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2010年07月13日

噂?の日産名機4気筒エンジン

噂?の日産名機4気筒エンジン 日産の4工場がIC制御部品の納入が遅れてる為に3日間稼動停止してるらしい。
私は工場勤務では無いので詳しいことはまだ判りませんが1万5千台ぐらい影響があるらしい。
サプライヤーは大変かも・・・。

さて、今まで何回か車の話の中でLZ20Bと言うエンジンの名前を出して来ましたが、実際どんなエンジンなのか、普通の人はあまり知らないと思いますので、ここでやっと触れてみたいと思います。
が、しかし・・・このLZと言うエンジンの生い立ちから話すと凄く長い話になってしまいますので、どこまで書いたら良いのか少々迷う所です。

LZエンジンは1972年に日本グランプリにB110サニーで参戦し、トヨタ相手に惨敗をしたのですが、トヨタが2TGと言う1600ccDOHC2バルブエンジンを搭載したTE27レビンやセリカで参戦してる時に、日産はL型OHC2バルブ1400ccしかなく、それをギリギリまでボアアップして1600ccにして何とか対抗しましたが、それでも10馬力以上の差がありました。(トヨタ170馬力/日産160馬力)
どうしようも無い日産に72年6月にある情報が入りました・・・。
FIA規定が変更になり、シリンダーヘッドの改造がOKになるとのこと。
そこで日産の特車(追浜部隊)はすぐにDOHCヘッドの設計に着手。

その時の基本構想です。
1、軽合金ヘッドであること。
2、カム及び吸排気バルブレイアウトはDOHC挟角4バルブであること。
3、燃焼室は、ごく浅い角度のペントルーフ型とし、高圧縮・高速燃焼をはかること。
4、ECGIを採用すること。
5、可能な限りコンパクトな寸法に抑え、重量もL14より軽くすること。

と言う設計構想があり、わずか10ヶ月程度で完成し、翌73年の日本グランプリでLZ14(1600)を積んだサニーエクセレントは見事にブッチギリで優勝しました。
エンジンはドライサンプと部分的にカムギヤとカムチェーンの組み合わせ。1600ccながら195馬力を出しました。

そのLZ14を使ったFP(フォーミュラーパシフィック)などもありましたが、LZは数回マイナーチェンジをしています。
そしてLZをさらに排気量アップしたLZ18を710バイオレットに搭載し、77年のサザンクロスラリーにも出ました。
そして81年にはグループ4でやっと公認が降り、ついにサファリラリーにPA10のL型エンジンからLZ20Bを載せたバイオレットGTで参戦!翌82年にはPA10とS110シルビアにもLZ20Bを搭載。
ついに前人未到のサファリ4連勝を達成しました!
ラリーでのLZ20Bは82年で終了、その後は240RSに搭載されるFJ24が主力になりました。
レースの世界では84年?ぐらいまでシルエットフォーミュラー(グループ5スーパーシルエット)に積まれ、2リッターながら500馬力以上の出力と、サイド菅から出るアフターファイヤーが話題になりました。
日産ではR30スカイライン、S110シルビア&ガゼール、910ブルーバードがLZを搭載して走りました。
完成度も耐久性も高かったLZエンジンは10年以上もモータースポーツで使われることになりました。

画像は貴重なLZ20Bのカタログです!
そこからスペックを紹介します。

出力         230ps/7500rpm
トルク         22.0Kg・m/6000rpm
最高回転数     8000rpm
ボア×ストローク  85Φ×86m/m
排気量        1957cc
圧縮比        11.0:1
シリンダーヘッド   DOHC 4VALVE/Cyl
インダクションSys  SOLEX50PHHキャブ(サニーはインジェクションですが、ラリーではキャブです)
点火方式       CDI
潤滑方式       ドライサンプ
オイルポンプ駆動  コックドベルト方式
※L型がターンフローに対してLZはクロスフローです。

とてもコンパクトでヘッドがDOHCなのにSOHC並みのサイズ。
私の個人的な意見では、デザイン的に観ても日産のエンジンの中ではトップクラスのカッコ良さです!
過去に私が関わってレストアした車としては、73年のサニーエクセレント、82年のPA10バイオレットにLZが搭載されています。(それぞれ排気量、仕様は違いますが)
音も凄く乾いた感じで、ギヤトレーンの機械的な音もして凄く良いです。
ヘッドカバーの形状も数種類あり、色も黒、赤、緑などもあります。

まだまだこのエンジンについては書きたいことが沢山あるのですが、ここまででも相当長くなってしまったので、とりあえず今回はここまでにします。
すいません、段々ウンチクっぽくなってしまいましたが、このエンジンはちょっと詳しく書きたかったので、資料を見ながら書かせていただきました。
今回はLZ20Bのカタログ写真を掲載しましたが、他にもLZ14のカタログやLZ20Bの整備書(PA10のチューンナップマニュアルにあります)なんかも持っていますので、また機会があったら紹介していこうと思います。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!
もし、記述に違うところがあったらすいませんです・・。(くるまじいさんさんお願いします)

それでわ、また次回に・・・。
あ~長かった・・・。(笑)







ブログ一覧 | エンジン他部品 | クルマ
Posted at 2010/07/13 23:50:33

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この記事へのコメント

2010年7月14日 0:16
以前の記事でLR20Bがでてきてましたが今回のはLZ20Bなんですね~。
RとZの違いって何なんでしょうか?(・・;)

このような記事は見てて飽きないですよ~、むしろありがたいです(^^)
日産の歴史ですからね!
というかサニーもレースに参加してたんですね・・・・昔は結構多種の車が出てたみたいですね。

しかも1年かからずに設計構想からエンジンを完成させてしまうとは・・・・技術も凄いですね。

今の日産にもこの血が受け継がれてることを信じたいですね!
コメントへの返答
2010年7月14日 0:38
LRとは普通のL20B(OHC2バルブ)をベースに燃焼室の加工をしたいわゆるチューンナップエンジンです。
LZ20Bはヘッドその物を新しく設計しDOHC4バルブヘッドを載せたスペシャルエンジンです。
40馬力ぐらい違います。
LRまではターンフローで、LZはクロスフローです。
中身もL型とは全くの別物です。
サニーは昔からレースやラリーでも活躍しています。
ブルと同じでおじさん車じゃないですからね。

エンジンの開発で私が知ってる限り一番最短のレーシングエンジンは何と昭和11年の多摩川レースに宿敵オオタ(当時の自動車メーカー)に勝つ為に作った747ccにDOHCを載せ、さらにスーパーチャージャーを載せたNL75と言う車に載せたエンジンが、わずか3ヶ月で設計からレースに出るまでに完成させたのが日産で最初で最短かも。
日産が出来たのが昭和8年で、わずか3年後のことです。
今はさすがに3ヶ月は無理でしょうけどね!
このNL75についても色々と資料があるので、いずれまた紹介しますね。


2010年7月14日 0:25
飽きたり退屈な事なんてありませんよ!!

懐かしかったり 新たな発見があったり 当時から抱えてた謎がとけたり(笑)


そういうデータが手元にあるってうらやましいくらいです(笑)
コメントへの返答
2010年7月14日 0:42
ほんとにいつもありがとうございます!
そう言う言葉が励みになりますね。
私も世代ではないので知識不足な部分もありますが楽しんで読んでいただければと思います。

しかし・・謎ってなんでしょう??(笑)

データや資料は一応コレクターやってますので、多少変な物を集めていますので!(笑)

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日本一?SSS-Rが好きで、国内で唯一のU12ワンメイククラブの代表をやらせていただいております。 U12と日産ラリーコレクターです。 クラシックカーイベン...
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