2015年のモーターショーで発表されたiM-4。
イグニスのコンセプトモデルとして登場したコンパクトカー。
当時あまり馴染みのなかったコンパクトSUVに、懐かしくも近未来的なデザインをしていた車体に一目惚れ。
イグニスとして発売間近になり詳細が明らかになってくると、当時車に求めていた性能が全て当てはまるという奇跡的な車でした。
排気量1200cc
車重1トン以下
サイズは軽より一回り大きいAセグメント
高車高
フルフラット可
低燃費
タコメーターあり
ラインLEDポジション
LEDヘッドライト
パドルシフト装備
衝突軽減ブレーキ装備(デュアルカメラ)
個性的な内外装(ここ重要)
運転席に座るたびにワクワクするこんな個性的でお洒落な内装の車は二度と出ないだろう。
黒とホワイトのダッシュボード。インパネにはシルバーとオレンジの加飾。
バータイプのインナーハンドルは私的にはポイント高め。
リアシートはフラットに出来るから大量の荷物を乗せるのに最適。事実、私の引っ越しの際に大型家具以外は全てイグニスで運搬した位使い勝手は良い。
工夫すればフロントシートからフルフラットに出来るから車中泊にも活躍できるパッケージング。
外装は当時大型メッキパーツを多用したケバケバしいデザインが多かった中でアクセント的に使用。
当時から流行りの威嚇するようなデザインを用いず、ファニーなデザインにしているのはさすがスズキといったところ。
リアに関しては賛否両論あった。見る角度次第ではカッコ良かったり、ブサイクだったり。好き嫌いが分かれるポイントではあるが、遠くから見てもイグニスだと一発でわかるデザインという点は評価できる。
私は好きなデザイン。
こうやって斜め後ろからみると凹凸が主張してカッコいい。
巷ではマイルドハイブリッドをなんちゃってハイブリットと呼び、低燃費には貢献しないとまで言われていたものの、街中を流れに合わせて走ったり、時に峠でMTモードを使いぶん回すような走り方をしても平均20km/Lを下回ることはない低燃費な車。
見た目によらずコーナリングが得意で、ちょっとしたコーナーではそのままの速度で突っ込める程の足回り。
車高を上げると最低地上高が210mmまで上がり、ジムニーやフォレスターといったSUVと同等にまでなる為、ちょっとしたオフロードや雪道でも臆することなく走れる。
そんな中、イグニスに対する不満点もいくつか乗っているうちに出てくるように。
まず、ボンネット上から突き出たウォッシャーノズル。
使う度にボンネットからフロントグリル。場合によってはフロントバンパーまで垂れるから使用後拭くか、使うのを雨の日に限定する必要がある。
晴れ日に使おうものならボンネットにシミが出来、見た目が最悪になる。この時代ボンネットウォッシャーはないだろ。
次にロードノイズ。これが致命的に煩い。
純正タイヤが悪いせいもあるが、構造的にしょうがないものだと諦めるしか無い。どんなに対策しようが変わりなく、いつしか考えるのをやめた。
そして、走行中の揺すられ感。
足回りはコーナーを攻めれる程優秀だが、直進中は常に左右に揺れている。
サスのバランスが悪いのか轍や段差で一度揺れると収まるのに何度も左右に揺れ安定感に欠ける。
タイヤが細いせいか、構造の問題なのかハンドルのセンタリングが曖昧で、センター位置でハンドルに遊びがあり左右に数度程軽く動く。そのせいで、直進し辛く常に細かくハンドルを動かす必要があり、これが高速道路を走る際にはかなりの疲れに繋がる。
乗り換え前、ハスラーに乗っていた私はスペックを比較して期待していた。
イグニスの排気量は1200ccで車重880kg。
ハスラーは660ccで790kg。
排気量は約倍で、車重は約100kgUPしただけ。
これは軽さを生かして気持ちよく走れるに違いない、と。
しかし、実際は排気量が上がっただけで走りはハスラーとたいして変わらず。
DモードではCVT制御が悪いのか走り出しから中速までモッサリし、踏み込んでからのレスポンスが悪く排気量と車重から想像していた走りとはかけ離れたものだった。
それでもMTモードをフルに活かせば多少は良くなるが、他社同排気量の車と比較すると残念な走り。
低燃費走行を前提とした制御がされているようで、エコカーとしては90点の出来。普通車として見ると50点といったところ。
多少の不満はあったが、乗っていて楽しかった不思議な車だというのが本当のところ。
軽とサイズはあまり変わらず取り回しが良く、車両感覚が掴みやすい。
これがフルハイブリットでトヨタマーク付けて売ってたら確実に爆売れするのだろうなぁ、と思える一台だった。
Posted at 2019/03/26 20:54:10 | |
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