
今年9月16日
米国ネバタ州のリノで墜落した
#177 ”THE GALLOPING GHOST”
(ギャロッピング・ゴースト)
事故に至る経過です
21日発売の航空ファン12月号によりますと
事故当日の9月16日金曜日の夕方に行われた
アンリミテッド・クラス(改造無制限)の上位6機のヒート2Aに出場した
#177 ”THE GALLOPING GHOST”
事故はその3周目に起きました
ギャロッピング・ゴーストが3周目のパイロン8に差し掛かった時
機体に何らかの異常が起き
機体は一瞬グラリと左に揺れ
すぐに右に傾くと共に瞬時にピッチアップして急上昇した
機体はそのまま右にゆっくりとロールを続けながら
ランプエリア上空で弧を描き観客席の後方上空で
ほぼ背面状態になり頂点に達した
そのまま右にロールしながら機種を下げほぼ垂直の姿勢で
グランドスタンド前のボックス席付近に墜落し
機体は粉々になって四散した
墜落へと至る機体を捉えた写真からは
いくつかの事が読み取れます
ひとつは左側の昇降舵トリムタブが外れいたこと
パイロットのジミー・リーワードは操縦席で
身体を折り曲げた状態で前方に押し付けられていること
エンジンは回っており
ジミーは突然の強烈なGのためのいわゆる
「Gロック」で
意識を失い操縦不能になったのではと推測される
事故発生によりその後の全プログラムはただちにキャンセルされた
墜落する前の2周目の ギャロピング・ゴースト
運命の3周目
墜落したTHE GALLOPING GHOSTのルーツは古く
1944年12月に米陸軍航空軍第3航空団に配備された機体で
実戦に出ることもなく1945年10月に除籍
その後、レース向けに改修が施された
機名は
まるで目に見えないかのごとくタックルをかわしてしまうことから
Galloping Ghost の愛称で呼ばれた有名なフットボール選手である
Red Grange選手を讃えて命名された
1946年のクリーブランドナショナル・エアレースに出場したのちに
機名を変えながらも存続し現在に至っております
1946年当時のTHE GALLOPING GHOST
そして改造を重ねた2011年のTHE GALLOPING GHOST
パイロットのジミー・リーワード氏の本業の不動産業の傍らで
エアーレースに生涯を捧げたナイスガイであり
Ameliaをはじめとする多くの映画でもその飛行を披露しており
彼ほどエアレースを支えて、熱心に活動してきたパイロットはいないだろう
享年74歳 ご冥福をお祈りします
愛機THE GALLOPING GHOSTのスケールモデルを手に微笑む
有り日のジミー・リーワード(Jimmy Leeward)

Posted at 2011/10/25 16:24:33 | |
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