
猛暑続きの毎日ですが、土曜日にBYD SEALの試乗に行ってきました。
先月、新幹線で大阪へ行った際、乗り換えで立ち寄った博多駅で実車の展示が行われており、内外装を眺めたり運転席に座って説明を受けたりしました。

その時はあまり時間がなかったので少し見てアンケートに記入しただけだったのですが、その後しっかり地元のDから試乗についての連絡が来ました。

地元ではBYDのDはホンダ系の販社がまだ独立した店舗を持たず、系列の他の店舗を間借りしている状態。このお店、自宅から15分くらいのところにありますが初めて行きました。入ってみてスタッフの多さにびっくり。お客も多く、ほとんどが軽自動車の購入や車検の皆さんでした。店内も広く、なかなか盛況でした。

そんな中、来店を告げるとBYDの担当者が来て一通りの説明を受けて早速実車に案内されました。ホワイトのRWDです。このSEALの場合、グレードはRWDとAWDの2つのみで、またグレードによる装備の差もほとんどないということです。
フロントのデザインはかなりスポーティでかっこいいです。

価格はRWDが528万円、AWDが605万円で、先着1,000台までの契約ならそれぞれ33万引き。この辺りTESLAのキャンペーンをかなり意識していますね。ただ、政府のEV補助金はRWDで45万円、AWDなら35万円と他車種に比べてかなり少ないです。特にTESLA MODEL3のロングレンジが補助金85万円に比べるとなかり厳しいです。

内外装はかなりスポーティな味付けでステアリングも太めの小径、シートもヘッドレスト一体型です。

最新のEV車らしく、車両設定や情報の多くはこの中央の15インチディスプレイに表示されます。

しかし、エアコンの風向まで画面で操作するのはちょっとやり過ぎの気がします。

ただ、TESLAと違ってステアリングの前にもディスプレイがあり、運転の基本情報はこちらで確認できるのがありがたいです。また、これはBYD車に共通の機能ですが、中央のディスプレイを90°回転させられるのは、ナビの地図表示の時にかなり先まで見通せて良いと思います。

中央のディスプレイには各タイヤの空気圧をリアルタイムに表示するTPMSが表示されますが、これはPassatのようにABSセンサーを流用して回転数の差を見ているのではなく、4輪それぞれのホイル内に空気圧センサーがあるタイプでなかなかいい装備だと思います。

タイヤは235/45R19で、これはAWDも同じです。扁平率が45なのも乗り心地の良さに貢献していると思いますし、ホイルのデザインもなかなか気に入りました。

フロントのデザインはEV車らしいグリルレスですが、のっぺりした感じもなくシャープでスポーティです。ちょっと左右のエアインテーク風ガーニッシュが目立ちすぎる気もしますが。ここにはDRLの細い複数のラインが入っています。

リアのデザインはなかなか良いです。左右のテールランプを繋ぐラインがリアトランクの傾きを切り替えるアクセントになっていて、なかなか気に入りました。

トランクは電動で開閉します。ただ、奥行きは深いものの開口部の上端が低く、覗き込まないと最奥部が見えません。

EVなのでフロントにも小さいながら物入れがあります。汚れ物など入れておくにはいいでしょう。

アウターのドアノブはロック時にはドアに埋め込まれてフラットになっていて、ドアロックを解除して開ける時だけこのように出て来ます。

また、ドアロックが解除されていてもしばらく時間が経てばドアの中に引っ込みます。その場合はまたボタンを押して出す必要があるようです。

充電口は右リアのフェンダーにあります。200Vの普通充電とCHAdeMO用。

リアシートにも座ってみました。クーペスタイルのボディなので、どうしても乗り込む時に頭をかなり前に傾けないとルーフに当たりそうになりますが、乗り込んでしまえば頭上の余裕は十分です。

運転席を私のポジションに合わせても、右リアの膝前にはかなり余裕があります。

フロント/リアにそれぞれ充電用USBポートがありますが、面白いのは前後ともAとCが一つずつであること。フロントのUSBは有線ですがCarplayにも対応しているとのこと。ただ、フロントのUSBポートはコンソール前方でちょっ分かりにくい場所にあります。また、Android Autoは無線接続も可能とのこと。この辺り、このインフォテインメントシステムがAndroidベース?と思われるデザインなのも関係あるのかな?

さて、試乗は営業さんを助手席に乗せて、一般道に加えて自動車専用の有明海沿岸道路も走って来ました。
走り出して気づいたのはスポーティな内外装に比べて、かなりジェントルな乗り心地なことです。足回りは意外とソフトで少し柔らかすぎかと思うくらいでしたが、Cell to Bodyとネーミングされている高剛性ボディのおかげか、ハンドリングの気持ちよさや剛性感が感じられ、2tを超える車重をしっかりと支えて高級サルーンのようなどっしりとしたフィーリングです。また、外部からの音の侵入もよく抑えられてして、とても静かな車です。
また、ADASシステムも最新の車らしくレーンの中央をしっかりキープするし、ACCを使っていても前車が近づいて来た時の減速が自然で加減速に唐突な感じは全くありませんでした。
一方、EVなので回生ブレーキの効き具合も試しましたが、設定は2段階のみで強い方に設定してもあまり強力には効きません。GTEと同じくらいでしょうか。ですので完全停止までのワンペダル走行はできないようです。
パワーについては今回はRWDですのでもう少し欲しいと思いました。スペックは、RWDが312ps/360Nm、AWDが529ps/670NmとAWDはかなり強力です。今回のRWDはある程度スピードが乗ったらそれなりにぐいっと来ますが、特にEV特有の走り出しから強力なトルクでぐいぐい加速するという感覚はあまりありませんでした。この点はフロントにもモーターが装備されていて強力なスペックのAWDに期待したいところです。
オーディオについてはDynaudio製の高級システムということで期待したのですが、ラジオを聞いた限りでは特に素晴らしい音質とは感じられませんでした。私がGTEに載せているSDカードにはFLACフォーマットで保存しているアルバムもいくつかあるのでそれを聴いてみたかったのですが、このSEALは外部メディアはUSBまたはMicro SDカードということでこれは試せませんでした。

試乗を終えてDに戻ったらちょうどGTEの隣にMODEL3が停められたところでした。私と同じSEALの試乗でしょうか。

試乗の終わりにカタログを貰いました。最近はカタログと言えばwebからpdfで提供される場合が多く、この製本された本カタログを貰う機会がめっきり減って来ていたのでちょっと嬉しかったです。

カタログによるとボディカラーはRWD、AWDともに5色から選べて、しかも色によるオプション料金の追加はないとのこと。この辺りは良いですね。Teslaなど、色によっては20万も高くなるのがありますから。
また、ボディサイズについては、
BYD SEAL
全長×全幅×全高
4800×1875×1460mm
ホイールベース
2920mm
となっています。TESLAと比べると、
Tesla Model3
全長×全幅×全高
4720×1850×1440mm
ホイールベース
2875mm
と、SEALの方が一回り大きいです。
ちなみにPassatと比べると、
Passat セダン
全長×全幅×全高
4785×1830×1470mm
ホイールベース
2790mm
と、全幅とホイールベースがかなり違います。
総じてEV車はホイールベースが長い傾向にありますね。そう言えば以前15日間モニターしたHyundai IONIQ 5も、
IONIQ 5
全長×全幅×全高
4635×1890×1645mm
ホイールベース
3000mm
と、全長に比べてホイールベースが極端と言えるほど長いです。
TESLAやIONIC5の試乗の時はあまり強く営業されなかったのですが、このBYD SEALは営業さんが熱心でした😅。BYDはHPからポチッと発注するスタイルではなかったのですね。見積もりやGTEの査定もさせてくれと言われてやってもらいましたが、見積もりはキャンペーンからさらに値引きがあるわけでもなく、またGTEの査定は「まあ、Dはこのくらいだろうな」と予想した価格より安かったです💦。納期はRWDは全色1ヶ月程度、AWDなら1ヶ月半くらいとのことでした。
このBYD SEAL、もしステーションワゴンのボディがあるならもう少し真剣に検討しても良いと思えるほど良くできた車でした。それだけに補助金が他車よりかなり厳しいのが残念です。まあ、その分価格を抑えていると言えなくも無いのですが。
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2024/08/07 22:45:43