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天心のブログ一覧

2016年10月18日 イイね!

車社会

 自動車学校を卒業できない.今まで黙っていたが,どうしても学科試験が受からないのだ.仕方がないので,仮免許で子供の保育園の送り迎えをした.助手席に座っているのは元免許所有者である.だから法律的には問題はないはずである.お昼になり義理の母親が訪ねてきた.事情を話したら,それは無免許運転だと怒り出した.2時間くらい説教をされたが,「はあ.」と曖昧な返事をしていたら,あきらめたらしく向こうへ行ってしまった.その後誰かに電話をしていた.どうやら気に入らないことがあると相談する人がいるらしい.優しく話を聞いてくれるみたいだ.その人はきっといい人だと思った.気が静まった義理の母親は「二度と車にのるな.」と言い帰っていった.
 夕方になり,朝から何も食べていないことに気がついたが,あいにく助手席に乗せる人はいない.空腹が優先されるので,一人で車に乗ってファミレスへ行った.照り焼きチキンのピリ辛ステーキとエビドリアとシーズニングサラダを頼んだ.何となく帰りづらくて1時間くらい長居をしてそこを後にした.途中,警察官が違反車を止めてキップを切っているところを見たが,私は平常心で通り過ぎた.それは無免許運転ではないかと思う読者がいるかもしれないが,免許が受からないのは私の話じゃ無いから平気である.
 車社会では一番優先されるのは歩行者である.次に乳母車,自転車,リヤカー,バイク,車,戦車の順である.私のように中古でも高級外車に乗っている人はかなり優先順位が低くなるのが車社会である.つまり赤ちゃんを乗せた乳母車を押している人が車社会では最強である.だから車から乳母車に乗り換えようかと考えてみた.唯一心配なことは変質者に間違われないかと言うことであるが,私の上品な顔立ちからそれは心配は無いだろう.女性と一緒に歩けば,フェミニストだと周りからは思われるし良いことばかりである.赤ちゃんを乗せなくても,買い物の荷物を載せられるなど利点は多い.ところで乳母車のマクラーレンというブランドは40万円もするらしい.修復歴ありの外車並みの値段である.私の中古外車は今まで盗難の心配をしたことはないが,乳母車だと盗まれるかもしれない.予告状はないけれどたぶんは犯人はキャッツアイだと思う.

来るとしたらこんな予告状
Posted at 2016/10/18 16:30:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説 | クルマ
2010年11月22日 イイね!

新人職員(その11)

 新車が納車されたうわさを聞いたが、Oさんはあまりうれしそうな顔をしてない。私は、Oさんの話に付き合わされるのが苦手なので、出来れば顔を合わさないつもり。しかし、相変わらず医院は暇だし、中は狭いからどうしても雑談することになる。
「ちょっと、聞いてくれる。」
「なにかしら。」
「本当にふざけた話なのよ。私、新車でムーブカスタムを買ったでしょう?ターボ付の。」
「そうだっけ。」
「やだ、何度も話したじゃない。エコカー減税を使わないし、ローンじゃなくて現金で買った話よ。」
「そう言えば思い出した。だって一度も車を見せてくれないから、本当に買ったのかなと思って。」
「本当に決まっているでしょう!失礼しちゃうわね。」
「あら、ごめんなさい。それで何がふざけているの。」
もう、乗りかかった船である。相手はブレーキの壊れているGT-Rと考えても言い過ぎではない。諦めて話を聞くことにした。天気の良い午後は小説でも読んで、静かに過ぎていくはずだったが。
「先週の日曜日に、私のムーブカスタムが納車されたのよ。でもイロイロと納車チェックしていたら、色ムラがあるし、オドメーターが50kmなのよ。ふざけた話でしょう?」
「私のは180kmよ。でも50kmも出せれば普通の国道は大丈夫よ。」
「あなた、わざとボケているでしょう?あなたの言っているのはスピードメーター。それなら私のも140kmよ。まだ新車だからそんなには出さないけどね。そうじゃなくて、オドメーターというのはスピードメーターの中にあって、距離を測るメーターなの。」
「スピードメーターの中なら、スピードメーターじゃないの?」
「もう、あなたと話していると、日が暮れて次の朝になるわ。」
「はあ。」
「オドメーターの話はもう良いわ。新車なのに50kmも走っていると言うことが問題なの。」
「新車でも、会社から運んでくるから、全く0kmと言うことは無いわよね。」
「それはそうだけど、会社から50kmも無いわよ。」
「途中で寄り道したのかしら?」
「50kmも寄り道って、どこへ行くのよ。私、頭に来たから、車を取り替えろ!と言ったの。そうしたら。」
「そうしたら?」
「それは出来ないと言い張るのよ。何でも国交省が自動車会社で検査することがあるから、走行距離が増えていることもあると言い訳するのよ。」
「でも本当じゃないの?」
「何で私の車にそんなことをするのよ。きっと国交省の人だから脂ぎった中年のおじさんだわ。私よりも先におじさんが乗るなんて信じられない。」
「それは私もいやだわ。」
今はおじさんの不幸な時代だわと思ったが、それよりもGT-Rの顔が赤くなったような気がする。話が止まらなくなりそうだと思った。
「交換は出来ないが、スタッドレスを付けますとごまかしてきたけど、それくらいでは許せないわ。」
「と、言いますと」
「そうね、値引きをそれなりにでしょ。洗剤と、芸能人のコンサートチケットをくれたら考えても良いわ。」
なんだか、新聞購読の景品に似ているようだ。
「でも、やっぱり交換してくれないなら訴えてやるから。私の知人には弁護士もどきもいるのよ。」
ようやく話が終わったが、私なら新車の走行距離が何キロかなんて、うれしくて気がつかないかもしれない。それは私が鈍感なのかしら、高価な買い物をしたらそれくらい厳しくないとだめなのかなと悩んでしまう。
やっぱり新車を買ったのに、Oさんは楽しく無いようだ。






Posted at 2010/11/22 12:28:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説 | 日記
2010年11月02日 イイね!

新人職員(その10)

 近所に住んでいるお宅で、猫がいなくなったらしい。家人らしき若い女が、玄関を出たり入ったりしている。一緒に出入りしている痩せた女もいるが、たぶん妹ではないかと思う。外に止めている車の中で、猫を捕まえようと潜んでいるが、いっこうに捕まらないようだ。家出した猫は、昔ちらっと見た事があるだけだが、確かモップのような姿をしていたと思う。
 エサを玄関の前に置いて、油断した所を捕まえようとしているみたいだが、今のところ、野良猫が2,3匹、家の周りをうろついているだけである。時には、マタタビを撒いたり魚を焼いてみたりしているようだが、やはり、やってくるのは野良猫だけで、肝心のモップ猫は見あたらない。
 ある日、なにやら大きな細長い籠のような入れ物が玄関に置かれた。ねずみ取りを大きくしたような形である。
 興味があったので、近くで見てみようと思い、そばまで行って、じっとのぞき込んでみた。入り口は一つで、奥の方にエサを入れる皿があり、それを押すと後ろで入り口が閉まる仕掛けのようである。思った通り、ねずみ取りとそっくりである。
 次の朝、家の外から、ぎゃーと、赤ん坊が泣く声が聞こえるので、台所の窓から声がする方を見ると、例の猫取り器の中一杯になるほどの白い毛むくじゃらの生き物が、鳴きながら暴れている。あまり暴れるので、籠自体が小刻みに右に左に動いていた。まもなく若い女が現れ、籠をじっと見ていたかと思うと、それを逆さまにして、中の汚そうな猫を、外へ放り出した。放り出された猫はびっくりしたようだが、のそのそと何度も振り返りながら離れていき、やがて見えなくなった。女は、エサを元の場所に戻して、再び猫取り器を仕掛けると、家の中へ引っ込んだ。
 すぐにさっきの猫が現れて、猫取り器の周りをうろうろし始めた。しかし、今度はなかなかその中には入ろうとしない。かなり警戒しているように見えた。突然、後ろからピピピと音がした。ご飯が炊きあがったようなので、朝食の準備をすることにした。
 食事も終わり一息ついた。なんとなく外の様子が気になり、窓から隣の家の玄関を見る。猫採り器が小刻みに動いていた。中をよく見ると、白色と黒色の混ざった雑巾のような猫が見えた。その横には、さっきそれで捕まった大きな白い猫が右往左往しているように見えた。今回閉じこめられた猫は、鳴かないようである。そのうちに例の女がいきなり現れた。女は玄関から出てくるかと思っていたのに、外に止めてある車の中から出てきて、ちょっと驚いた。また猫採り器を逆さまにするが、今度の猫はなかなか出てこない。思いっきり振ったら、ようやく出てきたが、口の辺りはもぐもぐと動いていた。しつこくエサを食べたかったから、猫採り器から出てこなかったのだろうと思った。女はしつこく何か猫にしゃべりかけているが、猫は無視しているように見えた。やがて諦めて、再び仕掛けをすると、車の中に入った。
 しばらくすると、今捕まったばかりの白黒がまた猫採り器の中へ入り、エサを食べ始めた。おもしろいことになりそうだと思っていると、やがて女が車から出てきた。今度は何を思ったのか、猫を猫採り器から放り出さずに、車のトランクの中に入れてそのまま走り出した。
 私には何が起こったのか分からないが、そろそろ出勤時間なので、出かける準備をすることにした。通勤路なので猫採り器が仕掛けられている家の前を歩く。家の前を過ぎようとしたときに、女が車に乗って帰ってきた。しばらく、立ち止まって見ていると、トランクから、猫採り器を取り出した。中は空だった。
 興味をそそられて、声をかけた。

「猫ちゃんが逃げたそうですが?」私が聞いた。
「そうなんです。捕まえられるのは野良ばかりで困ります。」
「さっきの猫は。」
「何度も捕まるので、遠くで離してきました。」

 捕まえられた時には、白黒は飼ってもらえるかと期待ししたかも知れない。だから今頃は、がっかりしているのかもしれない。おまけに道に迷ってしまい途方に暮れてるかしらと思ったが、今まで、野良が道に迷って困っている所を見たことが無いから大丈夫だわとも思った。
「それじゃ。」と女が言うので、それで別れた。
途中で、黒いモップのような猫を見かけたが、飼い主の心配も知らずに悠々と歩いていた。
 
Posted at 2010/11/02 11:13:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説 | その他
2010年10月22日 イイね!

新人職員(その9)

 遠くに見える山の頂上から、切れ切れの雲がゆっくりとに日の方へ流れている。その辺りは少しだけ紅葉している。今年の夏はとても暑かったので、まだ山全体がもりもりと力に満ちているように見えた。医院からの窓の風景はあまり変わらないが、そろそろ風邪を引く患者がやってきそうだと院長が言っていた。しかし、きょうもそんなそぶりは無いようだ。どんなに暇でも院長が職員の話に入り込んでくることはない。院長が言うには、小さい頃はおしゃべりで、ひょうきんな性格だったらしいが、ある時友人から、よくしゃべるヤツだと言われ、それ以来、訥弁(とつべん)の方が男らしいと考えて、あまりしゃべらなくなったらしい。それでも、何か訴えたい気持ちは募るらしく、診察の切れ目になにやらごそごそと書いているようだ。医院のホームページもあるそうだ。うわさ好きのOさんから、あまりしゃべらない院長にしては饒舌に書いていると聞いた。きっと、話すのが苦手なので、言いたいことを文章にして書き散らして暴れているのだろうと思った。そういえば高校の時の同級生の中にも、少しどもったけれど、文章を書かせると立派な文を書くし、成績が良かった子がいたことを思い出した。
「変な顔をしていたけれど、頭は良かったわ。私と正反対ね。」
 夕方になったので、そろそろ診察室の器具をかたづけようかしらと、診察室に入っていくと、院長は驚いたようだ。「なんだ君か」と言うと、パソコンの画面を切り替えた。
「どこか、お掃除しましょうか?」間が悪くなって、言い慣れないことを言ってみた。
「え、いや、じゃあ、ごみ箱のゴミでも捨ててもらおうかな。」
なんだか変な雰囲気だったが、ほとんど空っぽのごみ箱を持って診察室を出た。
そういえば、もごもごしている院長を見たら、あの頭の良かった同級生に似ているように思えて、吹き出しそうになった。
「頭の良さそうな院長でも、上手く話せないときがあるのね。私もインターネットが出来たら、院長が何をホームページに書いているのか分かるのに残念だわ。でも知らぬが仏と言うこともあるから、見るのが怖いわね。」
最近になって、院長は下手な小説やら随筆を書いているが、上手く書こうとすると言葉が回りくどくなって内容が貧弱になる病に罹っているらしく、とても文を売って生活をしたり、定期的に文章を書くのは難しいと嘆いている。だからこのブログを更新するのも久しぶりである。



(続く)

Posted at 2010/10/22 18:05:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説 | その他
2010年09月17日 イイね!

新人職員(その8)

「今度さ。」
「え?」
「車がね。」
「車は駐車場に止めないとダメよ。」
「そうじゃなくて、車を買ったの。」
「あら、そう。それは良かったねえ。なんて言う車なの?」
「私って、ドライブが好きじゃない?」
Oさんからそんなことは初めて聞いたが、しばらく聞いてあげることにした。医院の昼下がりはとても暇だから、お互いに話すくらいしかすることしかない。
「そうだったけ?特産品を通信販売で買うのが好きじゃなかったかしら?」
「ええ、それも好きだわ。でもね、どうしてもほしい車があったから、衝動買いしちゃったの。ターボって知っている?」
「田圃の中も走れるの?」
「やだわ、何をぼけているの?ターボと言ったら、馬力のあるスポーツカーについているものよ。」
「スポーツカーですか?」
「そうよ、若い人に人気のある、なんて言ったかしら、えーと、ほらあなたがぼけを噛ますから忘れちゃったじゃない。」
「はあ。」
「思い出した。ムーブカスタムよ。」
「それなら、知っている。私の娘も同じ名前の車に乗っていたわ。黒塗りのね。」
「あら、それなら同じね。でも、私のはターボ付だから、エコカー減税もなしで買うのよ。ちょっとしたものでしょう。」
「何が、ちょっとしたものなの?」
「だから、減税なんか気にしないって事よ。」
「だって、あなた、いつも特売品とか、まとめ買いとかしているのに、今度はどうしたの?」
「みんなに合わせて節約している振りをしていたけど、私って値が張るものを値切らないで買うのが好きなの。だから今度も現金で買うの。」
Oさんの手にはなにやら分厚い封筒を持っていたが、中には何が入っているかは謎だった。
「納車したら、乗ってきて見せてね。」
「それは困るわ。ここの駐車場でキズが付くかも知れないでしょう。」
「そりゃ、どこの駐車場でも、傷が付くことがあるんじゃないの?スーパーマーケットならもっと危険よ。」
「でも、ここだとキズを付けた人が分かるから、その人と気まずくなりたくないのよね。」
気持ちのキズにはおおらかな人かと思ったが、たまには気にするらしい。
「じゃあ、今の車は下取りに出すのかしら?」
「ううん。とても気に入っているから、そのまま乗り続けるわ。」
「でも、2台も不経済じゃないの?」
「今まで黙っていたけど、気に入った車は何台でも手元に置いておくマニアなの。それに自分で修理も出来るのよ。この間なんか、タイヤ交換でさ、ジャッキが無くて困っていた人がいたから、素手で車を持ち上げたの。それからレンチもないというので、手でボルトを締めてあげたわ。マニアならこれくらいは出来ないとね。」
「じゃあ、私の車はラジオが調子が悪いのだけど、みてもらえるかしら?」
「ラジオは電気店のほうがいいの。」
「それなら、スモールランプの調子が悪いのも電気店ね。」半分冗談で言ってみた。
「もちろんそうよ。でも、その前に、故障したらまずたたいてみるものよ。」





(続く)
Posted at 2010/09/17 09:07:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | 小説 | その他

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何シテル?   12/13 11:39
天心です。よろしくお願いします。 自分では器用だと思っていましたが、車の整備では体力が無くて苦労しています。 痩せた貧相なおじさんです。ブログよりもTwit...
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