
久しぶりのブログです。
今回は先日封切りされた、劇場版アニメ
「君の膵臓がたべたい」を鑑賞してきたので、感想を書いてみます。
最近はTVアニメではメッセージ性の強い作品も少なくなり、マンガやラノベのコンテンツ消化ばかりが目立ちますね。
そんな中、意外とスポンサーからの制約をうけ難い劇場版アニメーションに関して言えば、黄金期を迎えてると言ってもいいのかもしれません。そんな中「本屋大賞」など数多く受賞した本作が劇場版として制作される訳ですから、期待しない理由が見あたりませんよね。
ここからはネタバレありますので、以後鑑賞される方はご遠慮くださいm(__)m
そして、毎度想うことですが、感想は人それぞれです。
個人の置かれている環境や心の色合いによって感じるところは違いますから、いま私なりに思うところを書いてみます。
■物語のあらすじ
物語は、本作のヒロイン「山内桜良」の葬儀のシーンから始まります。
そして、主人公である「志賀春樹」の回想として、時間が巻き戻されたある日、彼は病院で「共病文庫」と手書きでタイトルが記された文庫本を拾います。
その「共病文庫」に記されていたのは、膵臓を患って余命宣告を受けた女子高生の日記でした。
偶然か、彼女は春樹とクラスメートであり、明るく社交的で、どちらかというとクラスでも人気者であり、対局にいるこの二人の出逢いが、お互い彼と彼女に大きな影響を与え、生き方さえも変えていく存在になっていきます。
■ここから感想
自分は劇場版アニメーションを観て、初めてこの物語の内容を知りました。アニメーションの雰囲気は「春」のごとく爽やかな色使いと、原作イラストの繊細なタッチのラインそのままに描かれててとても好感が持てます。初めは感動こそしたものの涙は不思議と出て来ませんでした。それはこの物語に対する制作陣のひとつの回答なんじゃないかな? 悲しいながらも前向きに生きるキャラクター達の意識とも言いますか…
ストーリーはなんとな~く想像出来たので、闘病中の嫁と一緒に人生を歩んでいる自分にとってはちょっと重いかな?とも思ってましたが、これは鑑賞して良かったと思います。
鑑賞してすぐの頃は、恋愛もの? お涙頂戴もの? など色々な想いを巡らせました。
世間でも言われるように、「四月は君の嘘」と比較されることが多く、それはヒロインが病を患い、この世から去った後、残された文書により、初めて本心を知るという描き方が、似ていると感じる所以でしょう!
しかし、最近は比較することの無意味さも感じてます。
まっすぐに作品に向き合えないというか、比較する気持ちがあると冷めてしまう事があってよろしくないですね。
話を戻しますが、「桜良」と「春樹」の関係は、桜良が「共病文庫」に書いているように
「私達の関係をそんなありふれた名前で呼ぶのは嫌なの。 恋とか、友情とか。そういうのではないよね」
と言うことから、恋愛ものではないと言えます。
そして、この物語で一番心に残ったのは!
「17年、私は君に必要とされるのを待っていたのかもしれない。 桜が、春を待っているみたいに。」
2人の名前に現れている通り、「春」という季節は「桜」に花をつけます。対照的な2人の性格がお互い響きあい人として花をつけます。
桜良は春樹と出逢い4ヶ月で、初めて一人の人間としてみてくれている春樹から気づきを与えてもらう
「ほかの誰か、じゃなく。私を選んでくれたんだもん。 初めて、私は、私自身として、必要とされてるって知ったの。 初めて私は、自分が、たった一人の私であるって思えたの。 ありがとう。」
そして、対局にいる春樹は、人と人との関わりを持つようになり、桜良の親友と1年をかけて友人として人間関係作れるようになります。
春樹は桜良の膵臓は食べていませんが、彼女の
「私の魅力は、私の周りにいる誰かがいないと成立しないって。 それも悪いことだとは思ってない。だって、皆そうでしょ? 人との関わりが人を作るんだもん。それが私にとっての生きるってこと」
という言葉を信じて行動します。
これって、桜良は春樹のなかに息づいて、永遠に生き続けるってことですよね。
そういう意味では、似ているかは別にして人と人の関わりを表現している作品を敢えて挙げれば「聲の形」などがありますね。
常々想うことですが、
「人が死ぬ」って言うのは肉体が滅びるというより、人々の記憶から消えてしまい、覚えている人も居なくなった瞬間を言うんでしょうね。
そう考えた時、墓参りや法事の際、僧侶は「時々故人を思い出してください」と言われますが、旅立った人を忘れてはならない、心で生き続けてほしいという意味もあるのかもしれませんね。
こう言うことを考えさせてくれるキッカケにもった「君の膵臓をたべたい」とても優しい気持ちになれる良い作品です。
是非、劇場へ足を運んでみてはいかがでしょう!!
Posted at 2018/09/09 15:20:13 | |
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