WAKO'S PRO-S / プロステージS 0W-30  

【再レビュー】(2022/08/31)
とりあえずでも何も不満がなかったので次もプロSにしました。

前回交換から約4,000km弱。
少し暑い時期を走ったのもあると思いますが、3,500km過ぎたくらいで想定よりも早くタレ感を感じるように。
油圧の低い領域でアクセルペダルへの反応が鈍く、踏み増ししても圧縮＆爆発感が薄いな〜と。

受熱を繰り返すヒートサイクルが続くとオイルに含まれる添加剤のポリマー重合の初期剪断が終わるのが大体このくらいです。
初期剪断が一通り終わってくるとオイル粘度が下がり始め、更に取り込まれた汚れや、ピストンリングを吹き抜けたガソリン、ブローバイガスによるオイル希釈などなど、ピストンリングの密封度合いが下がってくるので、パワー感が下がったり、アクセル操作へのツキが悪く感じたりといったタレ感が出てくる訳です。

一応、初期剪断後もエンジンオイルとして最低限の性能は純正の指定される距離くらいは維持されるように設計されています。
一方で短距離が多いなどのシビアコンディションになると距離はその半分くらいが交換サイクルの指定になっています。
最近だとメーカー指定サイクルが15千キロ、シビアコンディションでその半分のイメージですね。
更にターボ車はタービン冷却のためにオイルを使うため受熱度合いはNAエンジンよりも必然的に厳しくなります。
軽ターボだとメーカー指定交換サイクルはMin2.5千キロ~5千キロとかなので負荷の高さは推して知るべしですね。

翻ってカイラさん搭載のVR30は大排気量ですが、レスポンス重視で小径タービンをインターセプトポイント高めで回転数限界まで使い切る設計です。



、、、後は分かるな？



で、WAKOSのオイルは色々使ってみました。
m13には4CR、
マチ子・ニスモさんはトリプルアールと4CR-SR、
ステージアにはEX-クルーズ、
マーチレースはWR-Rでしたがこれは用途が特殊なのでちょっと除外。

4CRみたいな高いオイルほど初期剪断までのフィーリングはとんでもなく抜群でしたが、2千キロ過ぎたあたりでガクッとタレます。
一方で単価がお安くなるほど初期フィーリングにガサガサ感が混じる感じであまり期待できませんでしたが、逆にタレ感が出始める距離は少し伸びる傾向にありました。

高いオイルはフィーリングの良くなる高い添加剤をふんだんに使うものの、そういうものは熱入れ耐久性に劣るんでしょうね。
逆に安いオイルはベースオイル比率が高めで耐熱性には優れるけど、フィーリングはそこまで求めるもんじゃないと。
でもワコーズ製品は基本性能が良いので不満は出なかったです。

そういう意味ではトリプルアールはバランスがよかったですね。
初期フィールはそこそこですが、劣化度合いの下がり角が浅い感じで5千キロくらいまではタレ感が少なく、なんとなくガサガサ感が出てきたなーと思ったらちょうど交換どきという感じでした。
価格も手頃でしたし。


さて、勿体無いからと言って古くなったオイルを使い続けると内部にオイル焼けがこびり付くのであまりお勧めしません。
良いオイルを早いサイクルで交換していたエンジンのロッカーカバーを外してみると、びっくりするくらいアルミ地肌色でキラッキラです。

あんまり早すぎる交換はお財布にも地球環境にも良くないので、許される範囲で労ってあげたいものですね。

※オイル本体、ガスケット、交換工賃込みです。
オイルフィルターは交換せず。