
先週のある夜、みん友さんたちと情報交換していたら、堅パンさんから「福岡でTESLA Model3の試乗会がありますよ」と情報をいただきました。九州内ではなかなかTESLAに触れる機会はなく、Model3と言えば先月大幅値下げで話題になってました。一番値下げ幅の大きいロングレンジは655.2万→499万という、なんと156.2万ものとてつもない値下げです。上海ギガファクトリーでの製造になったタイミングで大幅値下げになったそうです。環境省などの補助金を考えるとまさにバーゲンプライス。その後、今月になって何故かまた10万値上げされましたが、値下げし過ぎたことに気付いた?いずれにしても最近とても気になっている車のひとつでした。
そこで早速申し込んで、今日はTESLA Model3の試乗会へ行ってきました。4月から仕事が楽になったので平日午後でも休みが取り易くなりました。みん友so-menさんにもお付き合いいただきました。

場所はここ、ヒルトン福岡シーホークです。行ってみて分かったことですが、このホテルは数年前からTESLAの充電設備を4台分備えているそうです。写真を撮るのを忘れましたが、車寄せにも「TESLAのお客様」と看板が出てました。

so-menさんとホテル近くで合流し、4階の正面玄関前に行くと受付があり、4台のModel3が迎えてくれました。事前予約していたので、順番を待ってる間に展示車両に乗り込んで基本的なスペックや機能、操作の説明を受けました。ドアノブを引き出し乗り込む時の作法はちょっと慣れが必要に思いました。

動画サイトなどで事前に情報収集はしていたのですが、本当にモニターとステアリングのスイッチ以外は触れるところがありません。シンプル過ぎて寂しい位です。グローブボックスさえ中央モニターのタッチパネルで開くのはちょっとやり過ぎの感さえあります。
前席シートはPassatに比べると柔らかめですが質感は上々、結構ゆったり余裕がありました。内装はシンプルですがいい感じです。スタンダードレンジプラスは前席のみ、ロングレンジは後席もシートヒーター付きだそうです。また前席は左右ともパワーシート。ただ、ドアの内張はちょっとシンプル過ぎてもの足りない感じでした。Passatの方が質感は高いかな。内側からドアを開ける時、レバーではなくボタンを押すだけで少しだけ開くのは新鮮でした。

ステアリングは予想より小径でした。握りは太め。ウレタンで柔らかく質感はまあまあです。ステアリングにあるのはホーンボタンと2箇所のスイッチだけです。Passatのように左右にスイッチがいっぱい付いているのも覚えるのが大変ですが、スイッチの機能をモニターからメニューを出して選択するのも面倒だと思いました。

サイドミラーの調整やステアリングのチルト/テレスコピックもこのボタンに機能を割り当ててから操作します。
モニター下のスペースにはスマホを置くスペースがあり、非接触充電機能付き。手持ちのiPhone12を置いてみましたが、問題なく充電されました。また、助手席との間のセンターコンソールは広めで、座席にタイト感があるのは良いのですが、室内が少し狭く感じる気もします。

試乗車はディープブルーメタリックのロングレンジでした。私がもしこのModel3を購入するなら、恐らくこの組み合わせになるでしょう。でもちょっとブルーが明るすぎるかも。しかしホワイト以外12.6万高はちょっと高すぎ。レッドに至っては25.1万高!
内装は白と黒が選べます。白を選ぶとインパネとドアの内張りも白基調になり、黒を選ぶと木目になります。この辺りは好みの分かれるところでしょう。

リアは思ったより腰高ですが、ハッチバックではなくトランクです。

ロングレンジなので2モーターの4輪駆動です。控えめにDUAL MOTORのエンブレム。

トランクの開口部は広く、腰高な分深さも奥行きも十分ありました。

エンジンがないのでフロントにも物入れがあります。「フランク」と言うそうですね。知りませんでした。

このフランクには内側にライト付きのスイッチがあり、これを押すと中から開く仕組みだそうです。一見どんな使い方をするのか分かりませんでしたが、米国では小さい子どもなどが閉じ込められた時などのために装着が義務付けられている?とのことでした。なるほど、そんな事態を想定する必要があるのか、さすが米国と感心しきり。

タイヤ/ホイルはこのロングレンジは235/40R19でPassat 2.0R-Lineと同じサイズです。ただ、ホイルの質感はあまり気に入りませんでした。P.C.Dは114.3なので替えようと思えばホイルの選択肢は多そうです。タイヤは全車Hankook製でした。
その他の取り扱いについては
こちらをどうぞ。

一通り説明を聞いてから運転しました。まず戸惑ったのは、シフトレバーが無いこと。TESLAはPHEVのPassat GTEと違ってそもそもギアボックスが無いので、ステアリング右側のPassatで言うとワイパースイッチのレバーにD、N、R、Pが割り当てられていて、それを押すだけです。モニターを見てどのモードに入っているかを確認します。

Dに入れてホテルを出ると、すぐにトルクが太いのがわかりました。GTEでモーターでの走行や回生ブレーキには慣れてましたが、このトルクは強力です。アクセルを踏み込むとぐいぐい加速します。残念だったのはコースの関係でホテルの周りの混雑した道路を一周するだけだったこと。せめて都市高速に乗ってハンドリングやオートパイロットを試したかったです。
それでも、ハンドリングがシャープで回頭性が優れていること、235/40R19というタイヤの割には乗り心地が良いこと、遮音性がかなり優れていて外部からの音の侵入が抑えられていること、剛性感が素晴らしくどっしりとして軋み音など全く聞こえないことなどはよくわかりました。担当者はバッテリーの積載方法などによる低重心のメリットを強調していましたが、なるほどそれは言えるでしょうね。
また、中央のモニターには自車とその周囲の状況を全部で8個だったかのカメラで認識していて、それをイラストで表示しています。これは素晴らしい機能で、これらの認識精度がどの程度かは今回の試乗では分かりませんでしたが、安全な運転支援に大きく関わる部分だけに、正直、方向性をとても気に入りましたし、今後のアップデートにも期待したいところです。実際、赤信号は認識していました。米国では既に信号機の認識とACCが連動出来ているとか。しかし、何故かアラウンドビューモニターの機能はありません。これは意外でしたがこの辺りは文化の違いもあるでしょうね。あと、回生ブレーキは強力で、完全に停止してさらにパーキングブレーキまで自動的に入ります。もちろん、アクセルを踏めば解除されますが、完全なワンペダル走行も可能ですね。
あっという間に運転時間は終了し、今度はso-menさんと交代して私は後席に。so-men氏はPassatを鬼静音仕様に手を入れられているだけあって、流石に静音や遮音について確認したり同乗していた担当者に突っ込んだ質問をしたりしておられました。窓ガラスも防音フィルムを挟んだタイプになっているそうです。

後席については、セダンと言ってもクーペスタイルなのでCピラーが結構寝ていて、しかも背もたれがドアの開口部より結構後ろ側にある感じで、乗り降りする時に頭を下げる必要があります。また内張などは前席に比べてさらにシンプルで、ちょっと物足りない感じです。乗ってしまえば広さは十分でした。シートも前席同様柔らかめだと感じました。日頃乗ってるPassatが硬めなので余計にそう感じるのかも知れません。あと、後席もシートベルトをしていないと警告が鳴り続けます。

試乗が終わってホテルに戻り、世間の評判で気になっている組み上げの精度を見てみました。接合部がズレているとか、チリが合ってないとかいう記事をよく目にします。

私がざっと見たところ、確かに隙間は広めですが、そんなに気になるレベルではありませんでした。

確かにぴったりというには厳しいのですが、まあ、これくらいなら許容範囲です。
それより気になるのはメンテや修理の拠点です。九州では福岡のヤナセと提携して専任スタッフがいるそうで、必要に応じて出張修理もやるとのこと。ただ、それでも大掛かりな修理は大阪送りになるとか。この辺りはまだまだ不安があります。
充電については家庭にウォールコネクターを設置したら日頃の運用はまず問題ないでしょう。問題は遠出した時です。街中の急速充電器も使えるそうですが、充電速度はかなり遅めですし、全世界で20,000箇所もあるというTESLAご自慢のスーパーチャージャーも、九州内はまだ福岡に1箇所あるだけです。
最後に納期などの質問をしてみました。現在のところ約4ヶ月とのこと。気になる環境省などの補助金が尽きるのとどっちが早いかは、「とりあえず1.5万支払って注文したら、お金は戻らないけどキャンセルは可能なので、補助金の具合を見て最終的に購入するかどうか判断する人が結構多い」とのこと。補助金80万の差はでかいですからね。
あと、感心したのは担当者は説明に終始してほとんど営業らしいトークが無かったこと。まあ、TESLAはネットでポチっとするだけで、値引き交渉もなければ印鑑押すまでの駆け引きもありませんからね。「気に入ったなら帰ってからゆっくりネットで注文してね」ということでしょう。

その後、ホテルを出て近くのPayPayドームそばのショッピングモールに移動して、スタバでso-menさんと反省会。
Model3は確かに魅力的な車で、今から注文して補助金に間に合うならかなりのバーゲンプライスです。しかし、セダンボディで室内もPassatと比べるとかなり狭く感じます。タイトな包まれ感が好みならばそれも良いのですが、ステーションワゴンの機能や荷室容量などを重視するならばちょっと車としての方向が明らかに違います。

so-men氏に見送られ、帰りはゆっくり山越えで帰りました。TESLAに試乗した直後だったのでもっと差を感じるかと思いましたが、我がPassat GTEもなかなか捨てたものではありません。来る時は高速をほとんどハイブリッドモードだったのでまだバッテリーは8割方残っていて、帰りはバッテリーが尽きるまでEモードで走りました。我が愛車もなかなか快適です。今日も午前中はたくさんの荷物も運びました。
TESLA Model3、とても魅力的でしたがPassatの魅力も再確認できた試乗会でした。お付き合いいただいたso-menさん、お世話になりました。ありがとうございました。私には構わずどうぞポチってくださいね(^^)。
あ!カミさん号をドナドナして2台持ちという手はまだアリかも(^^;;