭さもあります。
組合せる8ATはスケジュールが絶妙で頭の良さを感じます。
街乗りでの加速時は2000rpm以下でテンポよくシフトアップしていきます。
シフトアップ自体はZFらしくキレがあり、伝達ロスはほとんど体感しません。
ショックは意識しない限りは分からず、慣れたドライバーが操作するMTのようなダイレクト感があります。
アクセルを踏み込んで加速する時は、狙った回転数でアクセルをスッと抜けばそこがシフトポイントになります。
この辺りの柔軟性もMTに近いと思います。
ロックアップ領域が多いスポーツATなので、構造上エンジンブレーキの弱いディーゼルエンジンとの相性も良さそうです。
上記のエンジン,8ATの効果もあって巡航性能はとにかく素晴らしく、ECO PROモードでも流れをリードすることは容易です。
緩やかな上り坂では、100km/hで1500~1600rpmという低回転を保ったまま走り抜け、大トルクディーゼルの真骨頂を味わうことができます。
燃費もアタリが付く前の「ど新車」かつ日常使いも含んで、18.85km/L(カタログ値97%)とこの先が楽しみです。
~90点
・パッケージング
BMWらしくポジションの調整幅が広く、運転姿勢は楽に決めることができます。
見切りや視界も良好で、サイズを感じることはほとんどなく、取回しやコーナリングでの安心感に繋がっていると言えます。
(ただし、ドアミラーが大きく狭い路地での離合や幅寄せは注意が必要ですが・・・。)
リアシートは高さや空間など、程よい包まれ感があります。座長も十分で移動空間としての居住性は文句なしだと思います。
特筆すべきはトランクで、スペースの使い方が素晴らしく、収めたい物を思った通りに収められます。
やはりパッケージングの王道は正統派セダンだと強く認識しました。
・ブレーキ
BMWらしく初期タッチから効き始め、ストローク量と効きが比例するタイプです。
ややストロークが長い気もしますが、ペダルの組付け精度は高く、安心して踏み込むことができます。
ダストは心配ですが、洗いやすいホイールなのが救いです^^;
M-SportブレーキとMパフォーマンス・ブレーキシステムが気になるので、あえてこの点数としました。
~80点
・オーディオ,iDrive
音圧の高い音源でも低音が籠ったり,高音が割れたりと言った印象はほとんど受けません。
音自体もセンター,フロントを中心に聴こえ、程よい包まれ感があります。
試乗車の標準オーディオで気になったAピラー付近からの低周波振動も収まっており、Hi-Fiの効果を感じます。
ボリュームを上げた時のクリアさが今一歩ですが、純正オーディオとしては満足できます。
「BMWの」と前置きすれば80点以上与えることができると思います。
iDriveは新世代に進化していますが、基本的な操作方法は変わらず。
ナビ設定時にはメーターパネルに主要案内が表示されますし、コマンド,表示情報の詳細化やショートカットといった実用性も強化されています。
カスタマイズ次第でかなり使いやすくなりそうです。
画面もクリアで見やすく、慣れてしまうと130iの初期タイプが物足りなく感じてしまいます。
(本当はこれでも必要十分なのですが・・・)
やはり最近のクルマで進化幅が最も大きいのはITだということでしょうか。
・アイドリングストップ
街乗りだと頻繁に作動し、排ガス削減にかなり貢献している感覚を受けます。
再始動の際には、M6 GCのように野太い音を奏でるワケではありませんが、独特の振動で大トルク+高圧縮比のディーゼルを意識します。
この振動はエンジンに詳しくない人には不快に感じる可能性はありますが、個人的にはマウントやボディへの負担を別にすればアリだと思います。
不満な点はブレーキの踏み方によっては車速≒ゼロの瞬間にアイドリングストップが作動し、停止がカックン気味になるところです。
ここは、システム自体の劣化対策も含めてプログラムアップデートに期待したいですね。
~70点
・ユーティリティ
カップホルダーの蓋 (可動式ではなく、取外し式)
STARTスイッチの位置 (ステアリングに隠れる)
コンフォートアクセスキー (運転中の置き場所に意外と困る。従来のように充電を兼ねたスロットがあれば。)
iDrive画面 (将来的なタブレット兼用に向けた過渡期なのは分かるけど、昔のオンダッシュタイプのようでデザイン&防犯性が気になる)
パドルシフト (従来の"押してマイナス" "引いてプラス"の方が直感的に分かりやすいような)
まぁ、どれも細かい事なので大した問題ではありませんが。
番外編とすれば、ボディとシートの手入れは今まで以上に念入りにしたいと思います。
ムーンストーン・メタリックはグレイシャーシルバーにもミネラルホワイトにも見え(実際並ぶと違いは明確ですが)、それらの一部パネルを板金塗装しているような印象を与えかねません。
久々の黒/赤以外のシートである、クリオーロブラウン・メリノレザーは普段の手入れが劣化対策のカギになると思います。
ということで、長文になりましたがウチにやってきた新しい仲間「BMW F30 320d」のファーストインプレッションを書いてみました。
全体的には試乗を通して感じたメリットはそのままに、実用的な部分での素性の良さを見出すことができたと思います。
今後は、ACCやコネクテッド・ドライブ等のIT方面を使いこなしたりSPORT,SPORT+モードを試したり、スマート・フォーフォーと同じく長く身に馴染むクルマにしていきたいです。