夏の冷房があまり効かない初代コペン。
改善のためヒーターコントロールバルブをDIYで取付したところ、効果は絶大でした!!
取付風景をアップする前に、空調の仕組みと冷房が効かない原因をご説明したいと思います。
長文になりますが、ご興味のある方は最後までお付き合いください。
※過去の記憶を元に書きましたが、エアミクスチャ付近の空気の流れが逆でした。他の方のアップにより気が付きました。感謝すると共にお詫び致します🙇
(誤りは修正しました)
先ず空調に於ける空気の流れですが、コペンの場合
外気導入・内気循環切替→エアコンフィルター→エボパレータ(冷房)→ブロア(送風ファン)→エアミクスチャ(暖房)→吹出口分岐、となっています(記憶が曖昧で順序違ったらすみません)。
ブロアが下流にあり、空気を引っ張って室内に送風するのでプル型と呼ばれます(ブロアが上流にあるのはプッシュ型)。
このうち、エボパレータはグローブボックスの奥にあり空気を冷やす役割を担っています。
冷房の仕組みは
①A/Cスイッチをオンにするとエンジン脇のエアコンコンプレッサーがマグネットクラッチを介して作動
②コンプレッサーで圧縮された冷媒ガス(エアコンガス)は高圧側配管を通り室内に引き込まれ、エボパレータで気化(この時に冷える)
③気化熱を奪いながら膨張したガスは、低圧側配管でコンプレッサーに戻され再び圧縮
となっています。
A/Cスイッチを入れると窓の曇りが取れるのは、エボパレータが冷えて結露し除湿するから。冬の家のサッシ・ガラスに付くアレと同じ原理です。エアコン入れて長時間停車すると、車体下に水滴が垂れるのはエボパレータの結露の水滴なのです。
※なのでエアコンをかけたままエンジンを切ると、エボパレータが結露したまま密室に放置される事になり、悪臭・カビなどの原因になるかも!出来れば到着5〜10分前にはA/Cスイッチをオフ・送風のみにしてエボパレータを乾かす事をオススメします!
※また、エンジンが高回転時にいきなりA/Cスイッチを入れると、マグネットクラッチ及びコンプレッサーに大きな負担がかかり寿命が短くなるので、A/Cスイッチはアイドリングや低回転時に入れましょう。
ここからが本題。冷やされた空気はブロアを経てエアミクスチャ(冷風・温風の混合)を通りますが、L880は構造上の欠陥が!
概略図の通り、中にあるヒーターコアは冷却水(熱湯)が通っておりエンジン熱を再利用している訳ですが、冷房のエボパレータと違いヒーターコアにはONOFFがありません。通常90℃、高い時で100℃を超える熱源が「常に」室内にある訳です。
当然、ヒーターコア近隣の「壁面」は少なからず熱せられる事になり、メイン経路の冷たい空気も温まってしまいます。
更に熱気は室内にも侵入するため、走行後にフットレストの左奥辺りを触ってみると結構熱くなっているはずです。コペンの足元が熱くなるのはエンジンからの熱よりもこれが原因です。
また、室内エアコンパネルの温度調整ダイヤルを捻ると図のフラップ(黄色)が上下し、冷・温風の割合を調整しますが、ヒーター経路の入口はフラップで閉じられたとしても、「出口は丸出しのまま」なのです。これではいくらクール側に捻って冷房を強くしても、100℃近い熱風が混ざってしまいます…
コペンは軽にしてはとても贅沢な車ですが、設計の古さは仕方ない所でしょうか。
最近の車は冷房も良く効き、こんな仕組みではないと思います。
よって、暖房を使わない季節はヒーターコントロールバルブにより冷却水をバイパスさせ、ヒーターコアに熱湯を送らない事で、冷房機能が100%発揮される様になる訳です。

以前ダッシュボードをバラした時の画像。左半分にブロア本体が見えます。この後、フレームを外し、ブロア内の清掃とアルミテープチューンを施しました。
エアミクスチャ内部の写真は撮り忘れていた模様。すみません🙇
Posted at 2023/10/10 15:51:00 | |
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