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イイね!
2017年03月29日

長い長い年月。

長い長い年月。 産業機械というか、 特殊な機械というのは大事にして延命していく訳です。

 大きな工場とか生産ラインとかでは どんどん新規入替更新でしょうが、
個人商店とかだと、 なかなか予算が厳しいので。


だいたい、 特殊用途なのは  値段が高い・・・


うちの 畳製造用の機械もそういうもので、 『なんとかかんとか使えているのでまあ使おう』という
感じで来ました。

 亡き父が、 20歳代の頃に、中古で購入したもので、僕が物心ついた頃には仕事で稼働していました。   
   おそらく、 設計生産は 昭和30年代かと思われます。



昔は、畳という物は、職人が手で縫いつけて製造していましたので、

全自動縫着機というのは 革命的な機械であったようで、
 祖父からは煙たがられながら購入したという話を聞いた事が。 

倉敷のトクラという会社が、初めて生産した返し縫着機械かと聞きましたが定かではないです。

初期らしい感じの番号・・・   2 12  ・・・    おそらく60年くらい前のものなのかもしれない。



長い事 現役で稼働するには・・・ なかなか保守が大変な事もありました。

この機械、 
 そして普通のミシンのような、上糸・下糸の2本縫いではなく、 1本の糸を、職人が縫う動きを再現したような動作をするという・・・ なんともサーカスのような構造なんです。

 ボビンから出た糸を、2本の爪で引分け、 長い引っ掻け針で下面から斜め上に引き上げ、
カウンターレバー爪で下へ引き下げて縫い締めるという・・・



とにかく複雑で 調整が難しく、  買った畳屋さんも音を上げて手放すのが多かったそうです。
 なので、 もう、和歌山県内でも残ってるのは・・・ほぼ無いと思われます。

親父が執念深く改造したので、 なんとか調整できて使えていましたが、 メーカーの整備士さんも、
『テンションもタイミングも変わってしまっとるで、ようわからん』と呆れていました。

なんとも 大昔の設計というのは凄くて、
 現代の機械のような、 サーボモータも無い時代ですから、

複雑な 3本の爪、 ボビンの回転、 針の上下駆動、 前進運動、 空ボビンの糸巻等々、
全てが、 たった1個のモーターで 動いています!!

内部は ギアとカムがぎっしり、   タイミングが狂わない凄い設計だと思います。
コンピュータも無い時代ですし。。。完全アナログ・カム制御。



 畳糸が擦れて、金属のレバー部品も筋に減ってしまったり・・・しかし 溶接で肉盛して再使用・・・

何だかんだで、   この機械で、 昭和40年代の住宅ブームの大量生産も乗り切ってきた、
まさに、  僕ら一家を食わせてくれてきた機械の一つですね。 

 そして こちらの 切断機。

これは 畳床を 正確に切断する、ギロチンですな。

直角はもちろん、 角度を変えても正確に切れないと 部屋に合いません。 

単純ですがとても 精度の要求される機械です。



ギロチ~ン。  押切ですね。    この刃を研ぐのはコツが要ります。




今日まで現役で頑張ってくれていましたが・・・     時代の流れというか。


昔のような畳を作るには 何も?問題はないのですが・・・



『畳の方が 変わってしまった・・・』





材料は 藁から 木質ボートに替わり、  通常55ミリの厚みが、  20ミリとか薄いのが増えて来たり。    建築の世界が変わってきています。


なんとか 調整しながらの四苦八苦で対応してきましたが・・・   いよいよです。


 今まで 部品供給を続けてくれたり、 ワンオフでも作ってくれたりなので、  この機械メーカーには 安心感があります。   やはり、 製造メーカーって、 そうであって欲しいですよね。


他の機械メーカーでしたら、 部品供給は15年で止めるとか言われた事があります。
 以前それで  別の中古機械は使えなくなって、いきどおった事があります。。。


まあ、 今時の機械は コンピュータ部品が無くなれば治せなくなる気はしますが、会社の体質の違いは大きいと思いますね。


 何処かの自動車メーカーとかみたいに 5年で買い替え提案するとか、 ヒトデナシだと!
まあ、 経済には寄与するでしょうが~


 昨年春に考えていましたが、  軽トラックが先になってしまい、 1年ずれ込んで更新の話に。
とにかく・・・中古機械ですが、 個人商店の予算的にはキビシイ・・・

 すっかり 僕の預金は・・・・・・・  ((^_^;)      まあ  飯のタネなのでね。


2台が 1台になるので、  スペースは広くなるかもしれません。







  あとでもう一度、   別れを惜しんでこようと思います。。。



夕方・・・   猫の定位置。



 
晩御飯の要求は、  黙って 機械の下に座る。




  『そろそろ 仕事終わりませんか??』



 
  
邪魔だよ。       挟まれても知らんぞ。    (意外と間合いは計ってる)





春ですね。     暖かい。    庭の花も開くなあ。



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Posted at 2017/03/30 01:03:13

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この記事へのコメント

2017年3月30日 5:37
こういった昔ながらの工作機械は頑丈に出来ていて、メンテさえすれば一生モノが当たり前の時代。まさに戦後の日本を支えてきた産業遺産なんですよね。
とは言え、使う人に世話をする人達も間違いなく高齢化の波は押し寄せ、間違いなく機械よりも先に人間が亡くなる…。しかも作るもの自体が時代に合わなくなるんでは、もうどうしようもないですからね。
なんとも寂しいですが…これも仕方ないことなんでしょうね。
お疲れ様と言ってあげてくださいませ。
コメントへの返答
2017年3月31日 23:26
頑丈ですよね・・・潤滑油さえ切らさなければけっこうナンとかなるものです。
 しかし、心臓部のモーターとクラッチはもう部品、出ませんので…なんか昭和旧車みたいです。

製造対応出来ない場合は手仕事で縫ってましたが~ちょっと無理なのがいろいろ・・・
 趣味や道楽でしたらそのまま使うのですが、いかんせん、仕事となると。。。

最後の夜は御神酒を供えて労をねぎらわせていただきました。 
2017年3月30日 6:46
こんにちは、私のおやじの実家が畳屋でこのような機械懐かしいです。
数年前に家業を継いだ叔父も亡くなり、このような機械がまだ置いてある状態です。さびしいものです。
こういう産業遺産も大切にして欲しいのですが
コメント すみません
コメントへの返答
2017年3月31日 23:35
おお!コメントありがとうございます!
なんと御親戚に畳屋さんが!!
畳業界も、高齢化が進んでおりますから…

なかなか個人商店というのは後継するの大変な御時勢です。 産業遺産・・・といっても、
なかなか~仕事道具となると難しいですね。。飯のタネですので。

翌日据え付けに来た機械メーカー社員さんも、『初めて見ましたこの機械』
と仰ってましたよ。 化石のような機械なのかも。。。
2017年3月30日 17:35
高度経済時代だとどの産業も明るい展望だったので大きな投資も出来ましたが
今の時代は先がみえないし将来性の無い物に投資は出来ないと
だましだまし使うか廃業かの選択になりますね
自分らの得意先の職人もどんどん廃業し機械も産業廃棄物に・・

まあまるなりグループは大きいから他で補填できるでしょうけど(^o^)
コメントへの返答
2017年3月31日 23:44
平成に入って以降、畳業界というのは厳しい感じで…一般住宅から畳が減ってしまっているのが…すっかり斜陽産業かもしれません。

 昔ながらの日本家屋が減ってしまった中で
藁床畳が使えない家が増えています。
 ビニールクロスの壁紙・合板パネル床面では湿気が抜けないのでダメなんです。

うちも…農園の方が売り上げは大きい状況ですが、畳は本業なので。((^_^;)
2017年3月30日 19:25
利口そうな猫ですね! 綺麗にして貰って・・・・・

猫って、人間を思うように動かせる動物だそうです。
コメントへの返答
2017年3月31日 23:51
猫としては利口かもしれませんが~あまり懐いていないというか、人間を理解しようという姿勢が見られません・・・ (^_^;)
 気ままな外飼い猫です・・・御飯の要求だけは
忘れませんが・・・餌付けした野良猫みたいな。

なぜか外づらは良いので家族以外にはサービス満点・・・まさに猫ですね・・・
 思うようにされてるな!?
猫小屋で寝ていますよ。家には入れていないので・・・ 
2017年3月30日 20:51
昔の機械は作りがしっかりしているので
畳以外の用途にも使えるかもしれませんね

オークションに出せば高く売れるかも?
コメントへの返答
2017年3月31日 23:53
畳以外の使い方が思いつきません~

本体はギアとカムばっかりで物凄く重たいです。 サーボの機械だと軽いのですが・・・

ユニックで吊られて・・・  行ってしまいました。

2017年3月30日 21:48
昔の機械って、全てが機械制御なので、メカメカしくって興味があります。
個人的には、旧日本海軍の主砲発射計算に使う射撃盤、これに魅せられてます。
CPが無い時代に、主砲弾の軌道を機械的に計算する、無数のカムとギアの組み合わせで計算してたわけですから、昔の技術は凄いです。
コメントへの返答
2017年4月1日 0:09
ギアとカムの回転ですべて制御・・・とにかく
1つの目的しか出来ないのですが、すごい凝った設計でした。  現代の畳の機械もギアとカムですが、サーボ制御でコンピュータが入ってます・・・設定変更とかもCP操作ですね。

タイガー計算機とかも芸術品ですよね。ギアの組み合わせで・・・失われていく技術でしょうか。

射撃盤、風向風力、自艦の射撃散布界まで
計算に入れて…ですよね。
 初弾で挟叉が出たら凄いでしょうねえ。
2017年3月30日 22:33
どっぷりアナログで育ってきているので、こういうメカメカした機械は
大好きです。
子供の頃ウチの近所の畳屋さんでは手縫いでしたが、微妙な力加減で見事に縫っていました。それを機械で同じようにやるわけですから、すごい制御ですね。
産業遺産として残してほしいです。
コメントへの返答
2017年4月1日 0:18
昭和のメカですよね~
手縫い時代の畳職人は、皆自分の独特の縫い方というか、クセがありまして、誰がやった仕事か、判る場合があります。 
 時々芸術品のような裏面の返し縫とか、出てきますよ。 張替の仕事で。

祖父の仕事も時折残っているのがあります。

スペースがあれば置いておきたかったですが、ちょっと無理…仕事となると難しいですね。。。もう旅立ってしまいました。

じつは1台だけ、一番古い機械を棚の奥に残しているのです。 もう使う事も無いでしょうが。 うちの店の御神体のような。(^_^;)

棚を解体しなければ見えませんが、
見守ってくれてる感じがします。


プロフィール

「広川町のクラシックカーイベント中」
何シテル?   04/20 12:46
ねこはちGTです。よろしくお願いします。 最近は 動画が楽しくて・・・時間かかるのですが。 http://www.youtube.com/channel...

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